2回戦にして、早くも激突することになった最注目カードに、自ずとプロのスカウトや多くの高校野球ファンが集まった。その観客の期待を裏切ることなく、都城は山本由伸(3年)、延岡学園はこちらも注目の藤谷勇介(2年)が先発マウンドにあがった。■2回戦…

2回戦にして、早くも激突することになった最注目カードに、自ずとプロのスカウトや多くの高校野球ファンが集まった。その観客の期待を裏切ることなく、都城は山本由伸(3年)、延岡学園はこちらも注目の藤谷勇介(2年)が先発マウンドにあがった。

■2回戦で延岡学園と対戦、早くも最注目カードが実現

 7月16日に行われた第98回選手権宮崎大会2回戦。都城vs延岡学園の一戦。
都城は石原太一現監督(23歳)が、この夏に向けて、しっかりとチームを再建してきた。対するのは、今後、期待のかかる1・2年生選手が軸となり、2013年夏(第95回大会)の甲子園準優勝監督・重本浩司監督(34)が率いる強豪・延岡学園だ。

 2回戦にして、早くも激突することになった最注目カードに、自ずとプロのスカウトや多くの高校野球ファンが集まった。その観客の期待を裏切ることなく、都城は山本由伸(3年)、延岡学園はこちらも注目の藤谷勇介(2年)が先発マウンドにあがった。

 1回表、2死走者なし。都城3番・黒木が右前安打で出塁するも、後続は右飛。藤谷が上々の立ち上がりをみせた。その裏、山本は先頭打者に145キロ(球場表示)、3番打者には、この日最速の147キロ(球場表示)の直球を投げ込む。夏の初戦にして、初回からノビのある快速球を披露。球場をどよめかせた。

 しかし、2回裏。先制したのは延岡学園だった。2死二塁から7番セカンドの1年・堰口が、中前へ適時二塁打を運んだ。門川中時代に、春夏連続の全国制覇を達成したメンバーである堰口が、山本から一打。早速、結果を出した。

 先制を許した都城であったが、3回表、四球で出塁した8番・吉原が犠打で二塁へ進むと、1番・平部の初球はバントの構えから見逃し。相手捕手から牽制を受け、二、三塁間に挟まれたものの、遊撃手の送球が体に当たってボールが転々とする間にホームイン。都城が同点に追いついた。

■球場に掲げる横断幕は「ALL FOR ONE ONE FOR ALL 『一心不乱』」

 5回終わって、1-1の同点。グラウンド整備を終えて迎えた6回表。都城は2死から4番・城村が四球で出塁すると、5番・山本がピッチャ―強襲の中前安打で続く。山本が打つと、都城は一気に勢いづく。

 このチャンスを逃さず、6番・重満が右越え2点適時三塁打。7番・吉田も右前適時打で続いた。都城が4-1として、藤谷をマウンドから降ろした。

 さらに、都城は8回。1死一、二塁からダブルスチールを試みると、敵失(捕手の暴投)を誘い1点を追加。その後、8番・吉原の右前適時打で、二走・吉田がヘッドスライディングで6点目の生還。7点目は押し出しによる得点だった。

 都城は、8回に瀬戸口、9回に塗木がマウンドにあがったが、その間、右翼手を守っていた山本が最終的にマウンドに戻り、2者連続三振でゲームセットとした。都城ナインが、「夏の初采配・初勝利」を監督へプレゼントした。

 都城が、球場に掲げる横断幕は「ALL FOR ONE ONE FOR ALL『一心不乱』」、現チームの合言葉は「熱男(アツオ)」。最激戦のCパートから、チーム力の強い、熱い男たち都城ナインが、1999年(第81回大会)以来となる甲子園出場を狙う。

 第3シード・都城は、3回戦で「延岡星雲vs宮崎商」の勝者を迎え撃つ。

(記事提供:高校野球ドットコム)

三角竜之●文