1月31日にイングランドの移籍市場が閉幕し、岡崎慎司はレスター・シティに残留することになった。 岡崎が記者団の前で…

 1月31日にイングランドの移籍市場が閉幕し、岡崎慎司はレスター・シティに残留することになった。

 岡崎が記者団の前で移籍希望を明らかにしたのは、1月12日のこと。「ハダースフィールドが岡崎にオファーを出したが、レスターが断った」と英メディアで報じられると、岡崎は「レスターで今は必要とされているのか、されていないのかわからない。もう出る時期かなって思っている」と、退団を希望していると明かした。



移籍を希望していた岡崎慎司はレスターに残留することになった

 さらに、名前のあがったハダースフィールド・タウンへの移籍についても、「残留するという目標が決まっているチームなので、僕の崖っぷちの状況からすれば全然いい。いいオファーだと思う」と前向きな考えを示した。

 しかし、これに待ったをかけたのがレスターだった。ハダースフィールドのオファー額がレスターの要求額に達していなかったため、これを拒否。その後も、フラム、カーディフ・シティ、クリスタル・パレスからレンタル移籍を含めた打診があったが、レスターが首を縦に振ることはなかった。「(移籍希望の)思いを伝えながらやっていく」と語っていた岡崎の希望は、結局最後まで通らなかった。

 今シーズンの岡崎は出場機会に恵まれず、国内リーグ戦の先発はわずか1試合しかない。しかも、出番は2~10分程度の途中出場ばかり。移籍を志願したのは、プロ選手として当然の決断だった。

 だが、レスターとしては、ベンチメンバーには入れている岡崎を”戦力”と見なし、安易にオファーに応じることはなかった。もちろん、オファー額にも納得がいかなかったのだろう。市場閉幕日の前日にあたる1月30日、岡崎は「ここまでいろいろ話がありながらも、結果として(移籍)できなかった」と語り、冬の市場での移籍を断念したと明かした。

 それでも、移籍を認めなかったレスターの考えに不服はないという。その真意を次のように語った。

「クラブのせいとか、そういうことではなくて、自分の(せい)。本当に(自分のことを)ほしかったら、もっといいオファーがくると思うので。僕自身が、その評価に値するレベルではなかったということです。

 個人的には、いいチャンレンジをしたと思っている。『来てほしい』と言ってくれるところもあった。こういう機会じゃないと、そういうこともわからないので。自分を必要としてくれるチームが、いくつかあった。それを自信にしながら、またここで結果を出すことだけを考えたい」

 岡崎によると、昨年12月の時点で獲得オファーが届いていたという。先述したように、岡崎の出番は極めて限定的であり、クロード・ピュエル監督の構想から外れている。それゆえ、心は一気に移籍へ傾いた。移籍への気持ちは膨らむ一方だったが、同時に、簡単には出ていけないという大きな壁にぶちあたった。もどかしい現実に、平常心を保てない時期もあったという。

「あらためて、自分は未熟だなと思いましたね。普段、こういうことには左右されないんですけど、もう12月の時点で『行きたい、行きたい』となってしまった。俺は行きたい。でも、話がうまくまとまらない。チームのことなどいろいろなことを考えて、(心が)乱れたこともあった」

 葛藤を抱えたことで、プレーにも影響が出たという。本人が反省の言葉を口にするのは、1月6日に行なわれたFAカップ3回戦のニューポート・カウンティ戦。岡崎は先発出場を果たしながらも、前半だけで交代を命じられ、チームも英4部クラブを相手に1-2で敗れた。

「カップ戦は、一番どうしようもないメンタルでやってしまった。個人的には、ちょっと休みがほしいなと考えていた。どちらかと言うと、(移籍先に)行って、そこでフィットするためのイメージをしていたし。

(移籍の)タイミングが遅れて、遅れてとなって、自分の心の中もけっこう乱れていた。監督にも初めて(移籍を直談判)しました。初めていろんなことをやって、だからこそ気持ちが焦ってしまったというか。もちろん、クラブと自分の思いがすれ違うのは当然だと思う」

 そして、冬の市場が閉じた──。紆余曲折あったが、岡崎はシーズン後半戦もレスターのユニフォームに袖を通すことになった。

 しかし、こうなった今、本人に迷いや後悔はない。「(気持ちを)切り替えています」と言い切り、ここからが「勝負」と力を込めた。

「先週の紅白戦でも3点獲った。うまく気持ちを切り替えてから、プレーがスムーズにいって結果も出た。『やる気があるな』と、監督にも伝わったと思う。(自分を)使わせるようにやっていく。そう気持ちを切り替えた。あと半年、レスターで勝負する。1シーズン1点も獲れないというのは、FWとしては本当に失格なので。まずは1点獲りたい」

 レスターとの契約は今シーズン終了時まで。残留が決まったことを理由に、ピュエル監督が岡崎の扱いを劇的に変えることもないだろう。

 だが、岡崎は言う。

「(出番が)6分ではなかなか厳しいですけど、これが『10分になって、15分になって』という場面が連戦になれば出てくると思う。勝負です」

 変えられない現状を受け入れたうえで、岡崎はレスターでの再出発を誓った。