試合中の非紳士的な行為や無気力なプレーに対して警告を受けるなど、なにかとお騒がせな「問題児」ニック・キリオス(オーストラリア)。悪いイメージがつきまとってきた一方で、オフシーズンにはチャリティ活動に前向きに取り組んでリフレッシュしている様子…

試合中の非紳士的な行為や無気力なプレーに対して警告を受けるなど、なにかとお騒がせな「問題児」ニック・キリオス(オーストラリア)。悪いイメージがつきまとってきた一方で、オフシーズンにはチャリティ活動に前向きに取り組んでリフレッシュしている様子だ。

キリオスは、現在世界ランキングで35位でその才能から将来を嘱望されてきたが、コート上での素行の悪さなど「問題児」との批判もつきまとってきた。

2018年には「ATP500 ロンドン」の準決勝となったマリン・チリッチ(クロアチア)との試合中に、椅子に座り淫らな行為を模したとして、キリオスは罰金を科された。

ほかにも「ウィンブルドン」では、フットフォルトと判定された際に悪態をつき、警告を受けた。さらに「全米オープン」では、キリオスの無気力なプレーが発端となって、主審の振舞いの在り方を問う議論に発展した。

同選手はそうした不安定さを見せている一方で、慈善活動に熱心に取り組む一面も覗かせる。自身が主導するNK財団で、オーストラリアのメルボルン近郊に、恵まれない子供達へのスポーツ支援施設を設立すべく努めているとATP(男子プロテニス協会)公式サイトも伝えている。

同サイトによれば、最近実施したチャリティイベントでは5,000ドルを集めたほか、およそ100人の子供達とテニスをプレーしたという。その中でも、白血病の治療のために骨髄移植を受けた女の子とボールを打ち合ったことを、キリオスは光栄に感じていると伝えられた。

キリオスは「彼女はテニスを始めた頃に診断を受けてテニスを続けられなかったんだ。ウェアとラケットなどすべてを彼女にプレゼントした。彼女とボールを打ち合うのは素晴らしくて、感動した。すごくハートウォーミングだった」と語っている。

チャリティイベントにも「参加出来て、子供達と出会えることにワクワクしていた」と語るなど、社会貢献にいそしむ「問題児」とは対照的な一面を見せており、心機一転するきっかけにもなりそうだ。

現在では、メンタルの改善のためにカウンセラーの下にも通っているキリオスだが、来シーズンこそは真価を発揮するパフォーマンスを見せてもらいたい。

(テニスデイリー編集部)

※写真は「レーバー・カップ」で観客と自撮りするキリオス

(Photo by Clive Brunskill/Getty Images for The Laver Cup)