「2018年シーズン10大注目ポイント」の答え合わせ(1) 2018年1月、『Sportiva』は今シーズンの10大…
「2018年シーズン10大注目ポイント」の答え合わせ(1)
2018年1月、『Sportiva』は今シーズンの10大注目ポイントを紹介した。はたして、その注目ポイントは実際にどのような結果となったのか――。答え合わせをしながら、2018年を振り返ってみよう。
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マックス・フェルスタッペンはドライバーズランキング4位に終わった
(1)フェルスタッペンが史上最年少で戴冠なるか? → 【結果】×
レッドブルが2017年シーズン後半戦に勢いを増し、三つ巴の戦いが増えたことを受けて、2018年はさらにその様相が激化するのではないかと予想した。
実際、シーズン前半戦はそのとおりとなり、メルセデスAMG=5勝、フェラーリ=4勝、レッドブル=3勝という大混戦になった。しかし後半戦は、メルセデスAMG=6勝、フェラーリ=2勝、レッドブル=1勝とメルセデスAMGが独走し、ルイス・ハミルトンとのダブルタイトル獲得に終わった。
とはいうものの、後半戦は実質的な速さでいうと、メルセデスAMGは3戦、フェラーリは1戦(ベルギー)、レッドブルは3戦(アメリカ、メキシコ、ブラジル)で最速の存在で、勝利を挙げていてもおかしくなかった。また、イタリアとロシアはメルセデスAMGとフェラーリの接戦で、フェラーリが勝っていてもおかしくなかった。
ドイツGP以降は、メルセデスAMGがタイヤマネジメントや戦略などのチーム総力戦で、破竹の11戦8勝を挙げた。ただ、マシンパッケージの純粋な速さという点では、3強はかなり拮抗していた。メルセデスAMGは「最速」ではなくとも「最強」だった。それが、2018年のシーズン後半戦だ。
そんななかでマックス・フェルスタッペンの成長を予想し、21歳での史上最年少チャンピオン記録更新を期待した。だが、シーズン前半戦の中国やモナコで自滅によって勝利のチャンスを逃したり、何度もトラブルに見舞われてレースを失ったり、ルノー製パワーユニットの開発が計画どおりに進まなかったことで、タイトル争いからは脱落してしまった。
それでも、オーストリアGPで優勝を飾ってからのシーズン中盤戦以降は、僚友ダニエル・リカルドを速さで圧倒し、タイヤマネジメントでも抜群の腕前を見せるなど、何度も優勝争いに絡む強さを見せた。ブラジルGPでは周回遅れのエステバン・オコン(フォースインディア)に対して熱くなり過ぎ、王者ハミルトンにたしなめられるなど未成熟な部分も露呈してしまったが、裏を返せば、あとわずかな成長で最強・最速のドライバーへと進化する可能性を見せつけたとも言えた。
(2)さらに差が縮まった中団グループの勢力図は? → 【結果】○
中団グループのさらなる混戦を予想したが、これは実際にそのとおりとなった。0.7秒ほどの間に5、6チームのマシンがひしめくのは当たり前で、サーキットごとに勢力図の中団トップのチームが入れ替わる大混戦になった。
ワークス復帰3年目のルノーの躍進を予想したが、実際に彼らは中団トップのランキング4位という結果を手にした。
また、小さな所帯で戦うハースの真価が問われるとしたが、その予想以上に高いパフォーマンスを発揮した。ドライバーふたりが安定感を欠き、取りこぼしが多かったがためにランキング5位、フォースインディアが体制移行により前半戦のポイントを剥奪されたのを勘案すれば、実質ランキング6位ではあったが、マシンのパフォーマンスは中団トップクラスだった。
中団グループのトップになった回数は、ルノー=7回、フォースインディア=5回、ハース=3回。しかし、マシンの純粋な速さではハース=10回、フォースインディア=6回、ルノー=2回。つまりルノーは、3強争いにおけるメルセデスAMGと同じようにチーム力で結果を手繰り寄せており、中団グループで「最速」ではなかったが「最強」だったということだ。
(3)マクラーレン・ルノーは本当に勝てるのか? →【結果】○
「ルノーにスイッチすれば勝てる」と豪語したマクラーレンだが、勝てないだろうという予想はそのとおりになった。
予算縮小のためマシン開発は十分に行なえず、スペインGPでBスペックという位置づけの新型ノーズを含むアップデートを投入したものの、開発の方向性は迷走した。シーズン後半戦はその新型ノーズの整流フィンを外したり、薄いフロントフラップを使ったりと、ドラッグ削減に活路を見出そうとするしかなかった。
「同じパワーユニットを搭載するレッドブルが表彰台争いをしているのだから、我々も表彰台が狙える」と豪語していたが、実際には大きな差をつけられた。車体の性能差が白日の下に晒(さら)されてしまった形だ。
中団グループのなかで、マクラーレンが純粋なマシンの速さでトップに立ったことは一度もなかった。それでも、開幕戦オーストラリアGPとシンガポールGPでは中団トップの結果を残したように、レース戦略とフェルナンド・アロンソの腕は確かだった。
コンストラクターズランキング6位(実質7位)という結果は、マシンの実力を大きく上回るもので、ハースやトロロッソが取りこぼしたポイントを着実に積み重ねたチーム力があったからこそ。その点は、予想をいい意味で裏切ってくれたことになる。
しかし、2019年に向けてはドライバーラインナップが新加入の若手コンビ(カルロス・サインツ、ランド・ノリス)になり、獲得しようとしたジェームス・キーは実働開始が遅れ、チームスタッフもかなり引き抜かれている。今季の開幕前に比べれば、この1年でさらに厳しい状況になってしまったと言わざるを得ないだろう。