連載第3回目は昨年のインカレでチームに大きく貢献した、アルペン女子の松本なのは(スポ2=北海道・札幌第一)と石島瑤子(スポ3=群馬・尾瀬)。早大女子アルペンチームを引っ張る2人は今、何を語るのか。

※この取材は2018年11月19日に行われたものです。

「優勝できたのは先輩が色々なサポートをしてくれたおかげ」(松本)


松本は昨季のインカレで1年生ながらSLで優勝を果たした

――昨季の競技成績を振り返ってみていかがですか

石島 毎年なんですけど昨季も主にファーイーストカップを回っていて、3年間で段々と戦えてきていて、その中でも1番戦えてきたかなという手ごたえを感じられるシーズンでした。

松本 私は今まで目立った成績を残してきていなかったんですけど、昨シーズンは滑り的にも成績的にも多少は飛躍じゃないですけど、残せたかなというシーズンでしたが、つかみきれないというか練習で得ることができていた良い感覚を全てレースで出し切れなかったという悔しさもありました。

――インカレについては

石島 昨年は2回目のインカレだったんですが、1年生の時のインカレは自分のことだけを考えて滑ってたんですけど、2年目になって初めてチームというものを意識するようになって、アベック優勝を狙っていて、他の部門の人たちがしっかりと結果を残していたので自分もチームのために結果を残さないというプレッシャーを勝手に感じてしまっていて、滑りも結果も良くなかったかなと思います。

松本 私は、初めてのインカレだったんですけど去年はチームが強いと分かっていて、総合優勝を狙えるのも去年がチャンスというのも言われていたし、アルペンの先輩も強かったのにその中で自分が出場させてもらって、先輩からも「プレッシャーとか気にしなくていいよ」と言っていただいていたので、その結果比較的プレッシャーというものは感じることなく望めて最後のSL(回転)では優勝することができたと思っています。初めて優勝することができて素直に嬉しかったですね。自分の結果には満足していて、やはりそれの裏には先輩が色々なサポートをしてくれたおかげだと感じています。

――インカレの雰囲気はいかがですか

松本 自分は勝てたので最終的には楽しかったなと感じたんですけど、スタート前とかは各学校の応援が特に凄くて少し嫌でした。

石島 私もすごく嫌ですね。とにかくうるさい、みたいな(笑)

松本 普通の応援だけならありがたくていいんですけどそれ以外もあるので(笑)

――やはり独特の雰囲気があるのでしょうか

石島 そうですね、特別にみんなで歌を歌ってみたり、とかありますね。

松本 スタート前とか前の人がスタートしてから30秒くらいしてからスタートするんですけど、普段の大会ならその間に自分の世界に入ることができるんですけど、他大学からの声が聞こえると集中できなくなります(笑)

――そういったことを踏まえ今季変化をつけて取り組んでいることはありますか

石島 特別何か変えていることはないんですけど、もう夏から雪上に上がっていて、今年は技術的な部分でじっかりとレベルアップしたい気持ちがあるので、その一つのポイントを徹底的に取り組んできました。

松本 一つのポイントとは(笑)

石島 かなり技術的なことになるんですけど、前半のつくり、ターンとか。

松本 ちょっと専門的過ぎましたね(笑)私は、結構夏に気持ちの面で落ちちゃって。一応、目標もあってやってきたんですけど、昨年はナショナルチーム入りの目標は一歩届かずだったんですけど、でもインカレは優勝できて、目標達成できた部分と、これだけやっても上とはまだまだ差があるなと感じてしまって少しモチベーションが下がってしまっていました。陸トレは長距離的な体質だったので、それをパワー系の瞬発系トレーニングをメインにやってきたんですけど、あまりまだ結果にはつながってきてないかもしれないです。

――今季一番照準を合わせている大会は何ですか

石島 今シーズンはファーイーストカップを転戦するので、そこで種目別優勝をしてワールドカップの出場権を獲得することが一番の目標です。

松本 目標にしている大会は、ユニバーシアードと世界ジュニアです。あと2回チャンスがあるんですけど、まず今季で1回出場という経験をしたいと思っています。そのためにはファーイーストカップや全日本で上位に入らなければいけないのでそこが目標です。

――今季ここまでの調子はいかがですか

松本 私は正直あまり良く無ないかもしれないです。

石島 私は、どうですかね。調子に波というか、その日その日で違ってくるので。その中でも少しづつ良いターンやいい日は増えてきている実感はあるのでどんな時でもコンスタントに自分の滑りができるようになれればと思っています。

――先ほど言われていた、重点的に行っている前半の技術面の練習の成果はいかがですか

石島 そうですね、やはりそこの課題にしている部分ができている時は全然スキーの動きが変わってくるのを感じられているので、まだ完全にモノにできていない部分はあるんですけど少しずつ感覚はつかめてきているのでその精度を上げていきたいです。

――海外のレースで大変なことはありますか

松本 食事。ストレス。私はそんなにないけど(笑)

石島 行く国にもよるんですけど、ファーイーストカップは主に中国、韓国、ロシアで行われて宿泊場所によっては結構食事が合わなかったりということがありますね。

――毎回長い期間になるのでしょうか

石島 レースだと2週間が長い方ですね。

松本 中国だと1か月近くいますね。韓国は食事が全て辛くて。私は辛いの好きなんですけどお腹が痛くなります。中国は寒いです。中国で試合があるということで父が暖かい手袋をくれたんですけど、それが出発に間に合わなくて瑤子さんに持ってきてもらったこともありました(笑)それくらい寒いです。

――それ以外には何かありますか

松本 時間とかにルーズですね。

石島 中国に関しては逆にスタートが早まってしまったりとか。スタートの間隔は基本的に決まっていて、それは前日のミーティングの時に言われるんですけど、寒いのでそれを逆算して自分の順番の頃にスタートの所に行くんですけど、中国では勝手にスタートの間隔が短くなっていて行ったらスタートギリギリみたいな。

――実際にスタートに間に合わなかった経験はありますか

石島 それは今のところまだないですね。

――もしそうなってしまった場合は救済制度はあるんですか

松本 一応スタートはすることできるんですけど(最後になってしまうのでコースが)超荒れてるみたいな。

石島 滑ることできるんだ(笑)まあ中国と韓国くらいですかね。ヨーロッパはそんなことないので。

――オリンピックが2018年冬に開催されましたがご覧になりましたか

石島 そうですね、あそこのコースで滑ったこともあるんですけど結構難しいコースで。やはりトップの選手はその中で、それをあまり苦にしないで滑るというか、そこまで難しい斜面を滑っているとは見えないような滑りをしていたのでレベルの違いを感じました。

松本 オリンピックには日本のトップの選手が出ていて、自分とそのトップ選手とも全然レベルが違うのに、そのトップ選手よりもさらにレベルの高い選手がいてそのレベルの高さを感じました。

――早大出身の選手も多く出場されていました

石島 そうですね、ただただかっこいいなと思いました(笑)

――大学に入学してからの成績は思い描いて通りのものでしたか

石島 もう少し今の時点で上のレベルにいたかったというのが正直なところです。自分の将来的なプランがあってそこに向かって目標を掲げてやってきているんですけど達成しきれていない部分があるというのが今の現状です。少しずつステップアップはできているとは思うんですけどやはりもう少し上に行きたいし、行っていなければいけなかったと思います。

松本 成績だけを見ると徐々に伸びてきて、良い感じで来ているとは思うんですけど、今までは割と中学から本当にいい成績をとってこなかったので去年が良かったというのはあります。特に将来を見据えて何年までに何を達成したいというものはないんですけど、その試合その試合に勝つというか、目の前の大会だけをとにかく考えてやってきたタイプだったんですけど、ここからはそれではだめだと思っています。なので今年からは将来を見据えてもう一段階上へ行けるようにやっていきたいです。

――最終的な目標は考えていますか

石島 私は次のオリンピックに出場することを今の最終目標にしています。そこまでは最低選手としてやっていきたいと思います。

松本 もし出れたら競技続けますか?

石島 もし出れたら続けます。いや、続けるのかな(笑)ただ、もしダメだったらその時はたぶん引退すると思います。

松本 私は、今のところ大学卒業して競技を続けるかはわかんないですけど、世界大会には出てみたいとは思うんですけど、最後の目標はかっこよく引退することです。理想は日本選手権とかで優勝して引退みたいな。

石島 優勝したら引退できないよ(笑)

松本 うーん、その年だけは頑張ろうかな(笑)とりあえず潔く引退したいです。

「(野沢温泉スキー場のコースは)難しいコースだけど、苦手意識があるコースではない」(石島)


中学生の頃から世代トップをひた走ってきた石島

――大学前からお互いに面識ありましたか

石島 地元が群馬で一緒なので面識はありました。

松本 本当に瑤子さんは昔から速くて、小学校の頃は群馬県は30人くらいしかいなかったんですが、私は毎回10番くらいで、瑤子さんは無敵でした。中学の時も強くて、私は見てるだけの感じでした(笑)

石島 いやいやいや(笑)中学の時の合宿で話したのが初めてでずっとこんな感じですね。

――どんな人だという印象を持っていましたか

松本 めっちゃ可愛かったです。昔はもう少し細くて(笑)スキーが好きすぎて気持ち悪いくらいスキーに対して真面目な人だと思っていました。

石島 そこは否定はできないですけど(笑)なのははすごく良い人で。しかも真面目だし、本当良い人過ぎて尊敬します。心が広いし。

――そこから変化はありましたか

石島 あんまり昔のことを覚えていない…。

松本 でも昔はすごく早くて強かったんで実は怖いなと思っていました。遠い人だなみたいな。でもこういう人だと知ってから怖いとかはなくなりましたけどね。本当特に冬はずっと一緒です。

石島 一緒ですね。

――練習なども一緒ですか

石島 2人とも同じメーカーのスキー使っていて、基本的にメーカーで練習したり合宿したり試合回ったりしているのでずっと一緒。

松本 隣のベッド、洗剤も同じもの使って…(笑)

――競技面ではお互いどんな印象を持っていますか

石島 私はなのはの滑りめっちゃ好きです。

松本 やめてくださいよ(笑)

石島 男勝りの滑りというか、とても滑りがシンプルでクセがないんですよね。自分の滑りはとてもクセのある滑りで自分の滑りは嫌いなんですけど、なのはみたいな滑りをしたいなといつも思っています。

松本 たしかに瑤子さんはクセのある滑りなんですけど、すごくスムーズな滑りをするんです。私はカチっとした滑りになっちゃうんですけど瑤子さんは流れるような滑りで。下でビデオを撮って見てみると落ちてくるように滑っているんです。結構お互いの滑りは正反対なんですけど、いいなと思っています。

――インカレの会場となる野沢温泉スキー場のコースにはどんな印象を持っていますか

石島 結構難しい印象がありますね。斜面変化や起伏が激しくて、日本には中々ああいったコースは無いので。でも私個人ではそんなに苦手意識のあるコースでは無いです。

松本 私も苦手意識は無いですね。雪が固くあってくれたらいいなと思っています。

――最後にインカレでの目標を聞かせてください

石島 もう目標は優勝することしか考えていないです。

松本 私も優勝しか頭にありません。

――ありがとうございました!

(取材・編集 斉藤俊幸)


おふたりの仲の良さが伺えました!

◆石島瑶子(いしじま・ようこ)(※写真左)

1997(平9)年8月15日生まれ。163センチ。群馬・尾瀬高出身。スポーツ科学部3年。

◆松本なのは(まつもと・なのは)(※写真右)

1999(平11)年1月7日生まれ。158センチ。北海道・札幌第一高出身。スポーツ科学部2年。