試合終了のホイッスルが聖地・西が丘に鳴り響くと、ア式蹴球部女子(ア女)の選手たちは肩を落とした。全日本大学女子選手権(インカレ)決勝。4連覇が懸かったこの大一番で、ア女はなでしこリーグ1部に所属する宿敵・日体大と対戦した。前半から日体大に…

 試合終了のホイッスルが聖地・西が丘に鳴り響くと、ア式蹴球部女子(ア女)の選手たちは肩を落とした。全日本大学女子選手権(インカレ)決勝。4連覇が懸かったこの大一番で、ア女はなでしこリーグ1部に所属する宿敵・日体大と対戦した。前半から日体大に主導権を握られる苦しい試合展開の中で、徐々にリズムをつかんだア女は積極的に攻撃を仕掛けるも、なかなか得点を奪うことができない。すると62分に自陣右サイドを崩され失点。選手を交代し攻撃の活性化を図ったが、ア女は最後の最後まで日体大のゴールを割ることができなかった。結果0-1で敗戦。惜しくも悲願の4連覇達成とはならなかった。

 前半開始直後から相手にボールを保持され、2本のシュートを許すなど苦しい立ち上がりとなったア女。それでも「この試合自体、守備的に入ることは自分たちのスタンスとしてあった」とFW河野朱里(スポ4=静岡・藤枝順心)が語るように、攻められてもDF三浦紗津紀(スポ4=浦和レッズレディースユース)を中心とした堅い守備で得点を与えない。すると14分には、相手CKのクリアボールに反応した河野からカウンターを仕掛けるなど徐々にリズムをつかみ始め、DF中田有紀(スポ3=兵庫・日ノ本学園)、DF渡部那月(社4=兵庫・日ノ本学園)両サイドバックのオーバーラップから多くの好機をつくる。しかしラストパスが合わず、シュートを打つことができない。34分にはCKから三浦がファーストシュートとなるヘディングシュートを放ったが、惜しくもGK正面。その後は相手にフリーでシュートを許すなどひやりとする場面が続いたが、なんとか無失点で前半を終えた。


サイドバックの攻撃参加からチャンスをつくる場面もあった

 悲願達成のためにも得点を奪いたい後半。49分、MF熊谷汐華主将(スポ4=東京・十文字)のボール奪取からカウンターを仕掛け、最後はMF山田仁衣奈(スポ3=大阪・大商学園)がシュートを狙うも、相手DFにブロックされる。その後は互いにシュートを打つも得点を奪えない一進一退の時間帯が続いたが、ついに試合が動く。62分、自陣右サイドをワンツーで崩されグラウンダークロスを許すと、MF三浦桃(日体大4年)にこれを決められ失点。「(失点の)少し前くらいから右サイドを突破され始めていて、相手が嫌な位置にいる中でどうやって守ればいいのか考えている中で完璧に崩されてしまった」と三浦は振り返る。狙われていた右サイドをケアできず、嫌な時間帯での失点を許したア女は、劣勢での試合運びを強いられた。69分にはMF松本茉奈加(スポ2=東京・十文字)、79分にはMF冨田実侑(スポ2=岡山・作陽)とスピードが持ち味な2選手を投入し、攻撃の活性化を図る。すると83分、MF村上真帆(スポ2=東京・十文字)の右サイドへの展開から冨田がアーリークロスを供給するが、大きくラインを割った。88分には、村上に代わって投入されたMF八神友梨弥(スポ4=宮城・常盤木学園)のロブパスを河野がボックス内で受けるも、シュートまで持ち込めない。3分間のアディショナルタイムでは相手にうまく時間を使われ万事休す。最後の最後まで日体大の守備を崩せず完封負けを喫し、4連覇の夢はあと一歩のところでかなわなかった。


62分、ついに失点を許してしまった

 「守備をしっかりしてから、奪ってカウンターで攻撃しようというのは試合前に話してみんなで共有していた」と熊谷が語るように、ア女のプレースタイルであるショートカウンターを軸に決勝に挑んだが、クロスの精度を欠き、熊谷・河野の両ポイントゲッターが最後までシュートを打てないなど、日体大の『カベ』を崩すことができなかった。それでも「今回は負けてしまって残念だったんですけど、内容的には非常に頑張って、(その点では)涙を流すような試合ではなかった」と川上嘉郎監督(昭51商卒=神奈川・横浜緑が丘)も健闘した選手たちをねぎらった。この一年間『競創』をスローガンに掲げ、戦ってきたア女。関東女子リーグ戦では10連覇の偉業を達成した。勝ち切れない時期も続いたが、チーム全員で苦難を乗り越えてきた。集大成となるこのインカレも優勝こそできなかったが、一体感のある強固なサッカーを体現。試合後、今大会で引退となる4年生の表情は、悲しみや悔しさだけではなくどこか充実感で満ち溢れていた。来月からは新体制が始動するア女。この敗戦を糧に、圧倒的な強さを持つチームを目指したいところだ。「最後に悔いが残らないように、責任と覚悟を持って、いろんなことにチャレンジをして、4年生として引っ張っていきたい」と中田は来シーズンの飛躍を誓った。1年での女王返り咲きへ――。ア女は再び『頂』へと走り始める。

(記事 永池隼人、写真 河合智史、守屋郁宏、下長根沙羅、石塚ひなの)


スターティングイレブン




第27回全日本大学女子選手権
早大0-0
0-1
日体大
【得点】
(早大)なし
(日体大)62’三浦桃
早大メンバー
ポジション背番号名前学部学年前所属(加入内定)
GK木付 優衣スポ4ジェフユナイテッド市原・千葉レディース
DF渡部 那月社4兵庫・日ノ本学園
(オルカ鴨川FC内定)
DF三浦 紗津紀スポ4浦和レッズレディースユース
(INAC神戸レオネッサ内定)
DF23源関 清花スポ3ちふれASエルフェン埼玉
→79分15冨田 実侑スポ2岡山・作陽
DF中田 有紀スポ3兵庫・日ノ本学園
MF柳澤 紗希スポ4浦和レッズレディースユース
(浦和レッズレディース内定)
MF20中條 結衣スポ3JFAアカデミー福島
MF山田 仁衣奈スポ3大阪・大商学園
→69分17松本 茉奈加スポ2東京・十文字
MF村上 真帆スポ2東京・十文字
→86分18八神 友梨弥スポ4宮城・常盤木学園
MF◎11熊谷 汐華スポ4東京・十文字
(スフィーダ世田谷FC内定)
FW10河野 朱里スポ4静岡・藤枝順心
(INAC神戸レオネッサ内定)
リザーブ:GK16鈴木佐和子(スポ2)、MF高瀬はな(スポ3)、MF並木千夏(スポ1)、FW山田彩未(スポ4)
◎=ゲームキャプテン
監督:川上嘉郎(昭51商卒=神奈川・横浜緑ケ丘)
コメント

川上嘉郎監督(昭51商卒=神奈川・横浜緑が丘)

――準決勝までの3試合をどのように評価していて、この試合にはどのようなプランを持って臨んだのですか

関東リーグの最終戦で日テレ・メニーナとやった時の試合の仕方が非常に良くて、そこから1点差でも勝ち切れるような連携、考え方ができ上がっていました。日体はおとといの準決勝で帝平とやりましたけど、なでしこリーグでやっている選手たちがいるとチーム力が全然違うなと感じていました。高いレベルでやっていると判断力とかスピードとかが高まっていて、「本当に厳しい戦いになる」、「1点勝負に持ち込めるように我慢するしかない」ということで取り組んできたんですけど、内容的には本当に評価したいなと思っています。インフルエンザとかケガで、90分戦わせることがちょっと厳しいなと思う選手が2、3人いて、そこは辛い部分ではあったんですけど、今日の試合の内容としては本当によく頑張ってできたと思います。

――ある程度ボールの保持を許したり、押し込まれたりするのは良しとしていたのですか

想定内ですね。本当によくやれたなと思います。1点勝負に持ち込んで、相手のミスが出たりボールを取ったらカウンターという、女子サッカーでしっかりと守備を固めてというゲームプランを考えて、それを持って戦って実現できたというのは非常に素晴らしいなと思いました。我慢できましたし、我慢しながらも常に(攻撃のチャンスを)狙っていましたから。でも、これが今季最後の試合なので、本当に残念です。日体大さんの力が素晴らしかったということだと思います。勝敗の責任は監督にありますけど、彼女たちにも良いサッカーができたという実感はあると思いますし、それは良かったなと思います。

――後半の入りに少しギアを上げたように見えました。勝負どころになると感じていたのですか

もちろんハーフタイムはひとつのきっかけにもなりますし、こちらも(相手の戦い方に)順応していくので、日体大さんも90分間同じようなサッカーは続かないと思っていました。そこが狙いどころということもあらかじめ認識して戦えていたところは良かったと思いますね。

――攻撃の課題に苦労した1年間だったと思いますが、今日も例外ではなかったのでは

攻撃に関しては個の能力をいかに生かしていくかだと思うので、連携というところでしたけど、ケガだったりいろいろな要素もあって、日頃練習をしている選手の数も多くなかったというのはあります。固定をしているつもりはまったくなかったんですけど、連携できる人間の枠が少なかったというのはあると思います。でも、その中で力を発揮できたのは本人たちの意識の強さで、これまでの経験をしっかり踏まえて戦えたということだと思いますね。

――チームとしてやれることはやったという充実感はあるということですか

そうですね。もちろん試合ごとに課題はありますけど、勝つのが大事という意味では準決勝までは良かったということだと思います。今回は負けてしまって残念だったんですけど、内容的には非常に頑張って、(その点では)涙を流すような試合ではなかったと思います。敗者の立場に立ったことは、4年生にとっても社会人になってから必ずプラスになることだとは思います。

――部としては久々にインカレ優勝を逃したということになりますが、シーズンをどのように総括しますか

常にサッカーは勝つ方もあれば負ける方もありますけど、なんとなくア女にいると結果勝つんだろうという感じが中にいても芽生えるところはあるんですよね。その中でも4年生は本当に一生懸命やってくれて、(チームとして)練習からお互いに意識を高く持ってやっていたと思います。どんな敗戦も次の糧になるものだと思いますし、特にこういう決勝での敗戦はそうだと思います。ただ、日体さんの強さには高いレベルでやっているからこその質の高さがあるので、それと同じかそれ以上の環境をいかに作るかということが大事かなと思います。なでしこリーグの1部のチームとたくさん練習試合をやることなのかとか、いろいろあるとは思いますけど、そういう環境をいかに作るかというのが今の課題ですかね。

MF熊谷汐華主将(スポ4=東京・十文字)

――きょうの試合を振り返って

試合が始まる前から厳しい戦いになるというのは予想していたことで、試合が始まってみても自分たちが我慢する時間が長かったです。結果的に勝つことができなかったので悔しいです。

――2位という結果についてはどう捉えていらっしゃいますか

今までずっとインカレは勝ち続けてきていて、4連覇っていうのを掲げてやっていました。目指していたのは優勝だったので、準優勝というのは本当に悔しいです。

――失点シーンについては

警戒していた相手のサイド攻撃というところで、サイドを突かれて失点してしまいました。相手の良いところをやらせてしまったなという印象がありました。

――なかなか攻撃がかみ合わない中で、中田さん(DF中田有紀、スポ3=兵庫・日ノ本学園)との連携でチャンスをつくる場面もありました。攻撃面のできはどうでしたか

守備をしっかりしてから、奪ってカウンターで攻撃しようというのは試合前に話してみんなで共有していたことなので、それを何回かやってセットプレーにつなげられたり惜しいところまでつなげられたのは良かったです。有紀ともずっとサイドで組んでいたので、決めきることはできなかったですけどサイドを2人で崩してきたのは楽しかったです。

――ア女での4年間を振り返ってみていかがでしたか

結果からしてみれば良い成績を残してきたし、周りから見たら楽しかったんじゃないかなと思うと思うんですけど、悔しいことや苦しかったこともすごく楽しいことと同じくらい多かったです。その経験を通じて自分も大きく成長できたし、チームとしても成長できたし濃い4年間だったと思います。

――熊谷さんにとってア女はどのような場所でしたか

大学生活はア女が中心だったし、ア女の中で生きてきたのできょうでこれが終わるっていう実感が無くて。どうなるんだろうっていう感じですね(笑)。

――スフィーダ世田谷ではどのような選手になりたいですか

サイドハーフになったのもこの大学からですし、そのサイドハーフでもプレーを見てくださってスフィーダさんに入団できることになったので、ア女にはすごく感謝をしていますしその感謝を忘れないようにプレーしたいと思います。

MF柳澤紗希副将(スポ4=浦和レッズレディースユース)

――今のお気持ちはいかがですか

4連覇を達成できなくて悔しい気持ちもあるんですけど、自分の中ではやり切ったという気持ちもあって、日体大を倒さないと日本一にはなれないと思っていたので最高の相手ではあったんですけど、やっぱり強かったなというのが正直な気持ちです。

――リーグ戦では引き分けている相手との対戦でした。スカウティングではどのようなことを分析して狙っていましたか

自分のプレースタイルであるショートカウンターを狙っていて。自分たちが前からというか普通にプレーしてしまうと相手にやられると感じていたので、ボールを持ったときにどこに配球するかを昨日のミーティングだけですけど入念にスカウティングをして。少なくても前半はいい試合展開だったかなと思います。でも後半の失点の時間帯は、失点しやすい時間帯だったので、詰めが甘かったかなと思います。

――前半の途中から攻撃のリズムをつかみましたが、なかなかラストパスが合わない場面が試合を通して続きましたが、振り返っていかがですか

個人的にはもっとシュートを打っても良かったかなと思うんですけど、中1日で準決勝も厳しい試合だったので疲労的にもキツイところはありました。その中でも最後の1試合ということで、みんな出し切ったと思うので、誰のせいでもないし、やり切ったとは思います。

――コンディションの話がありましたが、守備ではハードワークが目立ちました

自分も身体はぼろぼろだったんですけど、最後の1試合だし、次がないこれが最後という気持ちが強かったので、身体を投げ出してでも勝ちたいという気持ちがプレーにつながっていたんですけど、それが結果につながらなかったことだけに悔いが残るなと思います。

――インカレ2位という結果は率直にどう捉えていますか

客観的に見たら4年連続決勝進出できてるのはすごいことかもしれないですけど、やっぱり正直なところ4連覇したかったという気持ちしかなくて、サッカーは気持ちが本当にプレーに表れるなということを感じた試合でした。

――やはり日体大はやりづらい相手でしたか

そうですね、やっぱりなでしこ1部で1年間戦ってきているという経験が違ったかなと。そこが大きく差が出ちゃったかなと思います。

――この4年間を振り返っていかがですか

自分はけっこうケガに苦しんだ期間が多くて、それでもこれだけサッカーに打ち込める環境というのは、周りの人だったり環境だったりすごく恵まれていたなと思っていて、その中で自分自身を見つめ直す期間が多かったです。高校の3年間とは全然違った大学4年間だと思っていて、もうこの4年間は何にも変えられないと思うので、次につなげていきたいです。

――浦和レッズレディースでの目標はありますか

きょうの決勝でもけっこう個の力というところで絶対的な力を出せなかったので、個人としての成長はまだまだ足りないし、1部のスピード感であったり、個の能力を高めていく上で、自分がけっこう覚悟を決めた決断だったので、決めたからには負けずに大学4年間もそうですけど自分の今までのことを信じて、さらにレベルアップしていければなと思います。

――柳澤さんにとってア女とはどのような場所でしたか

ア女は大学4年間の中で生活というか、ア女イコール自分の生活でした。楽しいこともつらいことも全部ア女だったので、本当にそれがなくなることが想像できないんですけど、サッカーもそうですけど、これから先も付き合っていくだろう仲間とか人との出会いが、自分の中では一番大きい存在でした。

GK木付優衣(スポ4=ジェフユナイテッド市原・千葉レディース)

――準優勝という結果になりましたが、今の気持ちをお願いします

悔しい気持ちもあるのですが、1年終わったなという感じです。

――今日の試合を振り返って

前半も後半も苦しい時間帯が多かったのですが、みんな耐えて頑張ってくれていたので、失点に悔しさが残りますが、みんな戦ってくれたなと思います。

――日体大の攻撃の印象をお願いします

スリートップという少し変則的で、今まで対戦した感じだったので、戸惑いもあったのですが、そこは選手同士でも話し合って対応を考えていたので、その対応がうまくいったのもありました。スリートップの後ろの10番(日体大・三浦桃)だったりその辺が怖かったのはあったのですが、そこも声をかけながらうまくやれたなと思いました。

――失点シーンを振り返って

自分のフィードが収まらなかったことから始まったと思うのですが、そのあとにクロスを上げる選手がサイドをえぐってきて、過去のインカレの試合にその選手が豪快なシュートを打っていたので、シュートが頭をよぎってしまって、一瞬中を見ることができなかったので、そこが気がかりになり、ボールにトライするというよりは体を投げ出してあたりに行く感じだったので、そこに関してはもう少し冷静にやれていたらよかったという思いがあります。

――ア女での3年間を振り返って

2年目からア女に入部したのですが、みんなが暖かく迎えてくれたことが今でも感謝しきれないところで、皇后杯であったりインカレ優勝という経験をさせてもらって、このチームに本当に感謝したいですし、今までのサッカー人生の中でも誇れる経験だと思います。

――後輩へメッセージをお願いします

5連覇というプレッシャーの置き土産はできなかったですが、結果ももちろん大事なのですが、それまでの過程を大事にして1日1日を積み上げていってほしいなと思います。

【1.20 ア女インカレ決勝 渡部那月選手】

DF渡部那月(社4=日ノ本学園)

――今の率直な気持ちを聞かせてください

正直悔しいですけど、みんなと最後までこの決勝の舞台までサッカーできて良かったなと思います。

――今日の試合を振り返っていかがですか

自分たちは前日にも戦術としては守備をしっかりやって、攻撃ではカウンター狙いというのをやっていて。前半は相手にボールを持たせるような守備でしっかり出来ていた部分はあったんですけど、後半一瞬ちょっとズレが生じたところでやられてしまったので、声掛けて出来れば良かったんですけど、相手もすごくパス回しが上手かったのでしょうがないのかなとも思います。

――後半途中から冨田選手(DF冨田実侑、スポ2=岡山・作陽)が入ってきてセンターバックに変わりましたが

とみー(冨田)のスピードはすごい生きると思うので、そこはチームとしての戦術で、チャンスというか勢いも結構出たのでそこに関しては良かったなと思います。

――渡部選手自身、要所要所で攻撃参加も多く見られました

少ないチャンスでしっかり点に絡めたら良かったんですけど、なかなか難しかったのでその点に関してはこれからもっと磨きをかけていきたいなと思います。

――ア女での4年間はいかがでしたか

あっという間だったんですけど、たくさん優勝を経験させてもらって、4年が一番しんどかったっちゃしんどかったんですけど、しんどかった分これから先に繋げられたらなと思います。

――今後オルカ鴨川FCの一員としてなでしこリーグでプレーしていく中で、どのような選手になっていきたいと考えていますか

新しい場でのサッカーになるので、これまで学生としてずっとサッカーやってきたんですけど、今度はプロというかクラブチームというか、結果を求められるようなサッカーになっていくので、しっかり結果を残せる選手になりたいなと思いますし、(オルカ鴨川FCは)2部のチームなので1部に昇格できるようにしっかり貢献したいなと思います。

DF三浦紗津紀(スポ4=浦和レッズレディースユース)

――きょうの試合を振り返っていかがでしたか

4年間の最後の試合ということで、振り返りとしては勝ちたかったですけど、やり切ったなと悔いはないです。

――準優勝という結果について率直な感想をお願いします

優勝を目指してきた中で4連覇も懸かっていて、4連覇を背負ってこの1年間戦ってきたので自分たちの成長につながったと思います。結果こそ伴わなかったですけど、その中で学んだものだったり今回味わった悔しさというのはこれからのサッカー人生でも生かしてやっていきたいなと思います。

――失点シーンを振り返ってどう思われますか

あの時間の少し前くらいから右サイドを突破され始めていて、相手が嫌な位置にいる中でどうやって守ればいいのかなと考えている中で完璧に崩されてしまったという感じです。

――きょうの守備についてはどう評価されますか

前半は相手の攻撃に慣れてしっかり行くところは行けたところも多かったんですけど、後半は集中力が切れたり体力が疲れてきたりしてそれを継続してできなかったというのが自分たちの力不足かなと思います。

――ア女での4年間を振り返っていかがですか

4年間は3連覇を経験して今回準優勝というかたちだったんですけど、長かったというのが率直な感想です。でもこの4年間がなければ今の自分もいないですし、これからのサッカー人生にも進めなかったと思うので、苦しいけどいい時間が過ごせたなと思います。

――これからまだサッカー人生は続きますが、これからINAC神戸レオネッサでどういった活躍を見せたいとか、どんな選手になりたいというのはありますか

まだINACがどういうチームなのか、自分の実力がそこでどれくらい通用するのか未知の世界なので、正直不安もあるんですけどこれから自分が上のレベルで負ける経験もたくさんすると思いますし、そういう経験を増やしていかないと自分は成長できないと思うので、そういう負けから学ぶ選手になりたいです。

FW河野朱里(スポ4=静岡・藤枝順心)

――今の気持ちを教えてください

率直に悔しいですけど、みんな笑って終われたのでやり切れたんじゃないかな、と思います。

――前半はなかなかチャンスがありませんでした

この試合自体、守備的に入ることは自分たちのスタンスとしてありました。攻撃できないのは想定内だったのですが、自分が前のスペースでボールを受けれなかったことや、全体的に自陣に入って守備しすぎたところはありました。でも試合前に話していたことを体現できていた面では前半の試合内容はよかったと思います。

――後半からはチャンスもありました

後半になってから変えようとしていたことはなかったのですが、相手が疲れてきて距離をとるようになっていたので、自分たちがその間でボールを受けれたりフリーで前を向けるシーンが増えてきたので、そこは状況を見て個人が判断した結果でした。

――直接得点に絡むことはありませんでしたが

今シーズン通してですが、自分が中盤の作りに入ると得点に絡めなくなりますし、前で待っているだけではボールがこないというシーンは多くありました。そこはイメージしていたことだし、自分が空けたスペースを他の人に走らせたり使わせたりすることが一歩足りなかったと思います。

――試合全体を振り返っていかがでしたか

ディフェンスラインは一生懸命やってくれて、そのおかげで1失点に抑えられました。自分が軸となった攻撃はまだまだ日体大に及ばないし、ギアを変えられなかったのが反省としてあります。素直に悔しいです。学生主体でやってきたサッカーには限界があるのかな、とも思いました。自分が学生主体となってやる頂点まではいけたと思うので、そこの面ではやり切れた思いがあります。

――4年間を振り返っていかがでしたか

1年生の頃から良いスタートが切れて、先輩がいたからだと思います。4年生になってから気付いたこともたくさんありました。人間的にも大きく成長させてもらいました。大学3年間は自分が思うようにのびのびプレーさせてもらったし、最後の1年間は後輩や周りのチームメイトに成長させてもらいました。全てに感謝しています。

――ア女は河野選手にとってどんな存在でしたか

安心する場所でもありましたし、危機感を持たせてくれる場所でもありました。自分の捉え方によってア女という団体が変わってくるとも思っていました。良い方向に持っていこうと思えば付いてきてくれる仲間がいたので、特にこの1年間は自分を成長させてくれたと感じています。卒業しても、あと2、3年ぐらいは応援するんじゃないかな(笑)。そのぐらい愛着はあります(笑)。

――次のステージでの意気込みを教えてください

FWでとってもらったのは結果を求められてると思いますが、それ以前に試合に出なければいけないです。レベルの高いライバル選手もいますし、自分を生かしてくれるような別のポジションの選手もいますし、環境は完璧に整っていると思います。あとは自分がやるかやらないかです。全ては結果だと思っています。これまでに経験したことのないような厳しい環境に身を置くと思いますが、人生において正解なんて分からないですし、自分が決めた道なので、とりあえず自分の存在をアピールしていきたいと思います。

DF中田有紀(スポ3=兵庫・日ノ本学園)

――結果を受けての率直なお気持ちは

悔しかったです。

――守備の時間が長くなるのは覚悟の上で試合されていたのですか

そうですね。相手も足元の技術がうまい中で、パスを回して攻撃してくるというのはわかっていましたし、我慢する時間が長くなるというのは想定していました。

――その我慢の時間が長い中でも、左サイドの攻撃は今日もストロングポイントになっていたと思いますが

相手が3-4-3のフォーメーションだったので、(中盤の)4枚の裏を突ければ数的優位で崩せるのかなと思って、積極的に縦への仕掛けということと、関わり続けるというのは意識してやれたのかなとは思います。

――結果としては残念でしたが、力は尽くしたという充実感はあるんでしょうか

そうですね。やってて楽しかったなとは思います。

――今日の試合から、あえて日体大との差を挙げるとするなら

結局良いパスをつないで、オーバーラップをして、クロスを上げてということをしていても、点を決めきれなかったら勝つことはできないという中で、1点の重みというのを感じました。

――その感覚を来季に生かしていくということになりますか

そうですね。1点入れるか入れないかの勝負になってくると思うので、内容もそうなんですけど結果にこだわって、来年は取り返したいなと思います。

――中田選手も主戦として活躍されてきた中で、今年の4年生の存在の大きさはどういうところに感じていましたか

本当に偉大な先輩ばかりで、頼らないと攻撃のスイッチが入らないというところもあったし、守備の部分でも泥臭く足を出してブロックしてくれたのも4年生だったと思うので、そういうところで4年生に頼っていた部分は多かったなと思います。

――来季はそのプレーで示していく立場にもなると思います

最後に悔いが残らないように、責任と覚悟を持って、いろんなことにチャレンジをして、4年生として引っ張っていけたらいいなと思います。