前回は病気から復活し、念願の東京箱根間往復大学駅伝(箱根)への出場をかなえた大木皓太(スポ3=千葉・成田)。ところが、個人としては悔しさが残る結果に終わってしまう。今年は憧れの5区への出走が決まり、雪辱を果たす走りをするはずだった。しかし、箱根の山で思うように脚が動かせず、往路15位でのフィニッシュ。またしても苦汁を味わうこととなった。箱根を振り返って現在の心境と最終学年となる来シーズンへの意気込みを伺った。

※この取材は1月16日に行われたものです。

「チームの足を引っ張ってしまった」


質問に答える大木

――箱根後の解散期間はどのように過ごされましたか

 陸上のことを1回忘れたかったので自分では練習はしないで、地元の人と会ったりして陸上を忘れて遊んでいました。

――きょうはどのように過ごされましたか

 きょうは普通に朝練と午後練の2部練習というかたちで、午後は箱根後初めてポイント練習をやりました。

――ポイント練習の感覚はいかがでしたか

 走っていなかった割には意外としっかり走れた感じです。

――4年生が引退されて、チームの雰囲気は変わりましたか

 まだ代が変わって何日かしか経ってないのであまり実感もしてないし、チームの雰囲気自体もそんなに変わってないと思うんですけど、太田キャプテン(智樹、スポ3=静岡・浜松日体)の下、今年頑張ろうと気を引き締めてスタートしてるので、ここから僕らがチームをどう引っ張っていくかで変わってくると思います。

――ここからは箱根についてお聞きします。吉田選手(匠、スポ2=京都・洛南)の交通事故があって、予定されていた8区から5区への変更となりましたが、5区を走ることが確定したのはいつでしたか

 吉田がケガをしたのが23日か24日だと思うんですけど、その後も決まらなくて、27日とか28日に言われたと思います。

――5区を走る心の準備はどのくらいできていましたか

 元々1年の時から安井さん(雄一前駅伝主将、平30スポ卒=現トヨタ自動車)の次という感じで山の準備はずっとしてたので、今年は無理かなと最初は思ってたんですけど、いざ走るチャンスをもらって、走りたかったところなのでそんなに気負わず、すんなり気持ちは向けられたかなと思います。

――5区を走ることが決まった時のお気持ちは

 自分的には8区より5区を走りたかったので、よっしゃという気持ちの方が大きかったです。

――1年時から5区を走りたかったということですが、5区に向けてどのような対策をしてきましたか

 基本的に安井さんと一緒になって同じメニューをやったりとか、合宿だったら山上りのコースを自分で見つけて走ったり、安井さんとトライアルしたりというのは結構やっていました。

――秋ごろまでケガをされていたとのことですが、復帰後から箱根までのコンディションはいかがでしたか

 10月から復帰して、おととしと全く流れが一緒だったので、流れはその時と同じようにやっていけば間に合うかなと思ってたのでそんなに焦らずにやってきました。集中練習が始まったくらいからやっとAチームと合流できるようになって、そこからは上り調子で最後までいけたので、自分では箱根にはピークを持ってこられたと思ってます。

――5区のレースプランは

 どの位置で(タスキを)もらうかによって変えようと思っていたんですけど、あの展開になって自分のところでシード圏の10位までは上げたいという気持ちでスタートしたので、前を最低でも5人は抜こうと思って前半から結構とばして入ったのが、山に来て脚が動かなくなってしまった原因になったと思います。

――昨年は初の箱根出場ということで緊張されたとおっしゃっていましたが、今年はいかがでしたか

 緊張よりはもうやってやるっていう気持ちと楽しもうという気持ちの方が強かったです。

――当日のご自身のコンディションは

 自分の中では今までにないくらい調子が良くて練習もしっかりできてたので、いける気はしてたというか、調子は心身ともに良かったと思います。

――箱根後のインタビューで、気が焦ってしまって前半突っ込んでしまったとおっしゃっていましたが、5区を走る前は4区の清水歓太駅伝主将(スポ4=群馬・中央中教校)の状況はどのように聞いていましたか

 もう自分のアップに入っていたのであまり耳にしていなくて、スタート直前に「何人か抜いて順位を上げてきてる」とは聞いたんですけど、変わらず14、5番で来ると思っていたので、自分で抜こうという気持ちばかりで焦ってしまった感じです。

――タスキリレーの瞬間は清水駅伝主将から何か声を掛けられましたか

 いや、特になかったと思います(笑)。

――タスキリレーは中央学院大の高砂大地選手とほぼ同時でしたが、序盤の走りはいかがでしたか

 2、3秒のラグがあってタスキを付けるのにちょっと手間取って少し間が空いたんですけど、最初の1000メートルを突っ込んで入って追いついて、そこから後ろに付くんじゃなくて自分はもっと前を狙っていたので、前に出て走っていくかたちになったら高砂くんもついてきたという感じだったので、二人である程度序盤までは一緒のリズムで走っていったんですけど、山に入ってあっちが(スピードを)上げた時に自分が対応できなかったという感じですね。

――15秒ほど後ろには日大がいましたが、後続は気になりましたか

 もうスタートの時点で後ろのタイム差は全くわからなかったので、後ろは考えず前だけって感じでした。

――先ほど、山で高砂選手に離されてしまったとの話もありましたが、山でのペース維持は難しかったですか

 監督(相楽豊駅伝監督、平15人卒=福島・安積)に後ろから「周りに左右されずに自分のペースで上っていけ」と言われていて、高砂が仕掛けた時にも「自分のペースで行け」という指示があったので付いていかないで、自分のペースで行っているつもりではいたんですけど、結果脚が止まって自分のペースが相当遅くなってしまった感じです。

――本番のレースで山を上って、平地と同じようにはいかないと感じる部分はありましたか

 自分の中で脚以外はそんなにきつくなくて、もっといけるという気もちはあったんですが、脚が思うように動かないという状況が平地とは違うなと感じました。

――前半に突っ込んでいったところで脚を使ってしまったかたちですか

 そうですね。なるべく使わないように意識しながらも突っ込むというのを意識して走ったんですけど、思ったよりも速く入ってしまって…という感じですね。

――中盤には日大が前に出たと思うのですが、途中で姿が見えることはありましたか

 一回抜かれてからずっと同じ間隔で日大が前に見えていたんですけど、脚が動かなかったので追いつくこともできず悔しい状態でした。

――ラストの山下りはいかがでしたか

 山下りも練習よりも遅いタイムで走ってしまったので、本当に最後まで脚が動かなかったのが悔しいです。

――監督から「自分のペースで」と声を掛けられたとおっしゃっていましたが、その他に印象に残っている言葉はありますか

 ラスト1、2キロのところで、「ここでお前が1秒2秒削ることで、あしたが1秒2秒楽になる」という声掛けはあったので、きついなりにも最後は振り絞って頑張りはしました。

――ゴールした瞬間のお気持ちは

 本当に申し訳ない気持ちです。

――ゴールではチームメイトが待っていましたが、どのような声を掛けられましたか

結構僕が悔しがっていたので、「お前の責任だけじゃないから」とは声を掛けられました。

――5区を走る前の区間順位やタイムの目標はありましたか

 (5区を走るのは)初めてというのもあって74分という設定はあったんですけど、調子も良かったので自分の中ではもっといけると思っていたので、前半から突っ込んで最低でも74分、いければ73分とか72分でいこうと思っていたので、結果こうなってしまって悔しいです。

――実際の区間順位は17位でしたがどのよう感じていらっしゃいますか

 僕がかなり戦犯というかチームの足を引っ張ってしまったというのがあります。

――往路15位という結果については

 元々2区太田が計算できなかった分、良くても3番で来られたらいいねという話だったので、15番は正直予想外に崩れてしまったという感じです。

――5区への強い思い入れを感じますが、5区を目指すようになったきっかけはありますか

 小さい頃にテレビで見ていて山を走っている選手がかっこいいなというのがあって、箱根に出るならやっぱり5区を走りたいと、小さい頃からなんとなく憧れていました。

――3日の復路はどのような気持ちで見守っていましたか

 自分たちがやらかしてしまった分を、後輩がメインだったんですけど、申し訳ない気持ち半分頑張ってほしいという思いで見守っていました。

――総合では12位となりましたが、その結果はどのように受け止めていらっしゃいますか

 元々3位以内という目標を掲げていながら、途中からシード権獲得という目標に切り替わってもなお、結局取れないという結果だったので、本当悔しいというか最低な結果だったと思います。

「自分が引っ張るくらいの走りをして終わりたい」


念願の5区山上りは厳しい結果になってしまった

――来年の箱根ではどのような走りをしたいですか

 今年も昨年も自分がチームの足を引っ張る走りばかりしているので、最後4年生こそは自分が引っ張るくらいの走りをして終わりたいです。

――来年も5区を走りたいという気持ちはありますか

 今のところリベンジしたいという気持ちはあるんですけど、5区に縛られずどの区間でも自分がチームを引っ張れる走りをしたいと思っています。

――来シーズンのチームの目標はもう話し合われましたか

 まだミーティングをやっていないのでこれから決めると思います。

――新駅伝主将の太田智選手は大木選手から見てどんな選手ですか

 ストイックで真面目で、あいつに言われたら説得力があるしチームもみんな動くと思うので、本当いいキャプテンだと思います。

――最上級生になりますが、ご自身はチームの中でどのような役割があるとお考えですか

 数少ない箱根経験者ではあるので、その辺は自覚を持って結果でチームを引っ張っていけるような選手になっていきたいと思います。

――引退された4年生に対して特別な思いはありますか

 3年間一緒に過ごしてきて、一番仲が良かった代だと自分は思っているので、素直に寂しいという気持ちですね。あと、その代で結果を残せてあげられなくて本当申し訳ない気持ちです。

――次に出場される予定のレースは決まっていますかk

 今のところ、2月にある青梅マラソンに出場予定です。

――来シーズンはトラックと駅伝でそれぞれどのような目標を立てていますか

 あまりまだ具体的な目標は立てていないんですけど、箱根予選会もあるのでトラックに集中しすぎても、ロードで20キロ対応できなくなってしまうと思うので、しっかりハーフの距離を見据えた練習をしつつ、トラックでも結果を出していきたいなと思います。

――最後に、来シーズンへの意気込みをお願いします

 全てが最後になると思うので、ひとつひとつ大事に悔いの残らないようにしっかり結果を出して終わりたいと思います。

――ありがとうございました!

(取材・編集 加藤千咲)

◆大木皓太(おおき・こうた)

1997(平9)年6月2日生まれ。168センチ、49キロ。千葉・成田高出身。スポーツ科学部3年。自己記録:5000メートル14分26秒18、1万メートル29分39秒90、ハーフマラソン1時間5分09秒。2018年箱根駅伝8区1時間8分41秒(区間14位)。2019年箱根駅伝5区1時間15分41秒(区間17位)。