*写真:吉村和弘(岡山リベッツ)/©T.LEAGUE<ノジマTリーグ2018-2019シーズン 12月27日(木) 岡山武道館>12月27日、Tリーグ今年最後の試合は9勝3敗で首位を独走している木下マイスター東京と、そのKM東京に初めて土を…

*写真:吉村和弘(岡山リベッツ)/©T.LEAGUE

<ノジマTリーグ2018-2019シーズン 12月27日(木) 岡山武道館>

12月27日、Tリーグ今年最後の試合は9勝3敗で首位を独走している木下マイスター東京と、そのKM東京に初めて土をつけた岡山リベッツの対戦になった。

試合は1番手のダブルスで上田、森薗ペアが勝利し、勢いをつけるも、KM東京の2枚看板である張本、水谷が白星を挙げる。マッチカウント1-2で追い詰められた岡山はKM東京に金星を飾った際にも活躍した吉村和弘を起用。4番手で松平健太に、そしてヴィクトリーマッチでは張本に勝利し、年内最後のTリーグを最高の形で締めくくった。

岡山リベッツ vs KM東京 各マッチの解説

1番:上田仁/森薗政崇 2-0 水谷隼/大島祐哉

ホームの岡山は上田仁/森薗政崇ペアが登場。昨年度の全日本選手権で優勝している水谷隼と大島祐哉ペアが登場した。

ラリーで安定感を発揮した岡山が5-1から5-5まで点差を詰め、そこからはシーソーゲームの様相に。森薗のミスの少ないチキータと上田の多彩な台上技術で僅かなチャンスを掴みこのゲームを奪取した。

第2ゲーム、熾烈なラリー戦が展開されるも上田がエッジボールでラッキーな得点。岡山ペアが3-0としたところでKM東京はタイムアウトを申請した。両ペアとも台から離れ、ラリーを引き合うタイプであるが、真っ向勝負を制した上田/森薗ペアがゲームを連取し大事なダブルスを制した。

2番:イムジョンフン 0-3 張本智和

第2マッチ、岡山は韓国の左腕エース・イムジョンフンが起用された。対するはKM東京のエースである張本智和だ。張本は前回のTリーグ・琉球アスティーダ戦で陳建安に敗れており、「今日は絶対に勝つ」と意気込んでいることもあり、かなり気合が入っている様子。イムは張本を止められず、あっさりと第1ゲームを献上してしまった。

第2ゲーム、張本の3球目攻撃が高い確率で決まり、イムは中々突破口を見いだせない。張本は一気に7-0まで引き離す。張本に前半離されると追いつくことは困難を極める。このまま逃げ切った張本がこのゲームを取り、勝利に王手をかける。

第3ゲーム、このままでは終われないイムもフォア前にサーブを集め、なんとかしてチキータを封じようとする。イムらしいパワフルな両ハンドが随所に炸裂し、リードを広げる。

張本のサーブに対応できず、イムリードの9-8でタイムアウトを申請するも、勝負はデュース戦に突入。最後は不運なネットインで張本に軍配が上がった。この試合は張本の「弾道の低い、回転のかかった」サーブの強さが光っていた。

3番:上田仁 0-3 水谷隼

運命の第3マッチ、岡山は上田仁、KM東京は水谷隼が登場。両チームのキャプテン対決となった。前回、両者は12/8の岡山のホーム戦、4番手で対戦し、その際にはフルゲームで水谷が勝利している。

第1ゲーム、試合巧者同士の対決であるが、上田のリスキーなストレート攻撃が炸裂し、点差を広げる。対する水谷は上田リードの9-7でロングサーブを連続で使用し、勝負をかける。その後水谷が逆転勝ちでこのゲームを奪った。

第2ゲーム、水谷が一気にギアを上げてくる。上田のサーブを台上でドライブするなど、序盤上田を引き離す。しかし上田もじわじわと点差を詰めて、水谷リードの9-8、KM東京がタイムアウト。直後のポイントは上田が取り、ゲームポイントも握るも、最後は水谷が上田の読みを外すサーブを出し、このゲームを接戦で取った。

第3ゲーム、水谷がフォア前を意識させるようなサーブを多用してきたことが功を奏してきた。上田のバックへのロングサーブが効果を発揮し、上田に思ったようなレシーブをさせない。攻めさせて、カウンターという展開を徹底した策士・水谷が最後は大差で主将対決を勝ち取った。

4番:吉村和弘 3-1 松平健太

追い込まれた岡山、最後の砦となるのは吉村和弘。対するはKM東京の二枚目、松平健太だ。第1ゲーム、松平がラリーで粘りを見せ、珍しい10-0という展開に。松平がマナーとして1点を献上すると吉村が5連続ポイントで流れを作る。最後は松平がこのゲームを取るも、吉村もエンジンがかかってきた。

第2ゲーム、吉村の両ハンドが火を吹いた。松平は一方的に攻められ、守る展開に。勢いに乗る吉村が攻めきり、このゲームを取り返した。第3ゲームも引き続き吉村のペース。バックハンドのストレート攻撃を上手く使い、松平に思い切った攻撃をさせず、このゲームをものにした。

第4ゲーム、吉村をなんとしても崩したい松平は吉村の得意なバック前ではなく、フォア前にレシーブを集めようとする。互いに2点差以上を離さない接戦になるも、最後はやはり吉村のバックハンドが炸裂し、マッチカウントを2-2とした。

5番:吉村和弘 1-0 張本智和

年内最後の男子Tリーグは延長戦にもつれる大接戦に。岡山は4番手で白星を挙げた吉村和弘。対するはKM東京を初めて破った時と同じ、張本智和だ。会場のボルテージはマックス。1ポイント1ポイントに大歓声が送られる。

吉村が好調のバックハンドでストレートコースを狙い、張本に全く攻撃をさせない。4-1と吉村リードでKM東京が流れを切るべくタイムアウト。張本の強烈なカウンターに対して真っ向勝負を挑む吉村。はっきり言ってもう手の打ちようがない張本、思わず笑みが漏れる。

誰か止めて…強すぎる吉村和弘に注目!

そしてマッチポイント、吉村はミスを誘い、前回の勝利でも見せた「和弘ポーズ」で喜びを表現した。

吉村はヒーローインタビューでは「観客の皆様の応援があったので勝てました。4番で緊張しましたが、0-10から吹っ切れたのが良かった」とコメントし、ファンへの感謝を伝えた。

12/27 岡山 3-2 KM東京

◯上田仁/森薗政崇 2-0 水谷隼/大島祐哉
11-8/11-7

イムジョンフン 0-3 ◯張本智和
4-11/4-11/10-12

上田仁 0-3 ◯水谷隼
9-11/10-12/5-11

◯吉村和弘 3-1 松平健太
6-11/11-6/11-5/11-8

◯吉村和弘 1-0 張本智和
11-5

文:ラリーズ編集部