10日に行われたスピードの初代国内王者を決める「第1回スピードジャパンカップ」。国内普及やオリンピック強化を目的に新設された大会は、女子は下馬評通りに野中生萌が、男子では国内唯一のスピード専任選手・池田雄大が優勝に輝いた。以下、決勝トーナメントを戦った選手たちのコメント一覧。

野中生萌コメント(女子優勝)
「とても寒くて悪い条件でしたが、優勝したいという思いで臨んだ大会なので、実際に優勝することができて嬉しいです。ミスをしなければ勝てるという自信は付いてきました。決勝では序盤でミスが出てしまい焦りましたが、なんとか巻き返せてよかったです。普段は(クラウドファンディングなどで建てた)立教大学のスピード壁で練習しています。そこはまだ新しいのでホールドにフリクションがあるんですけど、昭島の壁の場合は結構使われているのでフリクションがなくて滑りやすい。スピードは同じコースなんですけど、壁によってコンディションが違うので、やってみないと分からない部分があります」
伊藤ふたばコメント(女子2位)
「最後は接戦で、もう少しで勝てそうだったので悔しいです。この寒さの中でなかなかタイムは出なかったので、安定して10秒台前半を出せたことは良かったと思います。(去年から成長している部分は)9秒台も出せるようになってきて、全体的に登りも安定してきました。スピードの選手に見てもらって修正する部分を指摘してもらい、そこを直していくことで段々タイムも縮まってきました。(野中選手との差は)最後の3つのランジでいつも減速してしまうので、そこで差が出たと思います。追いつけるように改めて頑張ろうと思いました」
野口啓代コメント(女子3位)
「3種目の中で一番苦手な種目なので、表彰台に乗れてほっとしています。(スピードを苦手とする理由は?)私はホールドを持つのがすごく得意なんですが、スピードはホールドを持ったふりというか、持ってはいけないので、普段のクライミングと真逆のことをしている感じでとても難しく感じています。今後はスピードのコーチをつけることも考えています。地元の龍ケ崎市にもスピードの壁ができたばかりで、環境も整ってきました。(国内で単種目初の大会だったが)決勝は見ていてわかりやすいですし、観戦しても面白いと思うので、こうやって第1回を開催したことでどんどんたくさんの方に興味を持ってもらえるんじゃないかなと思います」
池田雄大コメント(男子優勝)
「スピード単種目の競技者として、これは(1位を)獲るべきだと思っていましたし、懸ける想いもありました。初代王者になることができてとても嬉しいです。(注目された楢崎智亜選手との対戦ではリードされていたが)登ってる最中に泣きそうになって(笑)。でも最後のどんでん返しがあって、勝てて嬉しかったです。(野口選手や楢崎選手と練習していると聞いたが)ライバルではあるんですけど、お互いに高め合いつつ良い雰囲気で練習しています。ボルダリングやリードは彼らの方が強いですし、体の使い方もすごい知ってるので、こうした方が効率良いよって色々と教えてもらっています。このスピードジャパンカップが今後の国内普及へのターニングポイントになると思っています。自分も競技者としてだけでなく、先生やコーチだとか、別の面からもスピードができるような環境を整えていきたいですね」
藤井快コメント(男子2位)
「(予選16位から決勝進出でした)プラクティスから予選まで4本登って、それでようやく体が動くようになってきた感じです。決勝は若干勝てるかもと思ってしまったのがよくなかったです。そこまではタイムを出すということに集中できていて、準決勝で公式記録で出したかった6秒台を出すことができてしっかりと自分のパフォーマンスを出せれば勝てるかなと、若干勝ちにいってしまったというか。スピードは人と競ってはいるんですけど、結局自分がミスをするかしないか。相手にミスをさせることはできない中、対自分ではなく対相手になってしまったのがよくなかったと思います」
抜井亮瑛コメント(男子3位)
「スピードは3種目の中で一番できる種目だと考えているので、1回目のジャパンカップで表彰台には絶対に乗りたいと思っていたのでよかったです。もちろん優勝は狙ってたんですけど、上位の選手はやっぱり速かったです。勝負所で滑ってしまったので、今後はもっと正確さを身に着けていきたいですね。(大会に向けての練習は?)15mの通しの壁ではやっていなくて、パート毎に練習を積んで、試合前に通しの壁で練習しました。(今後の目標は?)まずは来月のリードジャパンカップで決勝に行くことです」
楢崎智亜コメント(男子4位)
「準決勝で池田君との試合となった時に、持ちタイム(自己ベスト)も速いですし、攻めないなといけないなと感じていました。それで6秒台ペースで登れていたと思ったんですが、予選からのリズムがズレて体が流れてしまいました。気持ちの焦りはなかったんですけど、スピードに乗れていた分、体が上がりすぎてミスしてしまいました。まだまだ全力を出したときに体をコントロールするのが難しいですね。(普段から練習してきた池田君が優勝したが)今回は優勝すればW杯に出れる可能性もあると聞いていて、普段から弟と一緒に遊ぶ仲でもあるので、もちろん負けて悔しいですが、優勝してくれて嬉しい気持ちもあります」
楢崎明智コメント(男子10位)
「今回は(序盤の一部ホールドを経由しない)智亜スキップを練習し始めて、初めて使う大会だったので、まずはミスをしないレースをしたいなと思ってて。そしたら序盤で全然速度が出なくて。もともと序盤は練習でずっとスリップしてた部分だったんですよ。そこを失敗したくないと思っていたから、すごい守りに入ったレースしかできなかったです。一緒に練習してきた雄大君の優勝はめちゃくちゃ嬉しいですね。これでたぶんルール的にはW杯にも行けると思いますし。(来月のリードジャパンカップに向けては)リードは得意な種目なので、絶対に決勝に行きたいと思っています」

CREDITS

取材・文

編集部・篠幸彦 /

写真

窪田亮