本大会NO1チームと見られるイランとの準決勝。イランはW杯のメンバーを多く抱え、カルロス・ケイロス監督は8年目を迎える。イランは4-3-3。トップのアズムンが要注意だ。対する日本は、4-2-3-1。現状森保監督が考えるベストメンバー。GK権…

本大会NO1チームと見られるイランとの準決勝。

イランはW杯のメンバーを多く抱え、カルロス・ケイロス監督は8年目を迎える。イランは4-3-3。トップのアズムンが要注意だ。

対する日本は、4-2-3-1。現状森保監督が考えるベストメンバー。GK権田、DFは右から酒井、冨安、吉田、長友。ボランチ遠藤、柴崎。MFは右から堂安、南野、原口。ワントップは大迫。

日本ボールでキックオフ。この日、日本は積極的にプレスをかけてボールを早く回し、大迫を起点に攻撃を仕掛ける。開始1分の原口のシュートはブロックされたが、その後大迫と堂安のワンツー、南野のドリブル突破など攻撃を続ける。対するイランは、ボールを奪うとロングボールを3トップめがけて、ロングボールを蹴り込み、こぼれ球をミドルシュートという攻撃を繰り返す。

平均身長で5センチほど劣る日本であるが、吉田、冨安が冷静に跳ね返し、危ない場面を作らなかった。イランの守備も前からプレスをかけて、日本がGKまで戻したところや最終ラインでボールを回しているところをカットして、一気にゴールを狙おうと試みた。前半22分権田から遠藤への安直なパスを見逃さなかったデヤガが足を出して引っ掛け、これをきっかけにカウンターを開始。アズムンがハジサフィとのワンツーでペナルティエリア左に入り込むと、強引なドリブルで柴崎をかわし、ゴールエリア左角付近から右足でシュート。だが、権田が左足一本でピンチを救う。

手数をかけないイランの攻撃に対して、日本は左右にボールを回しながら、柴崎、遠藤の両ボランチが機を見て縦に楔のパスをだす。それを合図に大迫、堂安、南野がポジションを入れ替えながらワンタッチやスルーを使い効果的に攻めていた。また原口は縦の関係の長友のオーバーラップを何回か引き出した。

イランはGKがかなり長い距離スローイングでパスを出せることと、ロングスローができる選手が三人いるために、何度か日本に脅威を与えた。前半はこのまま両者ゴールを割れず緊迫した試合は後半へ。

後半立ち上がりはイランペース。開始直後、酒井がハンドを取られてFK。デヤガが右足で強烈なブレ球のシュートを放つが、枠をとらえられない。後半11分大迫が最終ラインの裏にはたくと、南野が抜け出す。南野はチャージを受けて倒れるが、ファウルの判定にならず。イランがシミレーションをアピールしている間に南野はボールを拾い直し、左サイドの敵陣深くからクロスを供給。大迫が頭で合わせ先制に成功する。イラン選手4人ともプレーを止めて主審にアピールしたすきをついた、試合の流れを一気に引き寄せるゴールゴールであった。

後半13分にイランは選手交代。同点を狙う。後半15分負傷した遠藤に変えて塩谷IN。後半18分相手の最終ラインの連係ミスを突き、ペナルティエリア左にボールがこぼれると、大迫が意外性のある落としでフリーの南野に渡す。南野は左足でゴール前にグラウンダーで折り返すと、滑り込んでブロックに入ったプーラリガンジの左手に当たり、PKを獲得。VARで確認するも判定は変わらず。大迫が冷静にキーパーの逆をつき2-0とする。

後半26分にイランは選手を二人変えて、早くもパワープレイを仕掛けるが、日本が冷静にはじき返し、守備陣はほころびを見せなかった。また日本は守備では4-4-2となるが、2トップの大迫、南野は献身的に相手GKまでプレスをかけ続けた。

後半28分には堂安が右サイドからカットインして、シュートを放つがGKにブロックされる。堂安はボールを持った際に高確率でカットインするので、相手に読まれやすい。縦にドリブルで抜けないのであれば、酒井のオーバーラップを促して縦を意識させるなど改善が求められる。

あとがなく攻め続けるイランに対して、日本は時折素早いカウンターを仕掛ける。後半37分にカウンターで4対2のチャンスを作るが南野、大迫、原口と渡り原口のトラップが大きく、ラインを割ってしまった。チャンスにきっちりと人数をかけて、カウンターが発動するところは評価できる。

またこの試合では柴崎から得意のスルーパスや、飛び出しが見られた。クラブで試合に出れない状況が続いていたが、本大会を通して復調してきていると言える。後半44分に最後の交代伊東が投入される。後半47分アディショナルタイム、相手の中盤でのパスミスを原口が奪い、柴崎と大迫を使って前を向く。原口は緩急を付けたドリブルで対応するDFをあっけなく振り切り、ペナルティエリア左に進入してGKとの1対1に。原口は冷静にゴールに沈め、決定的な3点目を奪う。

後半49分アズムンが大迫を倒し、これをきっかけに両チームがもみ合いとなる場面も。このまま3ー0で試合終了。

この試合ではお互いの良いところが出た締まった展開となったが、その中で日本の良さも出た3−0と文句のつけようのない試合であった。シュート数はイラン11本に対して日本は7本であったが、ペナルティエリア内のプレーに関してはイラン12回に対して日本は21回と上回っている。イランはミドルシュートの精度をかいた。