19日、なでしこリーグ1部のINAC神戸レオネッサが、早大からFW河野朱里(スポ4=静岡・藤枝順心)とDF三浦紗津紀(スポ4=浦和レッズレディースユース)が来季加入することを発表した。大学女子サッカー界をけん引する『ア女』のエースストライ…

 19日、なでしこリーグ1部のINAC神戸レオネッサが、早大からFW河野朱里(スポ4=静岡・藤枝順心)とDF三浦紗津紀(スポ4=浦和レッズレディースユース)が来季加入することを発表した。大学女子サッカー界をけん引する『ア女』のエースストライカーと守備の要が、国内屈指の強豪クラブでの挑戦を決断した。

 U20日本代表の選出歴も持つ河野は、早大では絶対的エースとして最前線に君臨してきた。巧みな動き出しや駆け引きを武器に多彩な得点パターンを持つストライカー。プレーエリアも広く、攻撃の組み立てにも関与できる。4年間で積み重ねてきた得点は、現時点で85。年を追うごとにその凄みは増し、関東女子リーグ戦と関東大学女子リーグ戦では昨年から2年連続で得点王を獲得するなど、『超大学級プレーヤー』であることを結果で証明してきた。昨年、皇后杯でINAC神戸と対戦した際には同点弾を決め、早大の歴史的勝利(△1-1、PK4-1)の原動力となった。


絶対的エース・河野

 三浦は、正確な判断とポジショニングなどの繊細さに加え、強度の高い対人守備や打点の高いヘディングといった力強さも併せ持つ実力派センターバック。質の高いフィードで攻撃の起点としても存在感を発揮し、攻守に替えの利かない存在となれる選手だ。早大入学後はすぐにレギュラーの座を確保し、チームに安定感をもたらし続けてきた。代表歴こそ、昨年に大学日本代表として臨んだユニバーシアード競技大会の一度だけだが、その能力は世代トップクラス。2年時には全日本大学選手権(インカレ)でMVPを獲得するなど、勝負強さも持ち味のひとつだ。


チーム随一の安定感を誇る三浦

 INAC神戸は、国内クラブで唯一所属全選手が選手業に専念するクラブで、常にタイトル争いを演じる強豪。2011~13年にかけてはなでしこリーグ3連覇を果たすなど、黄金期を築いた。しかし、以降はリーグ屈指の戦力をそろえながらもリーグ優勝からは遠ざかり、特にここ数年は日テレ・ベレーザに次ぐナンバー2の座に甘んじているところだ。二選手は覇権奪回へ向け、白羽を立てられたということになる。国内トップクラスの選手たちがずらりと顔を並べる厳しい環境で、日本を代表する選手への道を切り開けるか。大学生活をインカレ4連覇という最高の形で締めくくり、さらなる箔をつけて国内最高峰の舞台に飛び込みたい。

(記事 守屋郁宏、写真 下長根沙羅)


◆河野朱里(かわの・じゅり)

1996年(平8)12月16日生まれ。身長160センチ。静岡・藤枝順心高出身でスポーツ科学部4年。元U20日本代表FW。早大の選手として公式戦通算121試合出場85得点(12月22日現在)。

◆三浦紗津紀(みうら・さつき)

1996年(平8)6月16日生まれ。身長162センチ。埼玉・東農大三高出身でスポーツ科学部4年。前所属・浦和レッズレディースユース。DF。早大の選手として公式戦通算110試合出場15得点(12月22日現在)。