Tリーグのオフィシャルパートナーに就任したノジマ。野島廣司代表執行役社長へのインタビュー後編。自身も卓球選手だったという野島氏は今後のTリーグをどのように見据えるのか。話を聞くと、“アイディアマン”野島氏から、意外な構想が飛び出した。――前…

Tリーグのオフィシャルパートナーに就任したノジマ。野島廣司代表執行役社長へのインタビュー後編。自身も卓球選手だったという野島氏は今後のTリーグをどのように見据えるのか。話を聞くと、“アイディアマン”野島氏から、意外な構想が飛び出した。

――前回は経営と卓球の話がでました。経営と卓球でつながりがあるとすれば?

野島廣司(以下、野島):難しい質問ですね(笑)。卓球はずるいスポーツ、セコいスポーツと言われる事もありますが、それだけ戦略性が重要な競技です。 ノジマで言えば「相手と違うことをする」ことですかね。技術と努力がありながら、相手の反応、つまり社会やお客さんの反応を見ながら変えていくようにしています。

――具体的にTリーグで「反応を見ながら」変えていくとすればどのあたりでしょうか?



野島:これは明確に1つある。世界中のプロ卓球リーグで個人戦がないのが驚きでした。だからTリーグのオフシーズンには個人戦のトーナメントを開催したらどうかと提案しています。1日3,4試合でトーナメント形式にして、卓球の技術だけじゃなくて、体力と集中力も試される。64人のエントリーなら6試合で決まる。3ゲームマッチルールにして短時間で決着がつくようにすれば、大どんでん返しも生まれるかもしれない。別日に予選もやれば、128人の大トーナメントが組める。優勝賞金を500万円にして、Tリーガーだけじゃなくて世界中から有名選手を集めた「最高の個人戦」を日本で開きたいと本気で思っています。

――それは面白そうですね。次々とアイディアが生まれるのはノジマさんご自身も卓球選手だったからだと思います。Tリーグをご覧になっていかがでしょうか?

野島:実はTリーグを見ていて、トレーニング方法を思いついちゃった。やっぱり台から離されて打っていると勝てない。前陣のスピードが勝負を決めるのかな、って思った。だから練習の時、テーブルから体を逃げられないように床と体を紐で結んで前陣に張り付かせる。そうやって逃げられないようにしちゃおう、と(笑)。

――もしその方法で強くなったらノジマさんの手柄ですね(笑)。ちなみにノジマさんはどんな卓球選手だったのですか?



野島:ペンホルダーでしたよ。卓球を始めたのは小学校の頃でした。メインは剣道部で休みの時に卓球台で打つ程度でした。でも中学に上がった時に、八王子で2位の人より僕の方が卓球が上手かった。それで高校は中央大学附属に進んだんだけど、卓球部の先輩がやってきて「卓球部入れ」と。「卓球部は坊主にならなくていいぞ」っていう言葉が魅力的だったんですよ。それにつられて入部したら「秋の新人戦で負けたら坊主な」って言われて。そしたら結局負けちゃって、坊主(笑)。それでも楽しかったなぁ。好きな選手は荻村伊智朗。あの当時荻村さんは超有名選手でしたからね。

――今の選手はどうご覧になりますか?

野島:張本(智和)くんはすごいね…。うちの女房も「チョレイ!」って印象に残ってるみたい。やっぱり試合を生で見ると卓球の面白さは伝わるよ。まずは会場に足を運んでみてほしい、と思っています。

取材・文:武田鼎(Rallys編集部)
写真:保田敬介