浮上するネッツ、4年ぶりのプレーオフ進出も射程圏内

2015年から再建モードに入り、東カンファレンスのドアマットチームとして低迷が続いたネッツに、4年ぶりとなるプレーオフ進出の可能性が高まっている。ここまで29勝29敗で5割をキープ。現在カンファレンス6位。5位セルティックスとのゲーム差はすでに7に広がっており、後半戦はネッツ、ホーネッツ、ピストンズ、ヒート、マジック、ウィザーズの6チームで東の6位から8位を争うだろう。

ネッツが浮上できた要因には、2017年のオフにレイカーズとのトレードで獲得したディアンジェロ・ラッセルの成長と、指揮官ケニー・アトキンソンとの信頼関係が挙げられる。

キャリアイヤーを送っているラッセルは、負傷により今シーズン残り試合全休が決まったペイサーズのビクター・オラディポの代わりに、キャリア初のオールスターに選出された。レイカーズ時代からポテンシャルの高さは知られていたが、ここに来て一皮剥けた印象がある。

その彼についてアトキンソンは『New York Post』にこう語っている。「若い選手にとっては自然な進化だ。選手全員を信頼するのには時間がかかる。ホークスでのアシスタントコーチ時代、ジェフ・ティーグ(現ティンバーウルブズ)と仕事をしてからの5カ月、彼と理解し合えるか見当もつかなかった。それでも最終的には分かり合えるようになったんだ。ディアンジェロとの関係にも、同じことが当てはまる」

「ディアンジェロとはジェフより早く理解し合えた。彼の方がオープンなんだ。当時からジェフには彼の考えがあったからね。チームとして成功を収め、彼個人も成功を収められるようになると、信頼関係が良くなる。それで関係性自体も良くなる。そういう信頼、関係性を持てるのは素晴らしいことだ」

ラッセルは、ネッツにトレードされた直後、アトキンソンに厳しい指導を求めた。聞こえが良いという理由だけで同じことをヘッドコーチに求める選手もいるが、ラッセルは違った。アトキンソンは、彼がターンオーバーを記録すればベンチに下げ、叱責した。勝負が懸かった第4クォーターにプレーさせないこともあった。それでもラッセルは不満を言うのではなく、学ぼうとした。選手として成長し始めたラッセルを見たアトキンソンは、彼に自由を与えたと言う。

「自分の子供と一緒にいるようなもの。少しの自由を与えるんだ。私は、彼が犯すミスのすべてを咎めはしない。もっと長い目で見ている。それだけの信頼関係を築けたんだ。彼自身も、『あの場面ではリバウンドを取るべきだった』、あるいは『パスを出すべきだった』と理解している。今のチームのケミストリーは、良い状態にある」

アトキンソンによるチーム再建プランは、信頼できるラッセルというリーダーを得て、次の段階に突入した。