テニス界の「問題児」と見られる一方で、トップクラスのスキルを持ち、潜在能力の高さには疑う余地のないニック・キリオス(オーストラリア)。最近はチャリティイベントに積極的に取り組んだり、心理カウンセラーを訪ねるなど真摯に取り組む様子も見せている…

テニス界の「問題児」と見られる一方で、トップクラスのスキルを持ち、潜在能力の高さには疑う余地のないニック・キリオス(オーストラリア)。

最近はチャリティイベントに積極的に取り組んだり、心理カウンセラーを訪ねるなど真摯に取り組む様子も見せている。

そのキリオスのテクニックと独特のリズムは、バスケットボールにも関係がありそうだ。米スポーツ専門局のESPNが、ウェブサイトを通じてキリオスのバスケットボールとの接点を伝えている。

同サイトによれば、キリオスは「実際、バスケットボールでの動作は(テニスに)非常によく似ている」と話しており、プレーの参考にしている様子。

一方で彼のトレーナーやチームは、バスケットボールをすることについて複雑なようだ。「あまりプレイしすぎないようにと言われている。怪我をするから当然だ」とキリオスは話している。

ただ、キリオス自身は「バスケットボールが好きだし、バスケットボールをクロストレーニングとして取り入れている」と、バスケットボールがテニスのプレーにも役立っていると話す。

キリオスのバスケットボールとの関わりは、浅いものでは決してない。テニスに並ぶスポーツがバスケットボールだったようだ。「14歳のとき、両親が私のところにきて話をしました。テニスかバスケットボールか、どちらかを選ばなくてはならない、と」というエピソードも紹介している。

同選手にとっては、テニスかバスケットボールかの選択は本当に大変なことだったという。今でも決断が正しかったかはっきりせず、悩むこともあるそうだ。

キリオスは「ただ、私はオーストラリアで育った。テニスはとても人気のあるスポーツの1つだったし、バスケットボール選手よりはテニス選手の方が成功しやすかった」と話している。

他方で、キリオスが観客を魅力するトリッキーなプレーも、バスケットボールのおかげで生まれてきたかもしれない。今後も同選手にはバランスを取りながら、魅せるプレーを期待したい。

(テニスデイリー編集部)

※写真は「全豪オープン」でのキリオス

(Photo by Quinn Rooney/Getty Images)