侍J大学代表の2大会連続優勝を支えた陰の立て役者は、正捕手を務めた法政大・森川大樹だろう。3試合でスタメン出場し、日本代表が誇る投手陣を盛り立てた。■とにかく会話、抜群のコミュニケーション能力で投手陣を牽引 侍J大学代表の2大会連続優勝を支…

侍J大学代表の2大会連続優勝を支えた陰の立て役者は、正捕手を務めた法政大・森川大樹だろう。3試合でスタメン出場し、日本代表が誇る投手陣を盛り立てた。

■とにかく会話、抜群のコミュニケーション能力で投手陣を牽引

 侍J大学代表の2大会連続優勝を支えた陰の立て役者は、正捕手を務めた法政大・森川大樹だろう。3試合でスタメン出場し、日本代表が誇る投手陣を盛り立てた。

 選考合宿、強化合宿を経たとはいえ、投手陣はみな違う大学のメンバーばかり。「みんながどんなことを考えているのか知るためにも、練習以外の時間に、とにかく話し掛けまくりましたね。野球をしている間はお互い熱くなってるから、普段話をして、何の球種を投げたいとか、どうに投げたいとか聞きましたね」とコミュニケーション能力の高さを発揮して、投手陣の信頼を勝ち得た。

 168センチと小柄な体格ながら、本塁でドンと構えた姿から醸し出る安心感はケタ外れだ。侍ジャパンでコーチを務める法政大の青木久典監督は「うちには最近ないタイプ。大きい声で盛り上げて、気持ちを前面に出す。最近はスマートな印象の選手が多い中で、一生懸命な泥臭さを感じさせながらチームを引っ張っていってくれる」と大きな信頼を寄せている。

 対戦相手のデータが少ない中で迎えた今大会。対戦を重ねながら相手打者の特長を探り、味方投手の状態を量りながら、リードを続けた。「渋い選手とかよく言われるんですけど、本当は打てる捕手を目指しているんです」と笑ったが、捕手としての評価が高いことが、何にも勝る褒め言葉だろう。

■プロ野球が「はっきりとした目標に」

 侍J大学代表には欠かせない存在となったが、「まさか選ばれるとは思わなかった」という。日本を代表する選手が集まる場。レベルと意識の高い選手が切磋琢磨し、互いの持つ力を高め合う経験は何物にも代え難い。メジャー予備軍がそろう米国代表と戦ったことも、今後の野球人生に大きく役立つ。「こういう舞台に来られて、本当によかったと思います」と、侍ジャパンで過ごした日々を噛みしめた。

 日米大学野球を戦い抜いたことで、“プロ野球選手になりたい”という夢が目標に変わった。

「今までは『なりたいけど、ちょっと厳しいだろうな』と思っていました。でも、みんなと一緒にこの大会を戦って、頑張ればできる気がしてきた。夢だったのが、はっきりとした目標になりました。目標を達成するための課題も、キャッチングであれ、リードであれ、打撃であれ、具体的なものが見えてきた。今後の野球人生につながる大切な経験です」

 暇があれば、YouTubeで日本プロ野球やメジャーリーグの映像を見るという根っからの野球好き。楽天の嶋基宏のような頼れる捕手を理想像に描きながら、目標に向かって歩み続ける。