5年ぶりの快挙だ! 大学日本一を決める日本学生氷上選手権が日光で開幕。ショートプログラム(SP)の結果では団体入賞が危ぶまれたが、フリースケーティング(FS)で1番滑走の佐上凌主将(商4=武蔵野)が流れをつくり、悲願の団体優勝を果たした。…

 5年ぶりの快挙だ! 大学日本一を決める日本学生氷上選手権が日光で開幕。ショートプログラム(SP)の結果では団体入賞が危ぶまれたが、フリースケーティング(FS)で1番滑走の佐上凌主将(商4=武蔵野)が流れをつくり、悲願の団体優勝を果たした。

◆1・6~7 第91回日本学生氷上選手権(日光霧降スケートアリーナ)

 主将の滑りが優勝を引き寄せた。SPでは思うような演技ができず涙を飲んだ佐上。「自分のできることをやるだけ」(佐上)と挑んだFSでは、全てのジャンプを着氷させる圧巻の演技を見せた。それに続いたのは「フリーは自信がある」と話していた鎌田英嗣(営4=獨協)。最後のコンビネーションジャンプがシングルループになったが、ほぼミスなくまとめ上げ会場を魅了した。そしてSPを6位で通過し、明大勢最後の滑走となった中野耀司(営3=横浜創英)。4年生の演技は見れなかったが、活躍を耳にし「やるしかない」と火がついた。冒頭のトリプルアクセル、ダブルトーループのコンビネーションジャンプを決めると軌道に乗り、その後のジャンプも次々と成功。終盤には何度もガッツポーズを見せ喜びをあらわに。実力者がひしめく第4グループで存在感のある滑りで圧倒。2位の同志社大に1点差で5年ぶりの総合優勝を果たした。

 黄金世代がついに引退を迎える。卒業後も競技続行を表明している鎌田英は「青春というかいい思い出になった、楽しかった」と明大スケート部での4年間を振り返った。「どんな状況でも応援してもらえる選手に一人でも多くなってほしい」(佐上)。主将の願いを受け継ぐ後輩たちが、新たな黄金世代を作り上げる。

[上代梨加]

試合後のコメント

佐上

――演技を振り返っていかがですか。

 「(滑走順が)1番でこれ以上下がることもなかったので、自分のできることをとりあえずやるだけだと思っていました。みんなに迷惑かけてばっかりなので、最後取り返せるのはここしかないと思ってやりました」

――団体優勝について。

 「昨日の結果からまさか優勝できるとは…。諦めてはいなかったんですけど、昨日の結果でもギリギリ3位だったのでそこからしたらもう満足です。これ以上求めるものは無いです」

鎌田英

――大学での部活を振り返っていかがですか。

 「明治大学の代表として試合というのがそういえば本当に今日が最後ですね。『明治大学、鎌田英嗣』というふうに呼んでいただけることがすごくうれしかったと思います」

――この先挑戦していきたいこと。

 「あと1年スケートをやるのでもちろん全日本に行くことは必須です。あとはケガが原因でできなかった、4回転の練習や長時間の練習をしっかりできるように体のケアをしてチャレンジの年にしたいと思います」

中野

――FSの心境はいかがでしたか。

 「4年生の演技は最初に2人いたので、見に行けなかったですが、4年生はいい演技をしていると聞いたので、これはやるしかないなと思って頑張りました」

――来年へ向けての意気込みをお願いします。

 「インカレの優勝はもちろんですが全日本に向けて4回転を習得して他のジャンプを固める、スピンはさらに磨きあげる、ステップはラストシーズンで1回でも4を取ることを目標に、滑り込んでいけたらと思います」