20日の中日戦に広島の大瀬良大地が先発する。ルーキーイヤーの2014年に10勝を挙げて新人王を獲得した大瀬良だが、昨季はチーム事情もあり、シーズン中にリリーフに転向し、51試合に登板した。■開幕前に右肘負傷、2軍でフォーム見直し「前よりも腕…

20日の中日戦に広島の大瀬良大地が先発する。ルーキーイヤーの2014年に10勝を挙げて新人王を獲得した大瀬良だが、昨季はチーム事情もあり、シーズン中にリリーフに転向し、51試合に登板した。

■開幕前に右肘負傷、2軍でフォーム見直し「前よりも腕がしなるような感覚」

 20日の中日戦に広島の大瀬良大地が先発する。ルーキーイヤーの2014年に10勝を挙げて新人王を獲得した大瀬良だが、昨季はチーム事情もあり、シーズン中にリリーフに転向し、51試合に登板した。

 今季は先発再転向で、開幕投手の候補にも挙がったが、今春のキャンプで右肘内側側副靭帯の部分損傷を発症して2軍調整を続けていた。

 オールスター前から1軍練習に合流した大瀬良は、「前半戦は自分の時間として使わせてもらった。昨年の一番調子が良かった時に比べるとどうかというところはあるが、1軍で普通に投げられる状態には来ている」と、現在の調子について話した。

 2軍調整中は、下半身の強化やフォームの見直しを行った。「リハビリの最中に、昨年までの映像を見直したひじに負担がかかりやすいフォームになっていたので、そこを修正した。昨年もひじが下がっているのが気になっていたし、縦回転で体を使って投げたいというのがあるので、ひじの高さも見直した」という大瀬良。「前よりも腕がしなるような感覚がある。体重移動からリリースにいくまでの間が感じられるようになった。今は昨年とは違った感覚で投げられている」と、成果を実感しているようだ。

■完全復活なら首位独走のチームに大きな戦力に、「自分を見つめ直すことができた」

 離脱中には、様々な人から激励された。「石原さんなど、いろいろな人からメールをもらった。自分は忘れられていない、と力になった。どこから聞きつけたのか、マエケンさんからも月に一度ぐらい、LINEで連絡をもらっています」と、周囲のサポートに感謝した。

 実戦復帰後は、ファームで5試合に先発し、ストレートも140キロ台後半を掲示した。大瀬良は「2軍では課題を見つけながらやることができた。最後のオリックス戦では、粘り強く試合を作ることができた」と、復帰へ手応えを感じている。

「早く戻りたい気持ちはあったが、周りの人がうまくブレーキをかけてくれた。その時その時の時間で、自分をしっかり見つめ直すことができた」

 厳しいリハビリを乗り越えた右腕が完全復活すれば、首位を独走するチームに、さらに大きな戦力が加わることになる。

大久保泰伸●文 text by Yasunobu Okubo