「ネガティブの塊」が復活への一歩を踏み出した。

 ノルディックスキーW杯ジャンプ女子個人が2月10日、スロベニアで行われ、今季開幕から苦しんでいた高梨沙羅(22)が15戦目で初優勝を挙げた。昨年3月25日オーベルストドルフ大会(ドイツ)以来の勝利。18年平昌五輪金メダリストでW杯6連勝中だったルンビ(24=ノルウェー)が2位だった。

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 自身が持つ、男女を通じてW杯歴代最多となる通算勝利を56に伸ばした高梨は「とてもハッピー。今日は難しいコンディションだったので、技術面に集中しました。ファンやチームのみんなに感謝したいです」。英語で優勝インタビューに答え、晴れやかな笑顔を見せた。

 「もともとネガティブの塊」と性格を自己分析し、メンタル強化のため瞑想(めいそう)を取り入れてきた。スポーツキャスター・松岡修造氏とのインタビューで、その内容が紹介された。

 「目をつぶり、リラックスした姿勢で30分以上、その日のトレーニング内容や課題、私生活で感じたことなどを考える。瞑想することで、嫌なことを言う『自分B』を、なだめ役の『C』『D』が『勝てなくても死ぬわけじゃない』と落ち着かせ、『A』が考えをまとめていく。さまざまな角度から客観的に自分を見つめることで、想定外の出来事にも対応できるように準備している」

「想定外の敵」との闘い

 「想定外」の敵と闘ってきた。今季第2戦では、スーツの規定違反で失格となった。

 飛躍前のスーツのチェックで、股下の長さが規定よりわずか8ミリ短かったという。3位だった第1戦でも同じスーツを着ていたから不可解だ。

 欧州関係者は「高梨が強すぎると、欧州の大会では集客が良くない。そもそも女子の競技人口は世界でも500人くらい。

 欧米勢が強くないと競技人口も増えない」と、高梨に不利といわれるルール変更も行われてきた。

張本勲氏からの「喝」

 2018年平昌五輪で銅メダルを獲得した際も厳しい声があった。大会後、TBS系テレビ番組「サンデーモーニング」のスポーツコーナーで、ご意見番の張本勲氏が「今のままじゃ(優勝した)ルンビに勝てないよ。もっと自己管理して練習を積み重ねないと。助走から差があるんですよ。踏み切りの時、飛ぶ時の練習をもっとしてもらいたいわね」と『喝』を入れた。

 ネットでは張本氏の発言が炎上したが、実績からすれば物足りないという意見が挙がったのも事実だ。

 張本氏の苦言を受けた?わけではないだろうが、今季の高梨は「(上位勢と)力の差を痛感した。ゼロからやり直す」と宣言。

 技術面などで試行錯誤を重ねる一方、第一人者として結果も求められる立場で苦悩した。「失敗の繰り返しが続いてしまうと、苦しい時もあります。試技で感触がよくても、試合で打ち砕かれる。失敗から学ぶ糧は多い、とポジティブに考えないといけない」と心を沈めてきたが、ここにきて取り組んできたことが「かみ合い始めた」と手応えを感じつつある。

 上昇気流に乗って、2月20日の世界選手権(オーストリア)に向かう。優勝候補だった14年ソチ五輪で4位に終わるなど、これまで五輪、世界選手権という大舞台で優勝したことがない。メンタル強化と技術向上に結果が伴えば、何よりも大きな自信になる。

※健康、ダイエット、運動等の方法、メソッドに関しては、あくまでも取材対象者の個人的な意見、ノウハウで、必ず効果がある事を保証するものではありません。

[文/構成:ココカラネクスト編集部]