ターンオーバーを連発し「チームに迷惑をかけた」アルバルク東京は千葉ジェッツとの水曜ナイトゲームを、2点差で落とした。A東京のペースで試合が進み、8点をリードして前半を折り返したが、第3クォーターに落とし穴が待っていた。ターンオーバーから速攻…

ターンオーバーを連発し「チームに迷惑をかけた」

アルバルク東京は千葉ジェッツとの水曜ナイトゲームを、2点差で落とした。

A東京のペースで試合が進み、8点をリードして前半を折り返したが、第3クォーターに落とし穴が待っていた。ターンオーバーから速攻を何度も許し、12-26のビッグクォーターを作られ、一気に形成を逆転された。

A東京を指揮するルカ・パヴィチェヴィッチは試合後、「第3クォーターがすべて。ターンオーバーから走られ、イージーバスケットを許した。千葉の勝ちパターンをやらせてしまった」と敗因を分析した。

その第3クォーター、馬場は4点差に迫られた残り8分32秒からコートに立ったが、そこから3つのターンオーバーを犯しそのすべてが失点につながった。火消し役となるはずだったが、火に油を注ぐ結果となり、馬場がコートに立った約5分間は8-18と大きく水をあけられた。

交代を告げられた場面、コートサイドでルカコーチにこっぴどく叱責を受ける馬場の姿がそこにはあった。

馬場は今シーズンワーストとなる、5つのターンオーバーを記録した。「集中を欠いたプレーでチームに迷惑をかけたの一言です」と試合を総括し、「ルカコーチも試合前に、リバウンドとターンオーバーだと言っていたので、僕の責任だったんじゃないかって思います」と自分を責めた。

ボールをファンブルするなど不用意なミスもあったが、馬場だけが悪いとは言えないターンオーバーもあった。ローポストのミルコ・ビエリツァにパスを送り、マイケル・パーカーにパスカットされ、速攻を許した場面はそのうちの一つだ。

出し手が悪いか受け手が悪いか意見が分かれるところだが、馬場はどちらにせよ、コミュニケーション不足だと認めた。「ミルコ選手もあまりプレータイムがなく、久しぶりの試合で上手に意思疎通ができていないかったのが事実です。それがあのターンオーバーにつながったと思う。そこのズレを合わせていかないといけない」

また、ターンオーバーによる自責の念に駆られ、馬場の表情は終始沈んでいた。馬場も「普通の状態ではなかったです」と話し、「やはりミスを気にしてプレーに集中できなかったことも事実です。まだまだそういう部分で自分は甘いと思う。自分自身だけならいいんですけど、ターンオーバーをしてチームに迷惑をかけたというのが。プロとしてやるべきことではなかったと反省してます」

「僕のプレーは気持ちで左右されることが多い」

自分を責める馬場だが、試合を通して8得点7リバウンド4アシスト1スティール1ブロックとチームへの貢献度は高い。また最終クォーターに14点のリードを許しながらも、馬場のダンクで1点差まで詰め寄り、ラストショットが入れば逆転というところまで試合を盛り返したことは収穫に値する。

それでも馬場は「スイッチを入れるのが遅かったです。10点開いてからスイッチを入れたのでは、勝てるわけないですし、あらためて自分の甘さについて考えないといけない」と、ネガティブな面ばかりに目を向ける。

それは自分が主力であることに加え、メンタルにプレーが左右された己への戒めでもあるのだ。「僕のプレーは気持ちで左右されることが多いです。集中力が切れると外のシュートも入らなくなりますし、全部メンタルがプレーに影響してくると思うので。集中力を切らさなかったら、僕自身それなりのプレーはできると思っています。根本はメンタル、反省して残りの試合を戦っていきたいです」

昨日の試合は結果的に2点差で敗れたが、A東京は直近5試合中3試合が2点差以内の敗戦となっており、天皇杯での千葉戦も含めれば、実に4試合で2点差以内の接戦を落としている。「クロスゲームをモノにできないケースが多々あって、それはメンタルの部分だと思います。もう負けられない試合が続くので、こういう試合を糧にしていくしかないです」と、馬場は最後までメンタルの重要性を説いた。

現在A東京は21勝12敗。リーグ5番目の好成績ではあるが、思うように勝ち星が伸びず、過去2シーズンのような絶対的な強さを見せられていない。それでも、こうした経験を経て、馬場が鋼のメンタルを備えることができれば、A東京のレベルはもう一段階上がるはずだ。