写真:石川佳純(全農)/森田直樹 アフロスポーツ

10月のTリーグ開幕以降、卓球トップアスリートのスケジュールが過密となっている。

東京五輪への出場権は、2020年1月の世界ランキング上位2名に加え、協会推薦により1名が選出される。そのため東京五輪を目指す代表選手たちにはワールド・ツアーを中心とした国際大会で結果を残すことが求められる。そのうえで短期間で全国各地に移動しながら試合を行うTリーグへの出場は、時間的拘束も大きく、全試合にベストコンディションで臨むのは難しいだろう。

一方で選手たちは、一様に前向きなコメントを残す。木下マイスター東京からTリーグに参戦している水谷隼が「もちろんTリーグは厳しい試合の連続だが、試合をしながら自分の調子を知ることもできるし、プレーや用具を進化させられる」と話せば13勝でリーグトップの成績を残す張本智和は「元々試合の少なかった時期に強い選手と沢山試合が出来るので1試合1試合強くなっている実感がある」と話す。

女子では木下アビエル神奈川からTリーグに参戦した石川佳純が当初は出場試合数を絞るとの見方もあったが、リーグトップの11勝を挙げチームの首位に大きく貢献している。

「タイトなスケジュールですが、強い相手と試合を出来るのがプラス。見に来ていただいたお客さんへの責任として、しっかり準備をして臨んでいる。練習していることが試合で出せるし、課題も見つかるTリーグでプレーできるのがうれしい。」(石川佳純)とプロ意識の高さをのぞかせると、石川が所属する全農広報部長の落合成年氏も「石川選手が強くなるためであれば、あらゆる応援を惜しまない。12月はグランドファイナルの好調をTリーグでも維持しているように見える。2019年は日本の卓球にとって大切な年となると認識している。世界選手権等主要な国際大会では全農の海外ネットワークを使って、ナショナルチームへの食生活支援を強化拡大する予定」とコメントする。

卓球は大会に向けて練習で調子を上げるタイプの選手と、試合が連続している方がパフォーマンスを発揮しやすい選手がいる。繊細な打球感覚が求められる競技性からして、試合勘を保つのにTリーグが一役を買っているとも言えそうだ。

一方で、1月の全日本選手権が終わると、2月には約3日~4日に1回はTリーグの試合があるタイトなスケジュールが待っている。

東京五輪前年という大事な時期だけに、コンディションや国際大会とのバランスを見ながら、Tリーグで試合経験を積んで技に磨きをかけていく。多くの卓球アスリートにとって2019年はそんな1年となりそうだ。

文:川嶋弘文(ラリーズ編集長)