玉田圭司インタビュー 後編(前編はこちら)  2019年シーズンでJ1昇格を目指すV・ファーレン長崎にとって、新加入…

玉田圭司インタビュー 後編

(前編はこちら)
 
 2019年シーズンでJ1昇格を目指すV・ファーレン長崎にとって、新加入したプロ21年のキャリアを誇る玉田圭司は頼もしい存在だろう。

 チームの最年長選手ではあるが、2018年シーズンも名古屋グランパスで24試合に出場し3得点を挙げるなど、動きの質、キレ共に衰えを感じさせない。1月の長崎の沖縄キャンプでも軽快なプレーを見せていた玉田が思い描く、新天地での戦いとは。




V・ファーレン長崎で新シーズンを迎える玉田

──このオフに移籍したV・ファーレン長崎で1次キャンプを終え、2次キャンプに入ったところ(インタビューは1月29日に実施)ですが、新しいチームの印象はいかがですか?

「すごくフレッシュな感覚でチームに入れました。2、3週間経って徐々に慣れてきて、チームメイトの特徴や性格もわかってきたところですね。まだこれからだとは思いますが、今のところ、すごく楽しくやれています」

──若手もベテランも多いチームですね。

「まあ、その中でも僕が一番年上ですけど(笑)。知っている選手も何人かいたので、彼らと話しながら、ほかの選手にも輪を広げています。磯村(亮太)とは名古屋(グランパス)でプレーしていたし、角田(誠)も初期の頃に少しかぶっていた。(徳永)悠平とも代表で一緒になったことがありましたね」

──玉田選手にとって、九州のチームは初になりますが、九州の印象は?

「食事がおいしいのはイメージ通りでした。そのほかについては、まだちょっとしか住んでいないので、これからですね」

──名古屋を退団して、長崎に加入した経緯を聞かせてもらえますか?

「退団が決まったあと、(長崎のフィットネスコーチの)早川(直樹)さんが連絡をくれたんです。早川さんとは代表で一緒にやっていて、『テグ(手倉森誠監督)が欲しがっているよ』ってどこよりも早く電話をくれたんです」

──契約まではすんなり?

「というわけでもなくて。最初は全然ピンとこなかった」

──今季はJ2を戦うからですか?

「それもありましたけど、テグさんとは話したことがなかったですから。でも電話をもらったり、直接会って話したりするうちに、距離がぐっと縮まったんです。そして『この人のもとでやろう』と思うようになりました」

──決め手はどんなものだったのでしょうか。

「テグさんはコミュニケーションを密に取る人で、(選手との)距離がすごく近い。自分が歳を重ねてベテランになった今、こういう監督とやれるのは、すごく幸せなのかなと思いました」

──今日(1月29日)のベガルタ仙台との練習試合では、トップ下、セカンドストライカーのような役割だったように見えました。

「トップ下だったり、トップだったり、そのあたりは自分で模索しながらやっています」

──手倉森監督から求められていることはどういったものでしょうか?

「まだ具体的に『こういうことをしてくれ』とは言われていないですね。でもやっぱり、攻撃に関しては自分が中心になりたいと思っているので、いろんなアイデアを見せていきたいです」

──今日の試合でも、下がってゲームメイクしたりしていましたね。そこは自分の判断ですか?

「そうですね。たくさんボールを触りながらプレーするのが自分の特徴ではありますけど、得点に絡みたいのも正直なところ。ただ、今はまだフィジカルコンディションを上げる時期で、攻撃の練習はほとんどできていないので、これからそこのトレーニングをしていけば向上していくと思います」

──手倉森監督のサッカーはどんなものですか?

「すごくシンプル。ある程度のコンセプトはありますけど、これをやれとか、やっちゃだめとか、そういうのはないです。それは今の時期だからかもしれないですけど、選手に任せてくれているような気がしますね。選手の特徴を見極めているところかもしれませんが」

──玉田選手は現在38歳。シーズンを終えて、そこからまたフィジカルを上げて、というサイクルは毎年のこととは思いますが、身体的な厳しさのようなものは感じますか?

「いや、特にないですよ」

──若い頃とまったく変わらない?

「多少、体には気を使っていますけど、自分の感覚は変わっていないですね。でも、監督やコーチたちがベテランを考慮してくれるんですよ。ペース走が何度かあったんだけど、『ベテランはやらなくていい。お前らの苦しんでいる姿を見たくない』とか言ってくれて(笑)。もちろん冗談ですけど、すごく気持ちよくやれています」

──名古屋では風間八宏監督の細やかな指導を受けていたと思いますけど、手倉森監督の指導はまた新鮮ですか?

「そうですね。どちらがいいとかはないですけど、風間監督のもとで2年間やれたのは、自分の成長につながりました。そこはもちろん感謝しています。いい2年間でしたね。ただ、今度はテグさんの指導を受けることになり、これもまた自分のメリットになるはず。監督によってやり方は違いますが、どんな環境でも自分の色を出すことが一番大事です」

──名古屋では通算11シーズンを過ごしました。振り返ってみて、どんな日々でしたか?

「自分が在籍した中で最長のクラブなので、思い入れはありますけど、今はもう特別な感情はない。長崎の一員として、このチームで何かを成し遂げたい。それだけです」

──目標はやはりJ1昇格ですか?

「もちろん、そうです。ただ、クラブの知名度を高めたいとも考えている。長崎県民や長崎市民でも、(クラブのことを)知らない人がまだまだいるみたいなので。だから、県民の方たちとクラブの距離を少しでも縮めたい。少しでも多くの人にスタジアムに足を運んでもらいたい。その気持ちは強いです」

──ピッチ上のパフォーマンスで人々を魅了したい?

「当然、それが一番大事だと思います。サッカーが一番だし、チームが勝たなければ意味はない。ただ、PRも大切になるので、その努力もしたいですね」

──個人の目標についても聞きたいのですが、「数字は言わない主義」でしたね。

「はい。数字の目標は一度も立てたことがないので。とにかく毎試合、チームの勝利に貢献すること。それに尽きますね」

──最年長の選手として、新しい仲間に伝えていきたいことはありますか?

「才能のある選手がたくさんいるけど、それを生かしきれていないような選手もいる。その能力をピッチでどう表現していくのか。どうすれば、より生かせるのか。そんなことも折をみて伝えていきたいですね。彼らも才能があるからここにいるわけであり、何か光るものがあるからプロになれたわけです。それをどう生かすのかは自分自身なので、その手助けができればいいですね」

──現役へのこだわりについて、ご自身ではどんな意識がありますか?

「名古屋を退団した時も、自分の中では『サッカーをやめる』という考えはまったくありませんでした。まだまだやれる自信があって、実際にすぐ長崎が声をかけてくれて。現役へのこだわりというよりも、自分を欲してくれるクラブがあるかぎり、やりたいと思っています」