厳選!新馬情報局(2019年版)
第33回:シルヴァーソニック

 兄弟や姉妹によるクラシック制覇というのはよくある話だが、それは決して簡単なことではない。達成されれば、輝かしい快挙である。

 今年の3歳馬の中にも、そんな快挙を目指す素質馬がいる。栗東トレセン(滋賀県)の池江泰寿厩舎に所属するシルヴァーソニック(牡3歳/父オルフェーヴル)だ。

 2008年のGI皐月賞(中山・芝2000m)を制したキャプテントゥーレを兄に持ち、同馬にもクラシック制覇への期待がかかっている。



シルヴァーソニックの兄キャプテントゥーレは皐月賞を制覇

 兄キャプテントゥーレは、デビューから安定した成績を残して、GIIデイリー杯2歳S(京都・芝1600m)を快勝。GI朝日杯フューチュリティS(中山・芝1600m)でも3着と健闘していたが、クラシック第1弾の皐月賞では7番人気の低評価に甘んじた。

 しかし、レースではその評価を覆(くつがえ)すような快走を披露する。スタートから先手を奪ってマイペースに持ち込むと、直線を迎えてもその勢いは衰えず、まんまと逃げ切り勝ち。後続に2馬身半差をつけての見事な戴冠だった。

 その後は長期休養を余儀なくされるなど、再びGIのタイトルを手にすることはなかったが、GIII朝日チャレンジC(阪神・芝2000m)で連覇を飾るなど、最後まで重賞戦線で活躍した。

 このキャプテントゥーレの他にも、スプリント重賞を2勝したアルティマトゥーレ(牝/父フジキセキ)や、GIII小倉記念(小倉・芝2000m)を勝っているクランモンタナ(牡/父ディープインパクト)など、シルヴァーソニックの兄姉には数多くの活躍馬がいる。

 そもそも、母はGII阪神牝馬S(阪神・芝1600m)を勝ち、海外のGIモーリス・ド・ゲスト賞(フランス・芝1300m)で2着と好走したエアトゥーレ。さらにその母は、海外のGI戦線で奮闘し、GIムーラン・ド・ロンシャン賞(フランス・芝1600m)を勝っているスキーパラダイスと、まさしく繁栄の一族である。

 そうした血統背景もあって、シルヴァーソニックへの期待は否が応でも高まってしまうのだが、実際のところ、同馬に対する周囲の評価はどうなのか。関西競馬専門紙のトラックマンがその様子を伝える。

「スタッフによると、シルヴァーソニックは『(馬体に)柔らかみがあって、見栄えがいい。乗り味も悪くない』とのこと。調教を重ねるなかで、反応もよくなってきているようです。気性も素直で、ある程度の水準レベルにはありそうですね。陣営は『芝の軽いところが合いそう』と話しています」

 ちなみに、兄姉との比較では、先述のトラックマンがこう分析する。

「この血統は、父によってタイプが大きく変わるのが特徴です。シルヴァーソニックの場合、調教の動きだけを見ていると、あまりスパッと切れる印象はないんですよね。この辺りは、父オルフェーヴルの要素が出ているのかもしれません。瞬発力に秀でた産駒はあまり多くないですから。それでも、実戦でどういう走りを見せるのか、楽しみな素材であることは間違いありません」

 現状、シルヴァーソニックは1月20日の3歳新馬(京都・芝1600m)でデビューする予定。兄キャプテントゥーレに続いて、クラシックで躍動できるのか。まずは初陣の走りに注目したい。