今回登場するのは早川隆久(スポ2=千葉・木更津総合)、今西拓弥(スポ2=広島・広陵)、西垣雅矢(スポ1=兵庫・報徳学園)の投手トリオだ。大黒柱であった小島和哉前主将(スポ4=埼玉・浦和学院)が抜けた現在、早大投手陣の核を担っていく存在として、さらなる飛躍が期待されるこの三人。昨年の振り返りやプライベート、そして今後への意気込みについてお話を伺った。

※この取材は12月22日に行われたものです。

「もう一回足元を見つめ直してやろう」(西垣)


昨秋、第2先発として奮闘した西垣

――まず、東京六大学秋季リーグ戦(秋季リーグ戦)を振り返って収穫はありますか

早川 自分が秋季リーグ戦を振り返ってみて感じたのは、4年生の執念というか集大成、やればできるという言い方はおかしいですけれども、4年生の力がチームを活気づけるというのはものすごく感じました。まだ4年生ではないですけれども、自分も来年から活気づけられるような選手になっていければなというのは感じました。

今西 自分は小島さんの姿というのが一番印象に残っています。小島さんの姿こそがワセダのエースだというのを感じた秋のリーグだったかなと思います。

西垣 お二人の先輩が言ったように、今年の秋のリーグ戦、特に早慶戦は4年生の底力というか、技術どうこうではなくチームが一つになった時のパワーがこんなにもすごいというのが、今まで野球をしてきた中で分かってはいたのですが、再確認できたリーグ戦でした。

――技術面での収穫はありますか

早川 技術に関してだと、割と秋季は真っすぐで勝負できたので、真っすぐの良さというのを自分で再確認できましたし、真っすぐ以外のことはこの冬に課題として挙げているので、それを改善していけばもっとピッチングが楽になっていくのかなというのは感じましたね。

今西 自分は抑え方が何となくですけれども分かったというか、常に全力で投げるのではなくて、ペース配分(を考えて投げること)を昨季は結構分かった感じがあったので、この冬はその精度を上げられるようにやっていこうかなというふうには考えています。

西垣 この秋は先発でやらせてもらっていました。ずっと小島さんと岸本さん(朋也前副将、スポ4=大阪・関大北陽)が試合前日にミーティングをしているのですが、そこに一緒に入らせてもらって。そこで小島さんと岸本さんが今まで積み上げてきた考え方を自分がその場にいて感じることがあって、それがリーグ戦の中で抑え方として少しは自信になったかなという部分はあります。でも(ほとんどの試合は)回数は5回までしか投げられていないですし、完投したのも1回だけでした。先発をするならもっと長いイニングを投げるのがベストなので、そういうところを含めて、体力と真っすぐの強化をこの冬目指してやっています。

――早川選手にお聞きしますが、常々おっしゃっていた「流れを呼び込む投球」はこの秋季リーグ戦でできたと思いますか

早川 最後の早慶戦を除けばある程度はできたのかなと思います。早慶戦と、立教戦(2回戦)の延長に入ってからのサヨナラホームラン、立教戦に関しては1球だけで試合が終わってしまったので、自分の中では悔いが残ります。その他の試合は流れを呼び込む投球はできたのかな、と自分の中では感じています。

――今西選手からは秋季リーグ戦開幕前、カーブの調子がいいと伺いましたが、その調子はシーズンを通していかがでしたか

今西 そんなに大崩れすることもなく、いい感じでいけたので、昨季はそこそこ結果が出せたのかなというふうには思っています。

――先ほどの話とかぶる部分もありますが、秋季リーグ戦を終えて見つかった課題はありますか

早川 自分は一球の精度、特に打たれたのは真っすぐではなく変化球だったので、その変化球の精度をこの冬にしっかり上げていければなというのは感じました。

西垣 自分は4、5回までは投げられる自信がありましたが、そこから先(打順が)2、3巡目と進んでいく中で、真っすぐが速いなどの決め手がないと相手バッターにボールを見極められてしまうので、そこでピッチングの幅を広げるためにも真っすぐを強化したいとリーグ戦を通して再確認できました。

今西 自分は前からずっと言っているのですが、スタミナという面です。先発は立教の1試合しかしていないですけれども、その他の試合もリリーフで回をまたいで投げられるようにはなってきました。でもリーグ戦は2日目がある中で、2日目に疲れが残ることが結構ありました。リリーフだったら2日連続で投げることが出てきて、疲れは出ると思うので、体力はもっとつけていきたいと思います。

――立大2回戦では6回無失点でしたが、先発として1試合の中でのスタミナはいかがですか

今西 変化球でもこの秋はストライクが取れていたので、その分2巡目もバッターを抑えられていましたね。1試合の中でのスタミナは、春(東京六大学春季リーグ戦)までよりはついたかなと思います。

――秋季リーグ戦でそれぞれ最も印象に残っている試合は何ですか

早川 自分は法政2回戦ですかね。自分で言うのはなんですけれども、チームにいい流れを呼び込めたのには自分の投球があって。西垣が途中で交代して、自分もそんなにブルペンで(肩を)つくれなかったのですが、そこでしっかりゼロで切り抜けて、自分の打順が回ってきた時に代打で黒岩さん(駿前副将、スポ4=長野日大)が(塁に)出て同点に追い付いて、最終的にその試合に勝った、という感じで。いい流れで勝利を呼ぶことができたので良かったのかなと思います。

今西 正直勝った(試合)より負けた(試合の)印象の方が強く残っているので、法政3戦目です。自分が打たれてはいけないところで宇草選手(孔基、3年)に一発を打たれてそこで負けてしまって。最終的な結果を見ればそこでもし勝っていたら優勝があったと思います。さっき早川も言っていて、自分も気が抜けていたわけではないですけれども、甘く入ってしまった(一球の)精度であったりというの(を考えさせられたの)で、法政3戦目が印象に残っています。

西垣 自分も打たれた試合なのですが、初先発だった法政2回戦です。早川さんが抑えてくれて勝てた試合でしたけれども、あの試合は正直とても上がっていて、自分の思っていることが何もできずに、ただ単にボールを投げていたら打たれたという印象があって。あの後とても悔しくて、次の週では今西さんが(先発で)投げて抑えていて、もう一回チャンスが欲しいと思いながら練習していました。後々考えるとあそこで打たれたのが、もう一回足元を見つめ直してやろうと思わせてもらった試合なので、リーグ戦を通して一番最初の試合でしたが印象に残っているというか、自分の中ではターニングポイントだったかなというのがあります。

――早慶戦の話になります。今西選手と早川選手は早慶戦では重要な場面で中継ぎとして登板されましたが、振り返っていかがですか

早川 早慶2、3回戦の話となると、いい思い出は全くないです。三振は取れるのですが、全部その前にランナーをためて、その(三振を取る)前にランナーを返してという感じで。自分の持ち味である『打たせて取る』というのができなかったので、そこに関してもめちゃくちゃ悔しいですし、4年生のために最後しっかり抑えてやろうと思って投げても打たれていたので、そこの実力不足というのはものすごく感じましたね。そういう面では、早慶2、3回戦に関しては自分の中では悔いが残っています。

今西 自分としては、応援の力であったりだとか、球場の雰囲気というのを感じさせてもらいました。多分今まで野球をやってきた中でも早慶3戦目の最終回は緊張していて、足も震えていたのですが、マウンドに上がる時にスタンドからの応援の声が力になるというのが感じられました。

――西垣選手は先発した2試合とも、負けたら勝ち点を落とす試合でしたが振り返っていかがですか

西垣 2戦目に関しては、1戦目に負けて優勝がなくなった状態で、正直モチベーションを保つのが難しい試合でしたが、そこでうまくチーム全体が(気持ちを)切り替えられていましたし、自分が緊張して自分の思うようなプレーができないような状態だったら後悔すると思ったので、今までお世話になった4年生の先輩のためにも、その気持ちを思いながら投げようとは感じていました。後ろにもリリーフ陣がたくさんいて、とても安心できる先輩たちばかりだったので、後先考えずに一人一人を抑えていこうという意識で先発しました。

――昨春の早慶3回戦では中継ぎとして登板されて、昨秋は早慶戦以外の試合で先発登板されていました。春の早慶戦や他のカードの先発した試合と比べて違いはありましたか

西垣 リリーフは途中から試合に入るわけじゃないですか。それがとても難しいとは感じていて、それまでライン(塁線)の外で(肩を)つくっているわけですけれども、そこでいかにマウンドをイメージして、すっと入れるか入れないかというのがリリーフは大事だと春の早慶戦で自分は感じて、リリーフの難しさも分かりました。

――他のカードに比べて、早慶戦の方が緊張するというのはありますか

西垣 いや、意外と冷静に・・・。(初先発した)法政戦の方が緊張しましたね。完全に上がっていました。

――今西選手と早川選手は、早慶戦に限らず、先発と中継ぎはどちらがやりやすいですか

早川 自分は1年生の春の(早慶1回戦の)時に試合がとても動いている状態で投げて、逆転満塁ホームランを打たれて降板したことがあって、それがあってからリリーフの難しさをものすごく感じましたし、逆にこの春は先発でいくらテンポ良く抑えても、なかなかアウトが積み重なっていかないという難しさを経験したので、そういう意味で両方の難しさを知っているとどちらがいいというのは答えにくいです。

今西 自分的には先発の方が楽というか、自分が(マウンドに)行くタイミングがはっきりと分かっているので、その分気持ちの準備がしやすくて先発の方がやりやすいのかなというのはあります。でも、今季はほとんどリリーフを任せてもらえて、途中から入っていく難しさはありますが、そこで抑えられたときの感じは先発では味わえないので、どっちがいいというのは言いにくいです。

――早大の昨秋のチーム防御率はリーグトップでした。投手陣全体を振り返っていかがですか

早川 各ピッチャー陣の役割を(それぞれが)知った状態で投げられたというのが、防御率を低くできた要因なのかなとは感じます。特に自分や今西に関しては「後ろでいつでも行ける準備をしておけ」と前々から言われていたので、その分気持ちづくりがやりやすかったのかなとは感じました。

――その中で絶対的エースだった小島選手が抜けてしまいますが、そこに対する危機感はありますか

早川 それはすごく感じています。小島さんがいなくなって今度は勝ち柱というのがいないので、その勝ち柱をどうやって埋めていくか、勝ち柱をどうやってつくっていくかというのはこの冬の練習の成果によって変わってくるのかなと思います。

――早川選手は侍ジャパン大学代表候補の強化合宿に参加されていましたが、そこで得られたものはありますか

早川 大学生になると年の差があっても力の差はほとんどないと感じていて、特に法政の三浦(銀二、1年)とかはとてもいいピッチングをしていましたし、他大の1年生や3年生、自分たちの同級生もみんないい内容で投げていたので、年の差はほぼ関係なくて、全員互角なのかなというのを感じた合宿でしたね。

――三浦選手の話がありましたが、六大学以外の選手で印象に残っている選手はいますか

早川 日体大の北山さん(比呂、3年)が150キロを投げたというインパクトもあったのですが、そこでもバチバチに抑えていましたし、自分と同じ部屋だった立正大学の糸川(亮太、2年)がそんなに特化したものはなかったのですが、その中でも淡々と抑えていて。そういうピッチャーが戦国の東都(東都大学リーグ)でも勝てるピッチャーなんだなと感じましたね。

「あまり他の人を意識することはない」(今西)


昨年は春秋を通して、防御率1点台と安定感を見せた今西

――ここからはプライベートな話になります。今西選手と早川選手は、2年生になってお互いの印象に変化はありますか

早川 今西はあまり(自分が今西の)プライベートに突っ込んでいないから分からないですけれども、ゲームをやっている印象しかないです。

一同 (笑)。

早川 部屋に引きこもっている印象しかないです(笑)。自分は印象が変わったというか、部屋に引きこもっているなという感じです。

――ずっとそういう印象ですか

早川 ずっとというか、(今西は)部屋にずっといるか、OBの方とご飯に行くかのどっちかしか見ていないです(笑)。自分はそれ以外で外出しているところをあまり見ていないです。

――どんなゲームをされているんですか

今西 最近はずっとパワプロ(実況パワフルプロ野球)をやっています。

――マリオパーティがはやっているという話も聞きましたが

今西 それ(をやっているの)はこっち(西垣)です(笑)。

――早川選手はゲームをされますか

早川 自分は携帯でしかしなくて、携帯(ゲーム)は暇な時間があればやりますけど、それ以外はそんなに・・・。課題とかの方が忙しいので、そっちをやっています。

今西 自分らがなんか不真面目みたいに(笑)。

西垣 おかしいですね。

早川 おかしくはない(笑)!

――今西選手は早川選手の印象はいかがですか

今西 自分は早川が言ったみたいに、あまり部屋から出ないので、会うことがないんですけれども・・・。

早川 おまえ部屋から出ないから周りの印象分からないだろ(笑)。

今西 分からないですが、最近食堂とかで一緒にご飯を食べるときに思うのが、食に関してこだわってるなというのは感じます。それ以外は本当に部屋から出ないから分からないんですよね。

一同 (笑)。

――食にこだわるというのは栄養面での話ですか

今西 栄養面とかこだわっているような気はします。

――2年生のお二人から見て、西垣選手はどのような後輩ですか

早川 こいつは割と先輩に人懐っこい印象があるので自分も接しやすいです。最初は絡みづらいのかなという印象がありましたが、今は先輩の懐に入ってくる後輩なので、接しやすいなというのは感じます。

今西 早川と一緒です。でも、入られたくないところってあるじゃないですか。そこには無理に入ってこない感じがあります。だから先輩でも西垣と仲いいやつは多いし、先輩と仲良くなるのはうまいかなと思います。

――西垣選手から見て、2年生の先輩お二人はいかがですか

西垣 自分が2月に(チームへ)来た時からずっと優しく接してくれた二人です。正直自分でもなめた後輩だと思うのですが、ご飯も連れて行ってくれるし、野球の真剣な話ももちろんしてますし、それを後輩の話だからといって適当にあしらう先輩たちではないので、ちゃんと話をしてくれるというか、プライベートなことも野球のことでも、よくしてもらっています。

――西垣選手は入学してもうすぐ1年がたちますが、授業と野球の両立はいかがですか

西垣 完璧ですね。

早川 おっと(笑)?

西垣 春よりはうまくできています(笑)。ちょっと成長しています。

――早川選手はしっかりと両立できていますか

早川 教職があるので、1つ教職に必要な授業を落とすと来年も再履になってしまうんですよ。そこが面倒くさいですし野球の時間が減ってしまうし、確実に一つ一つ取っていかないと教職も取れなくなってしまうので、授業と野球二つの両立をしっかりしていかないとな、というのはあります。

――野球部で授業を一緒に取ったりするのですか

早川 自分は教職を一緒に取っているやつがいるので、そいつと一緒にいますけど、教職の授業が今期はほとんどなので。

西垣 先輩から「この授業がいいよ」と言われたのをみんなで取っているので、先輩の意見を聞きながら授業は組んでいます。

今西 1年生の頃は早川とも結構かぶっていたのですが、2年生からコースが分かれてしまっているので、同じコースの人とはかぶっているんですけれども・・・。だから1年生の頃みたいに5、6人で受けるみたいなことはなくなりましたね。

――他大やチーム内で最もライバル視している選手は誰ですか

早川 チーム内だと自分ら三人に、徳山(壮磨、スポ1=大阪桐蔭)も含めて四人が先発候補だと思うので意識する部分もありますし、他大の左ピッチャーでいうとまだケガをしていますけど、慶大の佐藤(宏樹、2年)とか、ボンさん(髙橋佑樹、3年)とか。特に慶大の左ピッチャーを自分は意識していますね。

今西 やはり早川や西垣や徳山より結果を出さないと、試合に出られないので、特に三人には勝るものがないとな、とは思っていて。あまり自分が人のこと気にしなくて自分のやりたいことをやっているので、他の人を意識することはあまりないです。ですので、他大にはあまりいないです。

西垣 同じになるのですが、(今西選手と早川選手は)競っていかないといけない先輩ですし、自分は同級生の同じ右ピッチャーという面で、徳山はお互い意識していかないといけない立場だと思うので・・・。徳山は冬にケガが治って春にどうなるか、というので、先発のこの四人で競っていくことは多くなると思います。(ライバル視しているのは)早川さん、今西さん、徳山ですけれども、その中でも徳山は特に意識しています。他大は明治の竹田(祐、1年)とか三浦銀二とか1年生から投げているピッチャーはいますが、正直三浦銀二に関しては今の時点では全然負けているので、特別にはいないですね。チーム内の方が(ライバル心を)感じます。

――今西選手と早川選手はプロ志望だと伺いましたが、西垣選手はいかがですか

西垣 自分もプロで考えています。

――最近マイブームはありますか

今西 それこそ自分はパワプロです。

早川 今は忙しいというか、やることが多くて自分のやりたいことに時間を費やせないことが多いので、マイブームというマイブームは今はないかな。強いて言うなら大掃除も兼ねて掃除はちょくちょく始めています。

――きれい好きなんですか

早川 いや、掃除はしたいと思うのですが、そんなにきれい好きではないと思います。

――他の二人はいかがですか

西垣 汚いです。

今西 そんなに・・・。

早川 そんなに!?おまえやばいよ!?

一同 (笑)。

今西 いや、でも早川みたいにしょっちゅうするという感じではないですが、一度(掃除を)やり始めると2時間でも3時間でも延々ととことんやり続けているというのはあります。最近それをやったので、最近はきれいな方だと思います。

早川 最近はね、最近は(笑)。

今西 最近(早川は)部屋に来ていないので分からないと思いますけれども、きれいです(笑)。


早川(左)に部屋の様子を指摘され、苦笑いの今西(右)

――以前、吉澤一翔選手(スポ2=大阪桐蔭)の部屋が一番きれいだと伺いました

今西 あいつはやばいです(笑)。

西垣 生活感ないですね。布団や毛布もぐちゃぐちゃっとなっていないし、畳まれた状態で。折り目とかも気にしていますね。吉澤さんはリモコンの置き方もこだわっていますね。ダントツできれいじゃないですか。

――西垣選手はマイブームありますか

西垣 自分何かあります?

早川 ここ最近なんか見てない?Amazonプライムとか?

西垣 ああ。所沢キャンパスまで行くのにバス移動があるのですが、今は『すべらない話(人志松本のすべらない話)』を見ています。電車とバスでニヤニヤしながら見ているので、周りから見るとすごく気持ち悪いと思います(笑)。すべらない話は吉澤さんから勧められましたね。吉澤さんもAmazonプライムに入っていらっしゃるので、「何かいいのありますか?」と聞いたら「すべらない話、出たで」とおっしゃっていたので、取りあえずそれをコンプリートしようかなと思って(笑)。暇な時はAmazonプライム見ています。

「先発で勝ち星を」(早川)


今年は投手陣の柱となることが期待される早川

――新体制になってからの投手陣の雰囲気はいかがですか

早川 新体制と言っても小宮山さん(悟監督、平2教卒=千葉・芝浦工大柏)がまだ様子見の感じなのではっきりと言えませんが、最上級生である3年生の方々がいい雰囲気づくりをしようと改革をしているので、そこに関しては自分たちも付いていこうと感じます。自分たちも来年から3年生で上級生になり、後輩たちに指導や背中を見せられたらなというのはあるので、新体制に向けての準備期間という感じはあります。

今西 去年も(練習で)グループ分けはしていたのですが、グループの分け方が実力で分けているところがありました。新体制では学年を混ぜて、グループ内で競ったりみんなの競争意識を高めたり、効率をどう良くしていくかを考えたりと3年生の人がやってくれています。今後自分と早川も上級生になるので、引っ張っていかなくてはいけないのですが、雰囲気自体はいい感じできていると思います。

西垣 今西さんが言ったようにグループ分けがされているのですが、その中で2人1組でやるメニューなどは、同じ学年ではなくなるべく違う学年の人とやろうと3年生が言ってくれていたので、練習の中でそのようなコミュニケーションの場が設けられているのは後輩としてはありがたいです。自分たち後輩はそういう場をもらっているので質問したり先輩たちと色々な話をすることが大事だと思いますが、それを生かしながらできていると思うので風通しもいいですし、言いたいことも投手陣で週1回ミーティングがあるのでそこでも言えます。3年生に意見が言いやすい環境にしてもらっている印象があります。

――投手リーダーの上條哲聖選手(商3=東京・早実)はどのような印象ですか

早川 自分も立ち位置的には上條さんと似ていて、各学年にリーダーと副リーダーが1人ずつ就いてやっているのですが、自分は上条さんと同様に各グループから離れて毎週違うグループに入って様子を見ています。上條さんは自分と気付くところが違うので、そういうところで見るところの細かさという点を感じます。

今西 早川も言ったのですが、上條さんは色々な事に気付くなど視野が広いのもあると思うのですが、後輩にも積極に話し掛けてきてくれて。さらに話も聞いてくれるという、話をしやすい関係をつくってくれる人であるなと感じます。

西垣 早川さんと上條さんが別枠というわけではないのですが、ローテーションのかたちで入ってもらっていて、二人がいるだけで空気が締まります。

――小藤翼副将(スポ3=東京・日大三)がアンケートを通して投手陣とコミュニケーションを図っていると伺ったのですが、その部分はいかがですか

早川 自分は(大学に)入ってきた当時から小藤さんとはコミュニケーションを取っているので、変わらずかなと感じます。特に変化したというよりは、いつも通りかなと感じています。

今西 自分も去年の秋からピッチングを受けてもらっていて、その時からコミュニケーションを取っているので、変わったという感じはないです。ただ、話やすい先輩の一人であるという感じはします。

西垣 自分は秋とかに岸本さんに受けてもらうことが多くて、(小藤選手とは)1年生と3年生という関係ではありましたが、うまく自分(の思っていること)を言えたというところがあるので、先輩捕手ではありますが、小藤さんにも自分のことをうまく伝えられたらなと思います。(練習で)冬はピッチングの課題をこなすという感じですが、春になるとどのように打者を抑えるかという課題に変わってくると思うので、そういうときに自分の思っていることを伝えられたらいい関係というか、いいバッテリーになれると思うので、思っていることを共有していこうと思っています。

――加藤雅樹主将(社3=東京・早実)の印象はいかがですか

早川 練習態度を見ていて、自分が率先して引っ張るぞという感じはものすごく見て取れるのですが、もう少し他の3年生に頼ってもいいのかなとは感じます。でも自分が引っ張って頑張ろうという気持ちは確かに分かりますし、主将としてチームを勝利に導きたい、良いチームにしていくぞという姿は見られます。上から(目線)な言い方になってしまいますが、主将には向いていると感じます。

今西 これまでは自分のプレーにこだわる感じがあったのですが、最近のノックでの声を聞いていると加藤さんの声が聞こえることが多くなったので、そういう面では明るくなったかなと感じます。

西垣 同じことにはなりますが、外野で投手陣がメニューをこなすことがあって、その時に加藤さんの声がよく聞こえてきます。単純なメニューをこなしているときにも加藤さんは引っ張っていこうと大きな声を出しているのですが、周りがまだ応えられていない部分が多少はあるかなと少しは思います。

――小宮山新監督からのご指導は何かありましたか

早川 ピッチングに関しては個々に言われているのですが、全体を通して言われているのが、まず投手のフィールディングの練習をしている時にファーストが(打球を)取ってからのベースカバーへの入り方や、試合に負ける時の要因である投手のエラーとかは教わりました。あと、「3球以内に追い込め」とか「強いボールを投げ込め」などは投手陣全体に言われています。

――個人へのアドバイスで新監督から指導を受けた点は

早川 小宮山監督が就任決定する前に一度指導に来てくれた時、「何でおまえの球で打たれるか分からない」と言われて、「ここをこうすれば打たれなくなるよ」と的確なアドバイスをしていただいて。それを始めてまだ1カ月たたないうちに行われたオータムリーグ(オータムフレッシュリーグin静岡)という1、2年生でやる試合でもバットに直球が当たらなくなり、(侍ジャパン大学大学日本代表候補)強化合宿の時もそれを実感できたので、これのことをおっしゃっていたんだなと。小宮山監督の言っていることが正しいというのが自分の中にあり、付いていこうという気持ちがとてもありますね。本当に細かいことになってしまうので難しいですが、そこを直して良くなった感じです。あと言われたのが、「24勝を目標にしろ」とノルマを課されています。「おまえはそれができなかったらエースとして呼べないから、その24勝を目標に頑張ってくれ」と言われたので、その小宮山監督の期待に応えられるようにやっていければと感じています。

――西垣選手はいかがですか

西垣 早川さんと一緒でとても細かいことを言われていて、「細かいことを使えば絶対に抑えられる」とも言われています。プロで勝ってきた小宮山さんの説得力がある言葉で、こうすれば絶対にいけるという明確な目標を出してもらっているので、すごくやる気になりますね。分かりやすい言葉で伝えてくれるので、教えてくれることは難しいですが、かみ砕いて伝えてくださるので分かりやすいです。

――昨年12月は『1カ月2000球』のノルマを課されていましたが、現在はそのような類いのノルマはありますか

早川 (練習における)ノルマは課されていないのですが、小宮山監督から頂いた『24勝』というノルマがあります。単純計算をして1シーズン6勝していかないと達成できないので。単純に1試合目と3試合目を投げ抜く力がないとできないので、自分の中で課しているのは連投できる強い体をつくっていくことです。1回(の練習)で投げる球数を多くして、連投を意識して投げるようにしています。

――それぞれ現在最も強化している部分は何でしょう

早川 自分は直球の状態も良くなって通用してきているので、それ以外の変化球の精度を課題にしてやっているのと、クイックでも速さはあるのですが間合いを取ることが苦手なので、投げる以外の面での技術を課題に今冬は取り組んでいます。

今西 この冬は、今までやってこなかったのですが、ウエイトトレーニングをして筋量を増やしていこうかなと考えていて、今は体重も増やして取り組んでいる最中です。

西垣 自分の第一の目標は直球の質やコントロール全ての底上げをすることです。変化球はそこそこの自信もありますし、今は鍛える時期ではないなと自分でも感じています。ウエイトトレーニングもしたいですが、直球を強くしていくために硬い体を柔らかくしたいので、時期は遅いですが、今までのフォームも全て壊すくらいの気持ちで新しいことに取り組んでいます。今の投球の状態は悪いというよりかは、よく分からなくなっていることもありますが、繰り返しやっていくことで良くなることもあるので、直球が良くなることを信じて今は頑張っています。

――来季、先発か中継ぎかの希望はありますか

早川 小宮山監督に言われたノルマがあるので、中継ぎで勝利数を稼ぐのは難しいですし、中継ぎで登板する前に試合が決まっている可能性もあるので、先発で勝ち星を自分で積み上げていかないと(24勝という)勝利数は厳しいです。先発でやっていきたい気持ちもありますし、小宮山さんに与えられた仕事をやらないといけないと感じています。

今西 小宮山さんには言われていないのですが、髙橋前監督(広、昭52教卒)から「(大学通算)20勝しなければ」と言われているので、早川のように先発していかないと勝ち星は挙げていけないです。でも、正直監督が決めることなので、早川と一緒で与えられたところでやるしかないと感じています。

西垣 自分はこの秋先発させてもらって、頭から投げて完投して勝ちたいという気持ちがあるので、最後は監督が決めることではありますが、先発として対応できるように最高の準備をして、オープン戦などで結果を残して、先発を任せられるような投手になりたいです。来季は先発希望です。

――最後に、これからへの意気込みと冬以降取り組んでいきたいことをお願いします

早川 野球以外で同年代のスポーツ選手が活躍しているのを見ると自分の情けなさを感じていて。水泳部に所属している池江毅隼さん(スポ3=東京・日大豊山)の妹さん(池江璃花子、ルネサンス)は、日本記録も何本も樹立していて世界でも戦っていて。他にも、陸上のサニブラウン(米フロリダ大)とかのように活躍している選手を見ると、何で自分はここにいるんだろうと情けなさを感じているので、自分もそのレベルにいきたいというモチベーションは現段階では高いです。この冬は徹底的に追い込んで、神の領域というか、そういう領域までいきたいです。

今西 今の加藤さんが主将になってからの下の3学年は優勝を知らない代になったので、優勝の感覚を味わいたいのと、投手陣としては小島さんが抜けた穴を埋めることができたら優勝に近づいてくると思いますね。自分がトレーニングをして結果を出していけば優勝は近づいてくると思うので、優勝できるようにやっていきたいです。

西垣 先ほどは直球を強くしたいと言ったのですが、フォームに関しては全然違うことに取り組んでいるのでどうなるか分からないです。正直自分は飽き性なところもあるので、少しでも一皮むけた自分になりたいなと。『NEW 西垣』になります!

――フォームは具体的にどのような感じにしたいのですか

西垣 ワインドアップをセットポジションにしているのが最も大きいと思うのですが、自分のフォームはカクカクしているんですよ。かっこいい投手の滑らかな体重移動をお手本にというわけではありませんが、自分の感覚では全然理想とフォームが違うので、見た目ではどうなるか分からないですがフォームを変えていきたいです。

――ありがとうございました!

(取材・編集 宇根加菜葉、大島悠希)


昨秋、リーグトップのチーム防御率に貢献した三人

◆早川隆久(はやかわ・たかひさ) (※写真左)

1998年(平10)7月6日生まれ。180センチ、74キロ。千葉・木更津総合高出身。スポーツ科学部2年。投手。左投左打。少し前まで時間があるときは読書をしていたという早川選手。アスリートの考え方に関する本や『嫌われる勇気』(著:岸見一郎、古賀史健)など、自己啓発書を中心に読んでいたそう。本で得た知識は、自身の投球にも良い影響を与えるはずです!

◆今西拓弥(いまにし・たくみ) (※写真右)

1998年(平10)6月22日生まれ。200センチ、95キロ。広島・広陵高出身。スポーツ科学部2年。投手。左投左打。今西選手が色紙に書いてくださった言葉は『改革』。今春は冬の『改革』の成果が表れ、さらに成長した姿を見せてくださるでしょう!

◆西垣雅矢(にしがき・まさや)

1999年(平11)6月21日生まれ。183センチ、82キロ。兵庫・報徳学園高出身。スポーツ科学部1年。投手。右投左打。先輩二人との対談にもかかわらず、話をリードする場面も見せてくれた西垣選手。1年生ながら活躍した要因が見えた気がします。今春は一皮むけた『NEW 西垣』を神宮のマウンドで見せてくれます!