MLBでは今季、元阪神・呉昇桓(カージナルス)、元ソフトバンク・李大浩(マリナーズ)、朴炳鎬(ツインズ)、金賢洙(オリオールズ)と4人の韓国人選手がデビューを果たした。■元阪神の呉昇桓も大活躍、「周囲の期待を高めていった」 MLBでは今季、…

MLBでは今季、元阪神・呉昇桓(カージナルス)、元ソフトバンク・李大浩(マリナーズ)、朴炳鎬(ツインズ)、金賢洙(オリオールズ)と4人の韓国人選手がデビューを果たした。

■元阪神の呉昇桓も大活躍、「周囲の期待を高めていった」

 MLBでは今季、元阪神・呉昇桓(カージナルス)、元ソフトバンク・李大浩(マリナーズ)、朴炳鎬(ツインズ)、金賢洙(オリオールズ)と4人の韓国人選手がデビューを果たした。すでにプレーしていた秋信守(レンジャーズ)、姜正浩(パイレーツ)、そして怪我から復帰して1試合に先発した柳賢振(ドジャース)を含めて、米メディアからは「屈指のお買い得品」との評価もあったが、実際には明暗が分かれている。

 韓国紙「朝鮮日報」は、前半戦の韓国人メジャーリーガーのプレーを総括。「活躍する韓国人選手がいる一方で、不振に陥る選手も」とのタイトルで特集している。

 活躍組の筆頭格は、日本球界から海を渡った2人だろう。元阪神の呉昇桓はリーグ2位の45試合に登板し、2勝無敗2セーブ14ホールド、防御率1.59、WHIP(1イニングあたりのヒット+四死球)0.86と大活躍。守護神のローゼンタールが不調のため、前半戦終盤からはクローザーを任されている。

 記事では、「スライダーやチェンジアップで打者のバランスを崩す投球は周囲の期待を高めていった」と評価。セットアッパーとしてシーズンをスタートしながら、クローザーに昇格した事実にも触れている。

 元ソフトバンクの李大浩も、マイナー契約から開幕メジャーをつかみとり、チームに欠かせない存在となった。打率.288、12本塁打、37打点と活躍。勝負強い打撃を見せており、当初は左打ちのリンドとの併用が主だったが、レギュラー奪取も近そうだ。

「シアトル・マリナーズの李大浩は『シアトルに大きな衝撃を与えただけでなく、一挙に新人王候補に踊り出た』とMLB公式サイトは報じている。当初、李大浩が出場選手リスト入りを保証されていなかった事を考えると、これは重大な成果だ」

 記事でも、その活躍ぶりを特筆している。

■マイナー拒否の金賢洙も活躍、一方で朴炳鎬と姜正浩は「苦難の時」

 また、レンジャーズの秋信守については相変わらず負傷が目立つものの、復帰後は徐々に成績を上げてきており、「最近の成績が何かしらの兆候であれば、シーズン後半戦では調子を上げてきそうだ」と巻き返しに期待している。

 オープン戦の不振で開幕マイナー行きを通告されながら、拒否して話題となったオリオールズの金賢洙は、高打率を残して途中から定位置を奪取。特に出塁率.410は特筆すべき数字で、「朝鮮日報」も「MLB公式サイトはボルチモア・オリオールズの金賢洙を”出塁率兵器”として褒め称えた。控え選手として今シーズンをスタートさせたが、絶え間ない努力が実を結び成績が向上している」と称えている。

 一方で、完全に「暗」となったのは2人。韓国では2シーズン連続で50本塁打以上をマークして海を渡ったツインズの朴炳鎬は、メジャーでも開幕から柵越えを量産していたが、途中から当たりが止まった。対戦相手の研究が進んだことが理由なのか、打率は.191まで低迷。ついにマイナー降格となった。

 パイレーツ2年目を迎えた姜正浩も、負傷から復帰直後は打線の主軸として存在感を見せていたが、徐々に成績が低迷。打率.248で前半戦を終え、さらにグラウンド外での問題も報じられた。

「ミネソタ・ツインズの朴炳鎬とピッツバーグ・パイレーツの姜正浩は苦難の時を迎えている。朴炳鎬はスランプに陥り、マイナー降格。姜正浩は膝の怪我が長引いており、最近では性的暴行をしたとして非難されている」

 記事でも、このように厳しく指摘。どちらも、復活へは厳しい道のりが待ち受けていると言えそうだ。