クリッパーズファンは元エースの帰還を歓迎

約1年前にクリッパーズからピストンズにトレードされたブレイク・グリフィンが、移籍後初めてかつての本拠地ステイプルズ・センターに帰ってきた。そして、昔と変わらずに声援を送ってくれたクリッパーズファンの前で、44得点8リバウンド5アシスト3スティールの大活躍を見せ、109-104での勝利に貢献した。

2017年の夏に5年のマックス契約をクリッパーズと結んだグリフィンは、2009年のドラフト全体1位で指名してくれた球団に骨を埋める覚悟を決めていた。だが、NBAのビジネスでは、時に非情な選択を迫られ、クリッパーズはその半年後、生え抜きスターのグリフィンとピストンズにトレードし、チーム解体の道を選んだ。

グリフィンは新天地でもエースとして歓迎されたが、昨シーズンはケガが原因で思うようなパフォーマンスを見せられず、チームをプレーオフに導けなかった。ところが、昨年のオフはリハビリではなくトレーニングだけに時間を費やせたことで、今シーズンは開幕早々にキャリアハイとなる50得点の大台をマーク。その後もコンスタントにハイレベルなプレーを続け、今シーズンは39試合に出場し、キャリアベストの平均25.6得点というスタッツを残している。

クリッパーズは、試合開始から初のタイムアウトがコールされると、会場内の大型ビジョンにグリフィンの功績を称える動画を流した。

グリフィンは試合後「(動画)全部を見たわけではないけれど、今日のような形で歓迎してもらえてうれしかった。とてもうれしいね。今日の試合を観に来てくれたファンのみんなに感謝しているよ」と、コメントした。

昨年の12月、グリフィンは『ESPN』とのインタビューで、凱旋試合で感傷的になってしまうかもしれないと語っていた。しかし、試合当日の朝に目を覚ましても、普段と同様に準備できたという。

「(感情のコントロールは)試合の大半で上手くやれたと思う。これまでも大きな試合には出場したことがあったから、思っていたよりも簡単に対応できた。興奮はしていただろうけれど、行き過ぎた状態ではなかった」

グリフィンは、前半だけで26得点を記録。勝負どころとなった第4クォーター終盤には得点とアシストでチームのオフェンスを支えた。移籍後初の凱旋試合を終えたグリフィンは、ホッとしたような表情で、古巣との対戦を振り返った。

「まずは、試合が終わって安心した。今日の試合は、開幕戦と比べてしまっていたからね。周りから期待されて、それが終われば81試合残っている状態。今日を終えて、残りは41試合くらいかな。昔のことは過ぎたこと。自分も、彼ら(クリッパーズ)も、前を向いて進んでいるから」