KGは全盛期にセルティックスにトレード

先日、『ESPN』にアンソニー・デイビスとのプレーについて聞かれたレブロン・ジェームズは、「最高だね。素晴らしいと思う。信じられないくらいすごいことになるだろうね」と答えた。そして、この発言をきっかけに、今シーズン終了後にデイビスがペリカンズとの延長契約に応じない場合、レイカーズを含む複数のチームによる争奪戦が始まるという論調になった。今後もデイビスの去就に関する噂は続くだろうが、そんな中、元NBA選手のケビン・ガーネットが、デイビスはレイカーズに移籍すると予言した。

ガーネットは、先日『USA TODAY Sports』との電話取材に応じ、「アンソニー・デイビスには、面と向かってこう伝えたことがあるんだ。『君は、戦うべき相手と戦っていない。君が戦っている相手は、歴史だ』とね」と語り始めると、レイカーズへの移籍が避けられないという自論を展開した。

「アンソニー・デイビスは、ニューオーリンズでプレーしている。無駄な日常とまでは言わないけれど、その日常に意味はない。彼は、優勝を狙える相棒と一緒にプレーする必要がある。ニューオーリンズでは十分にやった。もう変化が必要な時だ。今より良いタイミングはないよ」

ガーネットの言葉には説得力がある。彼もまた、今のデイビスと同様に、ティンバーウルブズのフランチャイズプレーヤーとして1995年から2007年まで12年尽くした。当時のウルブズは、ガーネットの力でプレーオフにこそ進出できたが、優勝を狙えるチームではなかった。選手であれば優勝を狙うのは当然で、ガーネットも30歳を超えてから本気で優勝できるチームへのトレード希望を口にし始めた。そして2007年のオフ、5選手とドラフト指名権2枠という破格の条件でセルティックスにトレードされ、ポール・ピアース、レイ・アレンとのビッグ3を結成した。2007-08シーズンはセルティックスがNBAを席巻し、ガーネットは悲願の初優勝を成し遂げた。

ガーネットは、同レベルのスター選手との共闘がデイビスに何をもたらすかを実体験から理解している。だからこそ、今こそトレードを希望すべきと主張しているのだ。「アンソニー・デイビスがプレーしている時が彼らのベストレベルであって、もう可能な限り最高のレベルに達した。デイビスがレブロン・ジェームズと組んだら、彼は次のレベルに到達できる。恐ろしいくらいのレベルにね。だからこそ、少なくとも優勝が狙えるチーム、その方向性に進んでいるチームに行くべきだ。今の彼は、そういう環境にいない。素晴らしい選手は、素晴らしい選手と一緒にやるべきなんだ。レブロンと一緒でも、彼は偉大な存在のままでいられる。彼らは2人とも偉大な選手なんだ。だからこそスーパーパワーを持った選手を共闘させる意味があるんだ」

仮にデイビスが延長契約の意思がないことを現時点でペリカンズに伝えた場合、2月のトレード期限までにレイカーズとの超大型トレードが成立する可能性はある。そうなれば、若手コアと呼ばれるブランドン・イングラム、ロンゾ・ボール、カイル・クーズマ、ジョシュ・ハートの数選手を交換条件として差し出さなければならなくなるだろう。だが本気で今シーズンから優勝を目指すなら、実行に移したとしても不思議ではない。ガーネットは、もしレイカーズがデイビスを獲得すれば、王者ウォリアーズの3連覇は危ぶまれると見ている。

「もちろん、レイカーズはウォリアーズに対抗できるようになる。デイビスをオープンには出来ないからね。彼はあらゆることが出来る選手。守備にも優れていて、相手にタフなシュートを強いることが出来るくらいリーチが長い。あらゆる部分で試合に影響を与えられる。そこにレブロンが加わるんだ。彼のプレーをどうやって止められると言うんだい?(レイカーズには)アンソニー・デイビスに必要なものが全て揃っている。もし彼がロサンゼルスに行けば、今後6、7年は素晴らしいシーズンを送れる。彼が決めるべき時が来た。そうならないといけない」

ガーネットの発言が物議を醸すのは間違いないだろう。ただ、一つの球団に長年尽くした上で、優勝が狙える環境を希望した彼の言葉を軽視するわけにはいかない。デイビスが今シーズン中に自らの意思を球団に伝えるのか、それとも来オフまで待って結論を下すのか。彼の決断次第で、NBAの勢力図が大きく動くことになる。