プロ野球ファンにとって、待ち遠しい2016のオールスターが、7月15、16日で開催される。今回は夢のオールスターだからこそ起きた珍しい出来事を紹介する。1.新庄剛志のホームスチール球史に残るお祭り男といえば真っ先に名前が挙がる新庄氏。200…

プロ野球ファンにとって、待ち遠しい2016のオールスターが、7月15、16日で開催される。

今回は夢のオールスターだからこそ起きた珍しい出来事を紹介する。

1.新庄剛志のホームスチール

球史に残るお祭り男といえば真っ先に名前が挙がる新庄氏。

2004年当時、新庄氏は日本ハムに在籍しており、シーズン前半戦最終試合のヒーローインタビューで「MVPは僕のもの」とオールスターでMVPをとることを宣言した。

そしてこれが現実となった。7月11日に行われた、オールスター第2戦。3回裏二死満塁の場面で、三塁走者の新庄氏は、捕手が投手に返球した瞬間にスタートを切り、本塁にヘッドスライディング。投手からすぐさま返球され、クロスプレーになり,結果はセーフ。

オールスター史上初となる、単独本盗を記録した。

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2.プロでコールド試合?

2007年7月21日に行われた、オールスター第2戦では、サッカーのアジア選手権が開催されていたこともあり、52年ぶりとなるデーゲームの開催となった。

この日はあいにくの悪天候ということもあったため、8回途中で打ち切りとなり、結果は11対5でセリーグが勝利した。

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3.ホームランが出ない、華のないオールスター

史上最も華がなかったのが、2013年に行われたオールスターだ。このシーズンは「飛ぶ統一球」と言われたボールを使用し、ヤクルトのバレンティン選手が、王貞治氏の記録を抜き、シーズン本塁打記録を樹立した年でもある。

そのような状況の中、オールスターではホームランが生まれず、試合結果も引き分けがあるなど、ロースコアの渋い戦いとなった。

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4.未だに破られない最多客数、1951年の48761人

48761人。これはオールスター史上最多の観客数である。

この記録は2000年代に入ってからのものではなく、1951年に行われた第1回大会の時のものである。近年どの球場も、球団の努力もあり、非常に盛り上がりを見せている。

この記録が破られるのも、時間の問題かもしれない。

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5.イチローの投手登板

2015年メジャーでもイチローの投手登板が話題になっていたが、それよりも前に日本で登板していたこともオールスターならでは。

1996年のオールスター第2戦、9回裏二死の場面でオールセントラルの松井秀喜氏(当時巨人)が打席に立った際に、当時オールパシフィックの監督だった仰木彬監督が、ファンサービスの観点から、ライトを守っていたイチロー(当時オリックス・ブルーウェーブ)を登板させた。

しかしここで、パシフィックの野村克也監督は、松井に代打。投手高津臣吾を送り、投手イチロー対打者松井の対決は幻となった。

この選手起用の妙には、仰木監督と、野村監督の哲学や、松井、イチローらのプロとしての矜持も垣間見え、ファンにとっても賛否のある歴史的名シーンとなった。

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6.逆転サヨナラを放った男

1974年の第1戦、パリーグは9回の裏2点差の場面で、当時阪急に所属していた高井保弘氏が代打で登場。

すると、松岡弘氏(当時ヤクルトスワローズ)の投じたボールを、見事に読み、左中間スタンドに逆転サヨナラとなる一打を放った。まさに代打男と言われたパフォーマンスであった。

高井氏のオールスター選出はこの年のみで、記憶にも記録にも残る、オールスター唯一の逆転サヨナラ打を放った選手となった。

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7.足で選ばれた男

記憶に新しい2015年のオールスターで、鈴木尚広選手が監督推薦で、選出された。

プロ19年目での初選出は、川藤幸三氏と並ぶ、最遅記録で、ピンチランナーを主な役割とする選手が、出場するのはオールスターに残る偉業と言える。鈴木選手は、2試合で2盗を決め、ホームベースを踏む活躍を見せた。

普段足のスペシャリストで活躍している、鈴木選手が選出されたことは選手、そしてファンを勇気づけることとなった。

《次ページ 江夏の9者連続三振》

8.江夏の9者連続三振

奪三振が代名詞の江夏豊氏(当時阪神)は、1971年のシーズンで、防御率3.12で6勝9敗と負け越しており「今年はコントロールが悪い」と自身の投球に不満を漏らしていた。

そんな中、江夏氏は9連続奪三振を宣言。この宣言は誰しもが耳を疑うものだったが、この年のオールスター第1戦で、9者奪三振を達成。この記録は今でも破られておらず、この試合では継投によるノーヒットノーランも達成した。

《次ページ 大谷翔平が投げた162キロ》

9.大谷翔平が投げた162キロ

大谷翔平選手は、2014年のオールスターで、関根潤三氏以来の、史上2人目となる、投手・野手両方での選出となった。

この記録だけでも十分凄いが、第1戦で投手として投げたボールが162キロをマーク。この球速は、オールスター史上最速で、公式戦も入れると、マーク・クルーン氏以来、史上2人目のタイ記録となった。

この試合で、大谷は1イニングを投げ、全23球のうち、12球で160キロ以上をマークした。

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10.同一球団最多ファン投票

2003年、この年は阪神タイガースがリーグ優勝を果たした年だが、その事実を裏付けるかのように、この年のオールスターで、同一球団最多ファン投票が、行われたのだ。

本拠地甲子園での開催が、行われないにもかかわらず、阪神から、9人もの選手が選出された。濱中治氏は怪我で辞退となったが、もし出表していれば、DH以外、阪神の選手で打線を組むことができたのである。この数値は阪神ファンの多さを物語っている。

2016年のオールスターは、歴史に残るプレーがいくつ見られるのだろうか。

イチロー 参考画像(2016年7月4日)(c) Getty Images

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マツダオールスターゲーム、AbemaTVが無料生中継(c) AbemaTV

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甲子園球場撮影者:大日方航

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