前日の上智大戦で快勝し、勢いをつかんだ早大。2回戦となるこの日は、東海大を逆転勝利で下した地元の札幌大学と対戦した。試合は第1ピリオド(P)から3Pまで終始早大のペースで進み、15-0と完封勝利。カギとなる3回戦・明治大学との戦いへ駒を進…

 前日の上智大戦で快勝し、勢いをつかんだ早大。2回戦となるこの日は、東海大を逆転勝利で下した地元の札幌大学と対戦した。試合は第1ピリオド(P)から3Pまで終始早大のペースで進み、15-0と完封勝利。カギとなる3回戦・明治大学との戦いへ駒を進めた。

 開始直後から早大らしいアグレッシブな攻めを展開した。開始から2分経たずに、「とりあえずゴール前にパックを届けるという思いで打った」というDF大崎大祐(先理3=青森・八戸)のゴールなどで3点を先取し、幸先の良いスタートを切る。途中、「タイムアウトの後はシュートの選択よりもパスの方が多くなっちゃったかな」と内藤正樹監督(平3二文卒=北海道・釧路湖陵)が振り返るように、札幌大のタイムアウト後に攻めあぐねる時間が続いたが、7分42秒にFW青木孝史郎(スポ3=埼玉栄)がゴールの隅を突くシュートを決める。続いて11分55秒にはFW生江太樹(スポ2=北海道・釧路江南)のゴール裏からのアシストをFW小澤田匠(スポ3=東京・早実)が受け止めてパックをゴールに流し込み、この時点で5得点。DF陣も相手にオフェンスをさせる隙を作らせず、失点0で1Pを終了した。


2得点を挙げた大崎

 第2Pも早大の積極的なオフェンスが光った。25分32秒にFW矢島雄吾副将(スポ4=北海道・駒大苫小牧)と相手選手両方にペナルティが宣告され4対4となる。26分2秒にFW澤出仁(スポ2=北海道・武修館)のパスを受けたFW青木孝史朗(スポ3=埼玉栄)がゴール脇からシュートを決め、その後もさらに3得点を挙げた。59分52秒には数的有利なPP(※1)でFW鈴木ロイ主将(教4=北海道・苫小牧東)がきっちりと得点を重ねると、ピリオド終了1秒前にDF草島芳彦(教2=東京・早実)が公式戦初ゴール。0失点のまま、歓喜とともに2Pを終えた。第3Pは序盤に早大のペナルティが続き数的不利な状況が続いたが、パックを支配するのは早大であった。7分35秒に鈴木が得点し、その後もさらに3得点。力強いチェッキングでゴールを守り切り、計15得点で快勝した。


公式戦初ゴールを挙げた草島

 次戦の対戦相手は関東王者・明治大学。日本学生氷上競技選手権(インカレ)では二年連続、明大に敗北している。そして、今季の関東大学リーグ戦では最後の最後で優勝杯を奪われ、悔しい思いを味わった。しかし、今季の関東大学リーグ戦では2勝1敗と勝ち越し、実力は五分五分。早大らしいスピーディーでアグレッシブなホッケーを徹底すれば、必ずや勝利を収めることができるだろう。宿敵の明大を破り、5年ぶりの日本一へ突き進む。

※1 ペナルティーによる退場で相手チームより人数が多く、数的有利な状態をパワープレーと呼ぶ。

※2 ペナルティーによる退場で相手チームより人数が少なく、数的不利な状態をキルプレーと呼ぶ。

(記事 細井万里男、写真 糸賀日向子、村田華乃)

※( )内はシュート数

結果
早大ピリオド札幌大
5(34)1st0(4)
6(39)2st0(2)
4(31)3st0(7)
15(104)0(14)

コメント

内藤正樹監督(平3二文卒=北海道・釧路湖陵)

――立ち上がりがいい試合でしたね

東海大学に勝ったチームで、6点も取ってるチームなんですね。うちも10点は取っていますけど、そこはあまり変わらないだろうと。人数がそんなに多くはないので、体力勝負に持っていくことが一番有効なんだろうと考えていました。それは、我々が1年間やってきた運動量の多いホッケーをやっていくのが一番いいだろうということで、一番最初から運動量を多くして、相手の体力を消耗させて、そういうホッケーをしましょうと言って送り出しました。それがきょうはできた方なんじゃないでしょうか。

――3点取った後の札幌大のタイムアウトで、一度流れを切られてしまいましたね

そうですね。タイムアウトの後はシュートの選択よりもパスの方が多くなっちゃったかな。それが約10分くらい続きました。それでやっていたら点数が入らないと、学生自身が考えて「もう一回シュートを打たなければいけないね」と変わったので5点取ることができたのではないでしょうか。2ピリ以降はシュートの選択が比較的多かったんじゃないでしょうか。

――丁寧なパスが多い印象を受けました

きょうの試合はきょうの試合で大事ですし、それが明日の試合につながらないといけません。うちよりもパスレシーブが上手なチームが出てくるだろうと思いますので、それに対抗するためにはしっかり声を出して、自分の居場所を教えて、丁寧なパスを出しなさいと言って送り出しましたので、それをやろうとしてある程度は出来るようになってきたのかなという感じでしょうか。

――一方でペナルティの多さが目立ちましたね

そうですね。いらないペナルティが多かったですね。それは、明日にはつながらないので注意しなければいけないですね。どんな相手に対しても5人でやらなければいけないとリーグ戦からずっと言っているので、反則は良くないですね。とにかく体を使ってパックを奪いなさいということでしょうか。反則は反省点ですね。

――少し選手間でもみ合いになる場面もありましたね

それはそんなには気にしていないですね。アイスホッケーをやる以上、いざこざはありますのでね。それも、折角二次リーグの慶大戦で反則負けをしているので、それを学習しないと早稲田大学ではないです。一回やった失敗は二度とやらないように気をつけて欲しいなと思います。

――明日はいよいよ明治大学との一戦になりますけど、準備は万端でしょうか

そうですね。やるべき事はやったし、あとは学生自身がどのくらい意識しているかですね。同じ相手に二回負けられませんので、しっかり明治を意識して、自分たちのホッケーをやって、ぜひ勝ちたいと思います。

鈴木ロイ主将(教4=北海道・苫小牧東)

――きょうの試合を振り返って

1ピリの早い時間帯に点取れましたし、1ピリで僕たちのアグレッシブさだったり、スピード感あふれるホッケーだったりを相手に伝えることができたので、その点ではよかったと思います。でもまだまだ雑なところ、パスレシーブとか声が出てなかったところもあったので、反省するべき点が多い試合だったかなと思います。

――チームの調子はいかがですか

はっきり言って何とも言えないですね。同じレベルのチームとまだ試合してない段階なので、何とも言えないところではあるんですけど、徐々に上がってきてるのは間違いないと思います。

――きょうはペナルティーが多かったように思いますが

そうですね、相手と一緒になってやり合っちゃったり、後はスティックを使った反則とかもありましたし、相手の挑発に乗ってしまう場面もいくつか見受けられたので、そこはしっかりメンタルのコントロールをしなければならないなと思いました。

――ご自身は3得点を挙げる活躍でした

PPでの得点もありましたし、リバウンドのパックに反応良く飛び付いたり、いいかたちでの得点はできたと思うんですけど、もっと取るべきチャンスも多かったので、決めるべき時に決めなきゃいけないなと思います。

――明日の明治戦へどのような準備をしていますか

相手が明治だからといって特別な準備をしているわけではないですけど、優勝する準備はしてきたはずなので、まずは体の準備、防具の準備をしっかりして、一人一人がベストパフォーマンスを出せるように、今からでもいい準備をしていきたいと思います。

DF大崎大佑(先理3=青森・八戸)

――昨日は出場しませんでしたが、きょうプレーしてみて調子はいかがですか

氷に久しぶりに、というか1日ぶりに乗って、急いで氷の感覚をつかまなきゃと思って試合に入りました。最初は不安だったんですけど、最初のシフトでゴールも決まったので、1点入ったことで落ち着いたというか、自分の中で整理がついて普段通りのプレーをできるようになりました。

――2得点を奪いました

珍しく2点入っちゃったなって。ゴールにパックを届ければ入ることもあるし、ゴール前で混戦が起きてそこからゴールが生まれると思うので、自分としては誰にも当てないでとりあえずゴール前にパックを届けるという思いで打ったのが1点目です。2点目はどフリーだったので狙って打って、点が入って久しぶりにうれしかったです。

――チームとして試合を振り返っていかがですか

自分たちは優勝を目指してインカレを戦っているので、きょうの相手がどこであれ自分たちのホッケーを徹底しようっていうので試合に臨みました。1ピリの最初から自分たちのホッケーで、前線から速くプレッシャーをかけてパックを取って、どんどんシュートを打って早い段階で3点取れたのはすごく良かったと思います。失点も0で、ワセダのホッケーを60分間できたのは良かったと思います。

――ペナルティーが少し多かったと思うのですが、その部分についてはいかがですか

いらないといったらあれですけど、なくてもいい反則も何個かあったと思います。明日、明治と当たると思うんですけど、優勝を目指すにあたって、自分たちからペナルティーをして自分たちの首を絞めるようなプレーをしていると、勝てる試合も勝てなくなってしまうので、ベンチに入ったチーム全員がしっかり足を動かして体にあたって、ペナルティーを減らしていければなと思います。

――改めてあすの試合への意気込みをお願いします

ここ2年間は準々決勝で明治にやられているので、明日がどこになるかわからないですけど、明治になった場合は過去2年間の悔しい思いと、秋リーグの最後で優勝杯を目の前で獲られた悔しさと、4年生を優勝に引っ張っていけるように自分ができるプレーを精一杯やって、勝ちを目指したいと思います。

DF草島芳彦(教2=東京・早実)

――きょうの試合を振り返っていかがでしたか

点差もつきましたし、最初はちょっと動きが良くなかったんですけど、後々から氷上でのトークサポートとか増えて、声出してコミュニケーション取って良いホッケーができたんじゃないかなと思います。明日につながるホッケーはある程度できたと思います。

――ゴールを振り返っていかがですか

残り6秒だったので、シンプルなプレーを心がけて決めてやろうと思ったらパックこぼれてきたので、それを叩いただけですね。

――チームの調子はいかがですか

1回戦から右肩上がりで上がってると思います。

――ペナルティが多かったと思うんですが、その点はいかがですか

ラフなプレーが多かったので、それにちょっとこっちがこたえちゃう所がありました。良くないですけど、逆に捉えると気持ちが出てるということなので、そんな気にするような反則じゃないかなと思いますね。

――明大戦に向けてどのような準備をしていくかと、意気込みをお願いします

いっぱい食べていっぱい寝て、声出して頑張っていきたいと思います。

COLLEGE ATHLETE TV   2018.12.27 00:18
スポーツブル 公式SNS
  • facebook
  • youtube
  • instagram
  • LINE
得点経過
チーム時間ゴールアシスト1アシスト2PK/PP
早大00:5316鈴木8青木18羽場
早大01:2131大崎12飛田14小澤田
早大01:4017高橋21矢島
早大07:428青木29ハリデーPP
早大11:5514小澤田9生江29ハリデー
早大26:028青木1澤出PK
早大29:1125篠田PP
早大33:2831大崎1澤出PP
早大36:291澤出
早大39:5216鈴木12飛田PP
早大39:5923草島
早大47:3316鈴木25篠田17高橋
早大51:1021矢島8青木
早大51:271澤出8青木
早大58:0717高橋33坂本12飛田