アメリカ・ロードアイランド州ニューポートで開催された「名誉の殿堂テニス選手権」(ATP250/7月11~17日/賞金総額51万5025ドル/グラスコート)で、イボ・カルロビッチ(クロアチア)が3度目の決勝でついに「名誉の殿堂」タイトルを…
アメリカ・ロードアイランド州ニューポートで開催された「名誉の殿堂テニス選手権」(ATP250/7月11~17日/賞金総額51万5025ドル/グラスコート)で、イボ・カルロビッチ(クロアチア)が3度目の決勝でついに「名誉の殿堂」タイトルを手に入れた。
第2シードのカルロビッチ(クロアチア)は第3シードのジル・ミュラー(ルクセンブルグ)を6-7(2) 7-6(5) 7-6(12)と、3つのタイブレークを戦った末に制した。これはオープン化以降で最長となるタイブレークでの試合だ。
37歳のカルロビッチは過去2年連続でここニューポートの決勝に進みながら、2度とも敗れていた。今回の優勝によって彼は大会初優勝とともに、キャリア7つ目のタイトルを手にしたことになる。
カルロビッチは今大会の最年長優勝者となった。広く見渡しても、1979年に37歳と9ヵ月でルイジアナ州ラファイエットで優勝したマーティ・リーセン(アメリカ)に次いで年長のATP大会優勝者。彼は4ヵ月前に37歳になった。
「最後のショットをネットの向こうに入れることができたとき、決勝で敗れ続けた2年のあとだけに、喜びはそれは大きかった」と彼は言った。「ついにやってのけることができた。一時はマッチポイントまで握られたからね。それゆえ、いっそうこの勝利が素晴らしいものとなる」。
カルロビッチはミュラーがつかんだ3つのマッチポイントに抵抗し、自分が手にした5つ目のマッチポイントをものにして、2時間56分の戦いに終止符を打った。身長211cmのカルロビッチは勝利の瞬間、両腕を高く上げ、ベースラインの後ろのプレーヤーボックスのファンたちに、投げキスを送った。
「本当に素晴らしいよ。過去2年負けていることが、マッチポイントを握られればよからぬ考えとして頭に入り込んでくるものだ。でもついに勝つことができた。このほうがずっとよかったね」とカルロビッチ。
第1セットのタイブレークを落としたあとのカルロビッチは、第2セットのタイブレーク5-5でベースラインの内側に入るだろうと感じさせるロブを放ち、ミュラーがそれを追うのをやめたときに6-5とリードを奪った。そしてフォアハンドのウィナーを決めて第2セットを奪い返した。そのときのミュラーはコートチェンジの際に、フラストレーションを抑えられずラケットを叩きつけた。
第3セットのタイブレークは双方の選手が見事なショットを打ち合う競り合いとなったが、ミュラーはネットに近い位置からフォアハンドをアウトし、最後のポイントの御膳立てをした。
「自分がそれほど間違ったことをしたとは思わない。イボはすべてのマッチポイントで素晴らしいプレーをしたと思う。彼のサービスは非常によかった。僕はここ数週間、僕のほうがラッキーな状況でいくつかの試合に勝ってきたが、今日の僕は幸運な側ではなかったよ」。
33歳のミュラーは初めてのATPタイトル獲得を目指していた。それだけに接戦を落としたあと、前向きになるのは難しいとしながらも、「でも今週の出だしを振り返れば、決勝に進めて幸運だったと思う」とも言った。
この大会は国際テニスの殿堂の会場で、新メンバーの殿堂入りセレモニーとときを同じくして開催されており、今年はマラト・サフィン(ロシア)とジュスティーヌ・エナン(ベルギー)が土曜日の祝典を経て、殿堂入りを果たしている。(C)AP