写真:©T.LEAGUE<Tプレミアリーグ2018/19シーズン 12月26日(水)高砂市総合体育館>26日、ノジマTリーグ、木下アビエル神奈川(KA神奈川)がトップおとめピンポンズ名古屋(トップ名古屋)を4−0で下し、首位をキープ。2位の…

写真:©T.LEAGUE

<Tプレミアリーグ2018/19シーズン 12月26日(水)高砂市総合体育館>

26日、ノジマTリーグ、木下アビエル神奈川(KA神奈川)がトップおとめピンポンズ名古屋(トップ名古屋)を4−0で下し、首位をキープ。2位の日本生命レッドエルフとの勝ち点差を6に広げた。

木下アビエル神奈川キャプテンの石川佳純は試合後に「ダブルスが勝っていい形で回してくれた。長﨑美柚ちゃんがエースの鄭さんに勝ち、袁ちゃんも最後に勝ってくれた。(27日の)2018年最後の試合でも勝って締めくくりたい」と勝利者インタビューを締めくくった。

各マッチの詳細は以下の通り。

1番:長﨑美柚/木原美悠 2-0 チョンジヒ/鄭怡静

ダブルスを制したチームが有利と言われるTリーグの団体戦方式において、KA神奈川は16歳の長崎と14歳の木原のJOCエリートアカデミーペアが、前節23日の日本ペイントマレッツ戦に続き2試合連続のダブルスストレート勝ち。21歳以下世界ランクで3位と4位に位置する若手のホープが、世界ランク8位の鄭怡静(台湾)と16位のチョンジヒ(韓国)という円熟味を帯びた強豪選手同士のペアに物怖じせずに攻撃的なプレーで向かっていった。

1月の全日本選手権にもエントリーしている長崎・木原ペアは、長崎の逆チキータなどのバックハンドでの多彩なレシーブと、木原の巻き込みサーブで主導権を握り、終始トップ名古屋ペアに仕事をさせなかった。石川と袁のシングルスでポイントが計算できる布陣なだけに、ダブルスを取れると勝利に大きく近づく。

長崎の必殺「逆チキータ」を見よ(ダイジェスト動画より)

2番:石川佳純 3-0 森薗美咲


ダブルスのいい流れを受け継いだ石川佳純が、同級生の森薗美咲を圧倒した。石川は、相手に待ち時間を与えない低めのトスから、多彩なサーブを繰り出す。的を絞れずにレシーブが甘くなってしまう森薗に対し、石川は厳しいコースへの強打で得点を重ねる。特にスピードの早いロングサーブを意識させておいてからハーフロングサーブで森薗のレシーブを狂わせ、チャンスボールを強打して決める展開が多く見られた。

森薗もラリーに持ち込み主導権を握れる展開もあったが、逆に石川はチキータなどの攻撃的なレシーブから決定打に持ち込むコンビネーションにより、短いラリーで決める戦術を多用し、終始森薗を圧倒した。

3番:長﨑美柚 3-2 鄭怡静


ダブルスに続く対戦となった両者。経験や実績は世界ランク8位の鄭怡静(チェン・イーチン)が上回るが、21歳以下の世界ランク4位の長崎にはパワーと勢いがある。

1ゲーム目から積極的に攻めたい長崎に対し、鄭は長崎のボールの威力を利用したカウンターブロックで得点を重ね、1ゲーム目を11-4で取る。ただ当てるだけではなく、インパクトの瞬間に回転の変化を加えることで長崎の手元を狂わせるブロック技術は世界トップクラスだ。鄭のスキの無いプレーに会場も盛り上がりを見せる。

鄭は2ゲーム目も勢いそのままに4-1でリードすると、KA神奈川ベンチがたまらずタイムアウト。

勝負の分かれ目はこの第2ゲームだった。

タイムアウト後から、より緩急のついたプレーを織り交ぜるようになった長崎は徐々にサーブからの得点率が上がっていく。一時は2-8と広げられたリードも5-9まで追い上げると、6-10の大ピンチの場面でも思い切りの良いチキータで7–10とすると、やや受け身になった鄭をじわじわ追い上げ、9-10で鄭がたまらずタイムアウト。長崎は相手の読みを外す台の中央付近から出すサーブで鄭を崩すとネット際に浮いた甘いレシーブをフォアハンドで強打。遂に鄭に追いつくと、最後は得意のバックハンドでラリーを制し、12-10でこのゲームを奪った。

その後1ゲームずつ取り合って迎えた最終第5ゲームはTリーグ特別ルールにより6-6からのスタート。長崎のサーブからはじまったこのゲームは、長崎が台の中央付近から出す変化サーブからのバックハンド攻撃で先取すると、鄭も長崎のネットインした難しいボールを強打するなど、ハイレベルなプレーを見せる。競った場面でも物怖じしない長崎は、鄭のサーブのコースを読み、思い切りのいいチキータで得点すると、そのままゲームの流れをつかみ、7-6から4本連取で一気に勝負を決め、同時にチームの通算10勝目を決めた。

試合の中で世界トップランカーを相手に経験を積みながら成長しているように見えた長崎。これこそがTリーグが国内に発足した意義であろう。

4番:袁雪嬌 3-2 ソヒョウォン


チームとしての勝敗が決した後だったが、中国超級リーグで活躍する袁と韓国選手権で優勝したソはハイレベルな好ゲームを展開した。ソの変化のついたカットに対し、袁が緩急のついたフォアハンドドライブとツッツキでソを前後に揺さぶりをかける。ソは打球点の高い攻撃的なカットと、要所に攻撃を織り交ぜるプレーで1ゲーム目をデュースで取る。

袁は大事な場面でカットのしにくいミドルを攻める戦術で第2、第3ゲームを取り返し、第4ゲームも10ー7でリードし、マッチポイントを握る。しかしここからソも粘りを見せる。回転量の多いバックサーブからのフォアハンド攻撃で10−10まで追いつくと、鋭いカットがネットインし逆転に成功。最後はチャンスを見逃さずにフォアハンドで攻めてこのゲームを制した。

ソのサーブからはじまった第5ゲームは、袁がソに攻めさせないようバックサイドを切る厳しいコースへのレシーブを見せて先制すると、ソも回転の変化をつけたカットで粘る。一進一退の攻防が続いて好ゲームはソが10−9とマッチポイントを握る。追い込まれた袁は、それまでのミドルへの攻めから一転、バック側への強打で10−10に追いつくと、ソの甘くなったサーブを見逃さずに強打し、11−10とマッチポイントを握る。最後はソを前後左右に揺さぶった後、フォアへの強打が決まり、袁が勝利。Tリーグ女子シングルス単独トップとなる10勝目を挙げた。

12/26 木下アビエル神奈川 4-0 トップおとめピンポンズ名古屋

◯長﨑 美柚/木原 美悠 2-0 チョン ジヒ/鄭 怡静

11-4/11-8

◯石川 佳純 3-0 森薗 美咲

11-5/11-5/11-8

◯長﨑 美柚 3-2 鄭 怡静

4-11/12-10/9-11/11-9/11-7

◯袁 雪嬌 3-2 ソ ヒョウォン

10-12/11-7/11-5/10-12/12-10


文:ラリーズ編集部