写真:水谷隼(左)・大島祐哉(木下マイスター東京)/提供:©T.LEAGUE<Tプレミアリーグ2018/19シーズン 2月11日(月)豊見城市民体育館>2月11日、豊見城市民体育館で琉球アスティーダ(以下、琉球)と木下マイスター東京(以下、…

写真:水谷隼(左)・大島祐哉(木下マイスター東京)/提供:©T.LEAGUE

<Tプレミアリーグ2018/19シーズン 2月11日(月)豊見城市民体育館>

2月11日、豊見城市民体育館で琉球アスティーダ(以下、琉球)と木下マイスター東京(以下、KM東京)の試合が行われた。
ホームの琉球は現在4位。アウェイのKM東京は2位以下を引き離し、首位を独走中。両チームは直近で昨年12月25日に対戦しており、そのときは3-1で琉球が勝利を収めている。今までの通算成績は琉球の1勝4敗だ。……が、この日は3-1でKM東京が勝利を収めた。琉球はKM東京に5敗目だ。丹羽孝希が不在だと、琉球はやはり厳しいのだろうか……。

1番:荘智淵/張一博0-2水谷隼/大島祐哉

琉球とKM東京は、ダブルスに関して言えば今までKM東京の5戦全勝。まだ、琉球は白星を挙げていない。
荘智淵&張一博ペアの理想的な攻め方は、張が前に出てブロックをし、荘に決めさせるという役割分担である。ただ、なぜかこの日は荘の攻める場面が少ない。張に攻めさせるのではなく、荘の積極性が望まれる。逆に言えば、それだけKM東京の攻めるコースが厳しいとも言える。相手の攻めが厳しいだけに、思う通りのプレーを琉球はさせてもらえていない。一方のKM東京は、やはりプレーが安定している。琉球の状況を見て、その都度作戦を立てるのが水谷隼&大島祐哉ペアだ。
結果、このダブルスは水谷&大島が2-0で勝利した。琉球は最後まで流れを呼び寄せられなかった。その理由は「積極性の足りなさ」の一言に尽きる。特に、荘は最後までプレーがおとなしかった。強いチームに勝つためには、リスクを恐れず攻めに行く姿勢が必要だ。

2番:陳建安1-3張本智和

琉球からは陳建安が、KM東京からは張本智和が登場。両者は昨年12月25日に対戦しており、そのときは陳が勝利している。今日はそれ以来のシングルス。敗戦の記憶が新しい張本は気合が入っているはずだ。
陳を見ていると、張本への苦手意識はなさそうだ。張本のサービスに対し、あまりレシーブミスしない。チキータに対しても、点は取られるのだが恐怖心を見せないのだ。とは言え、相手は張本智和である。第1ゲームは張本が5-5から一気に連続ポイントを奪取し、先取した。張本らしい畳み掛けだった。
第2ゲームは、最初のポイントは張本が取ったものの、その後は陳が5連続ポイントを奪取。このゲームは陳が11-6で取り返した。常に攻め続ける陳の姿勢が好印象だ。
最終的にこの試合は3-1で張本が勝利するのだが、試合を振り返ると張本にとって陳は苦手なタイプに見える。特に神経をすり減らす相手のよう。今回も迷いながらサービスを出したり、自信のない様子がそこかしこで窺えるのだ。ただ、それでも試合をモノにしているのだから、何だかんだで張本は強い。

3番:有延大夢0-3水谷隼

琉球からは有延大夢が、KM東京からは水谷隼が登場した3番。
有延のいいところは運動量。この日も第1ゲームからよく動いた。自分より格上の選手と戦う場合、相手に第1ゲームを取られると精神的にキツくなる。「是が非でも最初のゲームは取りたい!」とはやる気持ちを抑えられずにいるのが動きから窺えた。一方の水谷は落ち着き払っている。彼は「大事な場面だけ攻める」という作戦のようだ。終始攻め続ける有延の戦術とは対象的である。そして、最終的に第1ゲームは水谷が取った。さすがの試合巧者ぶりだ。
第2ゲームでも2人の対象的な姿勢は変わらない。派手に点を取る有延と、地味に得点を重ねている水谷。有延はファインプレーで点を獲得するが、水谷は相手が予測しない場所へポンとボールを放って点を取っている。まるで魔術。「気付いたら水谷のペースにはまっている」、有延からするとそんな心境か?
結局、この試合は3-0で水谷が勝利した。有延の技術とパワーを受け止めながら、いつの間にか勝利を手中にする水谷。やはり、只者ではない。

4番:荘智淵3-2侯英超

琉球からは荘智淵が、KM東京からは侯英超が登場した4番。侯はこれまで4戦戦って4連勝中。勝率100%である。まさに、KM東京の秘密兵器!
ここで改めて侯について説明したい。元中国代表で、Tリーグでは珍しいカットマンだ。カットマンなのだが、甘いボールが来ると逃さずにフォアで打ち抜く。そんな一面も持っている。
第1ゲームは11-8で荘が先取した。Tリーグで今まで誰も読めなかった侯を遂に見切った!? ……と思いきや、第2ゲームは侯が荘を翻弄。侯が11-9で取り返した。次第に調子が上がってくる侯。荘は常に神経を使い、気が気じゃないままに戦っている。荘は試合内容のみならず心理的にも劣勢だ。
でも、全くあきらめず食らい付いていく。例えば、第3ゲームでは侯が10-7で先にゲームポイントを握ったのだが、集中力を途切らさず挽回した荘が逆転してゲームを取った。そして、最終的には3-2で荘が試合をモノにした。Tリーグデビュー戦以来4連勝していた侯の勢いが、遂にストップ!
荘の勝因は「集中力」の一語に尽きる。劣勢になっても投げ出さず5ゲームを戦い抜き、侯攻略にチャレンジし続けた。勝敗はすでに決まっていたが、ホームで応援してくれるファンに全力プレーを見せた彼のプロ魂に敬意を表したい。難敵相手に見事だった。

2/11 琉球アスティーダ 0-4木下マイスター東京

陳建安/張一博 0-2 ◯水谷隼/大島祐哉
9-11/8-11

陳建安 1-3 ◯張本智和
5-11/11-6/9-11/9-11

有延大夢 0-3 ◯水谷隼
7-11/8-11/8-11

◯荘智淵 3-2 侯英超
11-8/9-11/12-10/8-11/11-8

文:寺西ジャジューカ