「『笑ってはいけないシリーズ』、今年も面白かったですね(笑)」2018年12月31日の大みそか。「RIZIN.14」で劇的な一本勝ちで試合を締め括り初代RIZINバンタム級王者の座を手にした格闘家・堀口恭司。インタビューのたった数日前に、…

 「『笑ってはいけないシリーズ』、今年も面白かったですね(笑)」

2018年12月31日の大みそか。「RIZIN.14」で劇的な一本勝ちで試合を締め括り初代RIZINバンタム級王者の座を手にした格闘家・堀口恭司。

インタビューのたった数日前に、激闘を制した男の口からまさかの言葉が…。「あれ、それって自分の試合の裏番組では…」と言う聞き手の心理を察知したのか、すぐに「あ、録画で見ましたよ、さすがに(笑)」と笑いながら答えた。

 

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 堀口恭司の印象としては一言で表すと「謙虚な青年」。

格闘技が心底好きで、それを決して大きいとは言えない体全身で表現している格闘技少年と言う印象だったが、実際に会っても全く印象は変わらなかった。

2018年9月30日、埼玉スーパーアリーナで開催された「RAIZIN.13」では、2018年末にボクシング元5階級王者フロイド・メイウェザーとの対戦でも話題となった那須川天心とキックボクシングルールで対戦。惜しくも判定で敗れてしまったが、「堀口恭司」と言う名前を日本中にアピールするには十分な試合内容だった。

そして先日、2018年12月31日には「RAIZIN.14」で、ベラトール・バンタム級王者、ダリオン・コールドウェル(アメリカ)とRIZINバンタム級タイトルマッチ(初代王座決定戦)を戦い、勝利した。

 年末の激闘から数日経ったばかりの堀口恭司に、コールドウェル戦の振り返り、また2019年の豊富などを聞いた。

2018年12月31日、コールドウェル戦を振り返って

- 試合を決めた「ギロチン」は、最初からイメージしていたのですか?
堀口「試合前から狙っていました。以前に相手の選手が負けたのがギロチンだったので。一回だけそれで負けています。相手選手はギロチンをもらいやすいスタイルだなと、頭に入っていましたので」

- 相手は身長、リーチもあり堀口選手を寝技に持っていきたいと考えていたのでしょうか?
堀口「そうですね、相手はレスリングベースの寝技を得意とする選手で、自分は打撃が得意なので。自分は打撃でやりたかったという感じですね」

- 1Rから寝技に持ち込まれました。
堀口「ガンガン来ましたね。相手は1Rで仕留めたかったんだと思います。多分、相手はスタミナが無いタイプだったので。レスラーって全身使ってガッチリ来るんで、疲れるんですよ。自分の作戦としては、スタミナ削って、削って、最後に決めよう、と思っていました。そしたら、相手は最初のラウンドで全部使って来ましたよね」

- 相手は寝技に持ち込みたい、と言う中で堀口選手の前蹴りが決まりました。堀口選手よりかなり身長も高く、リーチも長い選手の懐に飛び込むのは怖くなかったですか?
堀口「自分は元々伝統派空手出身なので、飛び込む技が得意、と言うか普通なんです。怖いと言う事は無いです。自分の技を出しただけです。スピードでカバーできるし、相手が反応できていなかったので」

- 最後のギロチンの場面をもう一度振り返ってください。
堀口「あれ、ここに首があったら獲れるぞ、って(笑)。気付かれないよ~うに、そっと準備して…(笑)。多分、相手はあの時点で疲れていたんですよね。バテていて、ここで決めないと、と思いました」

堀口「でも、ハッキリ言って、ギロチンは狙っていました。レスラーって入りやすいんですよ。身体全身で抑えに来るので、首が空いてしまう」

UFCチャンピオンに負けて「こりゃ、寝技できなきゃダメだな」

- どの選手も得意、不得意がありますよね。
堀口「そうですね。自分は日本にいた時は寝技が全然ダメだったんです。空手ベースで、打撃中心。その時にUFCへ行ってチャンピオンに負けた。こりゃ、寝技できなきゃダメだな、と思ってアメリカに渡ってトレーニングして、寝技ができるようになりました。それで今回の試合も (攻撃の)選択肢ができて勝てたんです。元々の打撃だけじゃ勝てなかったと思います」

- アメリカへ行って得たもの、日本と環境が違うところは?
堀口「アメリカではコーチ達が『勝つ』と言う事に対して、『チームとして勝つ』と言う姿勢、スタイルが印象的です。日本だとファイターだけ戦わせると言う感じだけど、アメリカだとチームで勝ちに行く、と言うのが印象的です。F1で言うと、ゴールして技術の人とかみんなガッツポーズしているような、そんなイメージですかね」

空手少年から今の堀口恭司ができるまで

- 最初はどんな格闘技から始めたんでしたっけ?
堀口「自分は5歳から空手を始めました。高校まで空手をやって、大学に進学か就職かとなった時に、山本KIDさんのクレイジービーというジムに入りました。18~25歳くらいまで7年間くらいやっていました」

- 普段はどのようなトレーニングをしていますか?
堀口「朝はまず走る。帰ってきて朝ごはんを食べて、少し休んでから朝の練習をします。日によって違うんですけど、大体は打撃練習をして昼食。その後、夜は寝技をやって、という感じですかね。一日だいたい三部練習しています」

- 素人質問と言うか、そもそも論なのですが、試合が怖いとか思うのでしょうか?
堀口「う~ん、戦うにあたっては大体のパターンが読めているので、怖いと思ったことはないです。こうしたらこう来るな、というのを予想して、頭で作っているので」

- メンタルの整え方を教えてください。
堀口「自分がいつも通り、練習している時のような気持ちで。とにかく練習通り、と言う事を心がけます。何で緊張するの?いつもと舞台が違うだけだよ、と自分に言い聞かせています」

「対戦相手が決まった時点で、その対策練習を反復してやります。そして、もともと持っている自分の「良い所」をどうやって生かすかを考えてトレーニングをします」

※健康、ダイエット、運動等の方法、メソッドに関しては、あくまでも取材対象者の個人的な意見、ノウハウで、必ず効果がある事を保証するものではありません。

[文/構成:ココカラネクスト編集部]