センターコートで観客の期待に答えた大坂なおみ まさにグランドスラムチャンピオンの名にふさわしい勝ちっぷりだった--。 オーストラリアン(全豪)オープンで、第4シードの大坂なおみ(WTAランキング4位、1月14日づけ/以下同)は、1回戦でマグ…



センターコートで観客の期待に答えた大坂なおみ

 まさにグランドスラムチャンピオンの名にふさわしい勝ちっぷりだった--。

 オーストラリアン(全豪)オープンで、第4シードの大坂なおみ(WTAランキング4位、1月14日づけ/以下同)は、1回戦でマグダ・リネッテ(86位/ポーランド)を、6-4、6-2のわずか58分で破って2回戦に進出した。

 リネッテには、昨年のWTAワシントンD.C.大会ではフルセットで敗れていたが、その時の反省を生かして今大会、大坂はペースの速いストロークを深く入れて、リネッテのミスを誘った。

 リネッテのセカンドサーブに対しては、ベースラインの内側でリターンポジションを構えて、プレッシャーをかけながらステップインして早いタイミングでリターン。その結果、リネッテのセカンドサーブでのポイント獲得率は、わずか37%にとどまった。

「第1セットでは、彼女がどういうサーブを打つのか見ていて、第2セットはもっとステップインしていこうと決めました。よりアグレッシブによりいいプレーができたと思います」(大坂)

 大坂は、サービスエース6本、フォアウィナー12本、バックウィナー8本を含む30本のウィナーを叩き込んだ。しかも、ファーストサーブのポイント獲得率は、驚愕の96%で、まさに完勝だった。

 昨年、大坂がUSオープンで初優勝を収めて、日本人初のグランドスラムチャンピオンになって以来、初めて迎えるグランドスラムが今回の全豪オープンだ。

 日本だけでなく海外からの注目も高く、大坂の1回戦は、大会2日目に、センターコートであるロッド・レーバーアリーナのナイトセッション第2試合に組まれた。

「ここでナイトマッチはプレーしたことがなかったので、うれしかったですし、自分自身楽しもうとしました。本当にすばらしい雰囲気でした」

 約2万人の観客が見守るなか、大坂は伸び伸びと自分のプレーを披露し、試合後のオンコートインタビューでも、ユーモアで笑いを誘って、オーストラリアでも多くのファンの心をつかんだ。

 今回の全豪オープンで、大坂は第4シードになり、これまでのグランドスラムで最上位のシードを獲得したが、そのポジションに浮かれず、地に足をつけて1試合ずつ戦っていく決意だ。

「その都度ワンステップずつ踏んでいかなかなければいけません。誰もがグランドスラムの1回戦で負けたいと思っていないでしょうから、今現在の私の目標は、それになります。それから3回戦にはすでに何度も到達していますけど、それが次の目標です。できれば準決勝、それから、決勝、優勝を考えることができると思います。たくさんのいいプレーヤーがいますし、すべての選手がこのトーナメントで優勝したいと思っているのを知っています。だから、すぐに優勝のことは考えません」

 そして、グランドスラムチャンピオンになったからといって、けっして自分自身が変わるわけではないとも語る。

 2回戦で大坂は、タマラ・ジダンセク(78位/スロバキア)と初対戦となる。

「次の対戦相手のことはまったく知りません。彼女のプレーも見たことがありません。試合(の動画)を見て、自分がどうプレーすべきか考えようと思います」

 実は、大坂には全豪オープンでの結果次第で、大会後、世界ナンバーワンになれる可能性がある。まず、最低条件としてはベスト8以上が必要で、あとは他の選手の結果次第となる。現在1位のシモナ・ハレプ(ルーマニア)はもちろん、大坂を含めて合計11人が、ナンバーワンになれる可能性を持っているのだ。

「トップ10の誰かが、ナンバーワンになれる可能性があるということを聞きました。でも、私にとって、それは自分が思う本当のゴールではありません。この大会で、いいプレーがしたいだけなのです。その後、自分のランキングがどうなるかを見るだけです。ランキングが、自分の関心事になることはありません」

 4位というのは、現在のところ大坂の自己ベストで、また日本女子では伊達公子と並んで史上トップタイのランキングとなっている。

 果たして大坂は、今回の全豪オープンで上位進出を果たし、自己最高ランキングを更新できるのか。そして、再びグランドスラムタイトルへ近づけるのか、楽しみは尽きない。