心を折られることなく、食らい付いていく横浜横浜ビー・コルセアーズvsアルバルク東京の第2戦。ハードなディフェンスとシュートに持っていくまでの過程で上回ったA東京が、粘る横浜を終盤に突き放し、89-68で勝利を収めた。立ち上がり、横浜はA東京…

心を折られることなく、食らい付いていく横浜

横浜ビー・コルセアーズvsアルバルク東京の第2戦。ハードなディフェンスとシュートに持っていくまでの過程で上回ったA東京が、粘る横浜を終盤に突き放し、89-68で勝利を収めた。

立ち上がり、横浜はA東京の連動したオフェンスを止められず、アレックス・カークのダンクを受け0-6とされた開始1分30秒で早くもタイムアウトを要求。そこから相手のシュートミスにも助けられて持ち直すと、オフェンスで徐々にリズムが出る。細谷将司と田渡凌のアタックからインサイド陣が加点し、残り3分には田渡の3点プレーとなるバスケット・カウントが決まり、1点差まで詰め寄った。

だがA東京もそれ以上の追撃は許さない。7人が得点を挙げるなどセカンドユニットでも力が落ちないA東京が再びリードを拡大する。第2クォーター最後のポゼッションを田中大貴のミドルシュートで締め、46-31と大量リードを奪って前半を終えた。

昨日の第1戦では、第3クォーターに14点差をつけられ、早々に試合を決められた横浜だったが、今日は会場に詰めかけた3808名の観客を前にアグレッシブに戦い続ける。馬場雄大の3点プレーとなる速攻で20点差にされても、竹田謙がショットクロックギリギリから3ポイントシュートを沈め、細谷が3ポイントシュートで続くなど、しぶとく食らい付いていく。

ここまでほとんどノーマークを作れていない横浜だったが、A東京の隙を突いてイージーシュートで得点する機会も見られた。A東京の指揮官ルカ・パヴィチェヴィッチが「1戦目に敗れ、モチベーション高く牙を剥いてきた」と表現する横浜の粘りだったが、イージーシュートを確実に決め、トランジションからも得点を重ねるなど、高いシュート成功率で崩れることはなかった。

速攻からの24失点で失速

横浜が19点ビハインドで迎えた最終クォーター、ゲームハイの22得点を挙げたスティーブンソンがインサイドで、細谷が外からそれぞれ加点し、開始3分で12点差まで詰め寄る。

だがカークにブロックショットを浴び、馬場に速攻からダンクを許すなど、追い上げムードの時間帯で速攻からの失点が目立ち、その都度チームの勢いは削がれた。横浜を指揮するトーマス・ウィスマンが「アルバルクはそこまで速攻を強みにしているチームではないが、それにもかかわらず24点を失った」と語ったように、トランジションディフェンスが機能せず、1桁点差の壁を超えられなかった。

その後はチームを牽引してきた細谷が、タイムシェアしフレッシュな状態で出てくるA東京の密着マークを受け失速。田渡が「ノーマークのシュートを外さないし、ショットクロックギリギリでも決めてくる」と語ったように、A東京はその勝負強さを見せつけ、すべてのクォーターを上回り、連勝を果たした。

勝利したA東京のルカコーチは「チーム全員がよく戦ってくれて、我々にとって大きな連勝になった。横浜は昨日負けていますので非常にモチベーション高く、チェンジングディフェンスなど色んな形で我々のオフェンスを守りにきました。ただし、我々は40分間ハードに戦うことをチーム全体で遂行しました」と試合を総括した。

「卓さんの得点力が絡んでくればもっと良い方向に進む」

敗れたウィスマンヘッドコーチは「選手たちは気持ちのこもったプレーを見せて、昨日よりは良いパフォーマンスをすることができた」と一定の評価を与えたが、「今年当たったチームの中では一番のディフェンス力を持っている。それが昨シーズン優勝した理由でもあるので、見習わないといけない」と完敗を認めた。

横浜はチームトップの得点力を持つ川村卓也が前日の試合で負傷し、今シーズン初めて欠場となった。それでもA東京に対し68点を積み上げたオフェンス面に関しては収穫ともいえる。

田渡も「今日は卓さんが出ていないということで、他の選手がステップアップしないといけないという気持ちを持っていた。卓さんは15点くらい取る選手、今日みたいにアグレッシブにアタックしていって、その中で卓さんの得点力が絡んでくればもっと良い方向に進むと思う。オフェンスに関しては少しはポジティブな部分があった」とコメントした。

昨年王者のA東京がその強さを見せた結果となった。だが横浜にとっては、リーグトップクラスの力を痛感する完敗であるとともに、川村不在というイレギュラーな状況でステップアップする意思が見られた、収穫のある試合となった。