三日、大阪市中央体育館で第64回全日本インドアソフトテニス選手権大会が開催され、会場には朝から多くのソフトテニスファンがつめかけた。平成30年度各大会において優秀な戦績を収めた選手のうちより、日本ソフトテニス連盟が選考した男女各12ペアが…

 三日、大阪市中央体育館で第64回全日本インドアソフトテニス選手権大会が開催され、会場には朝から多くのソフトテニスファンがつめかけた。平成30年度各大会において優秀な戦績を収めた選手のうちより、日本ソフトテニス連盟が選考した男女各12ペアが出場し、早大からは船水颯人(スポ4=宮城・東北)・上松俊貴(スポ2=岡山理大附)組と、東京インドアで安藤優作(社4=岐阜・中京)が負傷したため、内本隆文主将(スポ3=大阪・上宮)・内田理久(社2=三重)組が出場した。船水・上松組は準決勝で東京インドアの決勝戦と同じ相手に敗北。内本・内田組は決勝に進出し準優勝に輝いた。

 船水・上松組の初戦の相手は村田匠・広岡宙(NTT西日本)組。船水も前に上がっていくなど、陣形を変えながら相手に臨む。序盤は先行されるも、最終的にファイナルゲームを競り勝った。二試合目の増田健人(和歌山県庁)・九島一馬(ミズノ)組との試合では、デュースが続いた1ゲーム中に会場が停電するというアクシデントに見舞われ最初のゲームを落としてしまう。しかし「増田九島組との試合の時も、リードされていても追いついて、最後は離せたので、攻撃的にいけたのはすごい良かったなと思います。」と試合後に上松が振り返るようにキレのあるプレーをみせてゲームカウント4-2で勝利した。一方の内本・内田組の初戦の相手は桂拓也・高月拓磨(ヨネックス)組。カットサービスから相手のレシーブをハイボレーやスマッシュで返すなど、序盤の滑り出しは好調に見えたが、「一試合目は、自分たちもそんなにうまくいくのかと思うくらいうまくいって、ちょっと油断したというところがあった」(内本)と試合後に振り返ったように、徐々にミスを重ね、ファイナルゲームまでもつれる。長いラリーに耐えきれず内本がバックアウトをするなどして、ファイナルゲームポイント1-6とマッチポイントを握られるも、そこから集中力を取り戻し攻めの姿勢を崩さずに、5連続ポイントで追いつき会場を沸かせた。最終的にファイナルゲームポイント10-8で接戦をものにした。続く試合も雁行陣やダブル前衛などフォーメーションを変えながら、内本が力強いストロークを、内田もボレーをみせ相手に仕掛けていき、準決勝進出を決めた。


前にあがって、ボレーを見せる船水

 準決勝、内本・内田組の相手は中本圭哉・鈴木琢巳(福井県庁)組。それまでの試合同様にフォーメーションを変えながら、内本が鋭いストロークで追い込み、内田のプレーで得点を重ねていったが、「自分のロビングが浅くなってきたところをたたかれた」と内本が試合後語ったように相手のスマッシュやボレーが決まるようになってくると、それに耐える時間が続いた。ファイナルゲームに入り、4ポイント目、相手のスマッシュとドロップショットを織り交ぜた攻撃に、内田がショートクロスで返球し得点する。このプレーで勢いにのってファイナルゲームポイント7-4で決勝進出を決めた。一方の船水・上松組は林田和樹・柴田章平(ヨネックス)組との試合。東京インドアでの決勝戦以来一週間ぶりの再戦となる。序盤、ペースをもっていかれ東京インドア同様に立て続けにゲームを落としてしまう。しかし4ゲーム目を上松がボレーなどで攻めていきゲームをとった。続く5ゲーム目もとれば流れは船水・上松組にいきそうな雰囲気ではあったが、ここをデュースの末に落としてしまう。追い詰められた6ゲーム目だったが、攻めの姿勢を貫きこのゲームをとった。最後まで戦う姿勢を見せ続けた船水・上松組は次の7ゲーム目でマッチポイントを握られるも尚も攻め続け、会場を沸かすプレーをみせた。しかし最後は相手にボレーを決められ、ゲームカウント2-5で敗戦。準決勝で姿を消すことになった。


準優勝の成績を収めた内本・内田組

 内本・内田組の決勝戦の相手は林田・柴田組。試合の入りは「悪かった」と振り返る内本と内田。「1ゲーム目はとれていたと思うんですけど、僕が凡ミスしてしまったんで、そこで一気に流れが向こうに行ってしまったのが敗因」(内田)と、4ゲームを連取され、いきなり窮地に立たされる。しかし5ゲーム目を取り返すと、反撃開始と言わんばかりの強烈なシュートボールを鋭いコースに内本が打っていく。しかし、勢いにのった林田・柴田組を止めることはできず、ゲームカウント2-5で敗れ、準優勝となった。

 優勝という結果は残せなかったものの、両ペアとも会場を盛り上げるような素晴らしいプレーを随所に見せた。今後はまたシーズンも始まるが、今大会で得た課題を糧に、早大のさらなる飛躍に期待したい。

※掲載が遅くなり、申し訳ありません

(記事・写真 河合智史)

コメント

内本隆文主将(スポ3=大阪・上宮)・内田理久(社2=三重)

――予選を振り返って、いかがでしたか

内本 一試合目は、自分たちもそんなにうまくいくのかと思うくらいうまくいって、ちょっと油断したというところがあってファイナルまでもつれてしまいましたが、その一試合目のときに急遽で組んだペアだったのでお見合いとか合わない部分があったんですけど、そこを二試合目からしっかりと修正してできたので、上がれたのかなと思います。

内田 だいたい同じ感じなんですけど、一試合目に(ファイナルゲーム)1-6でマッチポイント5本しのいで、それで勝ち切れたのが、それ以降の勝ちにつながったのかなと思います。

――準決勝では入りは良かったが、途中からは相手の攻撃をしのぐ時間が長く続いたように感じましたが

内本 自分のロビングが浅くなって、スマッシュでたたかれることが多くなって、ファイナルにいってしまったんで、そこをファイナルでは深いロビングをあげれたので、それは良かったかなと思います。

内田 ゲームカウント4-1から、相手のスマッシュがすごかったということもあって、相手のスマッシュをフォローしきれなくて、ファイナルは気持ち切り換えて、繋ぐところは繋いで攻めるところは攻めるという気持ちを作れたのが良かったと思います。

――決勝戦では4ゲーム連取されましたが、試合の入りはどうでしたか

内本 悪かったですね

内田 1ゲーム目はとれていたと思うんですけど、僕が凡ミスしてしまったんで、そこで一気に流れが向こうに行ってしまったのが敗因ですね。

――最後まで厳しいコースについていましたが

内本 最後は結構いいプレーもあったと思うんですけど、最初の方にそれをだしていれば、もっと楽に試合進めれたんじゃないかんと思うんで、ゲームの入りからそういうプレーができるようにしていきたいなと思います。

内田 ゲームの入りが悪かったので、1ゲーム目からつめれたプレーをするように心がけていきたいです。

――今後またシーズンが始まっていきますが、抱負をお願いします

内本 秋リーグも優勝して、今のところはそこまで競った試合とかもないんで、このまま春リーグに向けて、秋よりも進歩した状態を作って、優勝できるように頑張っていきたいと思います。

内田 内本さんとリーグで組むことは、たぶんないと思うんですけど、先輩の人と組むことになると思うんで、もっと元気出して早稲田らしく頑張っていきたいと思います。

船水颯人(スポ4=宮城・東北)・上松俊貴(スポ2=岡山理大付)

――前回の東京インドアでは、切り替えや試合の入りにミスがあったとのことでしたが、今日はどうでしたか

上松 (準決勝の試合での)中盤での切り替えとか作戦変更など、流れも変わりつつあったので、もうちょっと先に変えててもよかったかなと思います。

――予選の試合を振り返って

上松 最初からきつくて、長丁場の試合だったんですけど、勝てたことはすごく良くて、増田九島組との試合の時も、リードされていても追いついて、最後は離せたので、攻撃的にいけたのはすごい良かったなと思います。

船水 リーグもなかなかキツイ当たりだったので、そこで勝ち切れたことは良かったですが、結果的には先週と同じ相手に負けてしまいました。また来週大会があるので、そこに向けてしっかり準備したいです。

――準決勝の試合、4ゲーム目の後の5ゲーム目がとれていたら、という感じがしましたが

船水 そうですね、戦術的にずっと迷いがあって、二人でずっと話はしていたんですけど、それが少し遅かったのか、流れが向こうに行ってしまったので、また先週と同じようになってしまいました。ちょっとしたポイントをとりきれなかったのは全体的に影響が大きかったので、ちょっともったいなかったかなという感じはあります。

――今後春からまたシーズンが始まっていきますが、抱負などあれば教えてください

上松 春からはチームも変わって、またインカレで優勝できるように頑張ろうという取り組みはできているので、チーム全体で良い戦いが出来れば、すごく面白くなっていくチームだと思います。明治や日体大とかもすごく強いので、競り負けないように一回一回頑張っていこうと思います。