13日のロッテ戦に勝利し、今季最多の貯金30でオールスターブレークに入ったソフトバンク。工藤公康監督のシーズン前半戦の総…
13日のロッテ戦に勝利し、今季最多の貯金30でオールスターブレークに入ったソフトバンク。工藤公康監督のシーズン前半戦の総括会見と、その後も囲み取材分を含めて一問一答形式でまとめてみた。
■貯金は「(予想より)遥かに上」、前半戦「投」のMVPは和田
13日のロッテ戦に勝利し、今季最多の貯金30でオールスターブレークに入ったソフトバンク。工藤公康監督のシーズン前半戦の総括会見と、その後も囲み取材分を含めて一問一答形式でまとめてみた。
――大きな貯金をもってシーズンを折り返すことになったが?
「選手たちが3連覇という大きな目標のために、シーズン最初からしっかりといいコンディショニングで戦ってきてくれたおかげ。本当に選手たちに感謝しかないですね。貯金は(シーズン当初の予想より)はるかに上。他のチームもがんばっているのでゲーム差自体はそれほど広がっていませんが、十分な戦いをしてくれていると思っています」
――試合の終盤に競り勝つ試合も多かったが、チーム力についてはどう見ているか?
「最後まで諦めないという気持ちがみんなにあるから逆転劇も生まれるし、3連覇したいという思い、何とか勝つんだという思いが試合の中に出ていると思います。長いシーズンなので、試合に出ていても身体の中で痛みを伴ったり、苦しいところもあるのでしょうが、そういう素振りも見せずにしっかり試合をやってくれている選手たちは、本当に意志が強いと思います。野手だけではなく、ピッチャーも『これ以上、点はやらないぞ』と抑えてくれているからこそ、最後の逆転につながっていると思います」
――前半戦の中で印象に残った試合は?
「吉村くんが素晴らしい2本のホームランを打った楽天戦(4月17日)ですかね。あれは本当に今年のチームを象徴するような試合。みんなが諦めないでチャンスを作り、吉村くんがしっかり打ってくれたというところは、ボクの中に残っています」
■前半戦「打」のMVP&後半戦のポイントは?
――前半戦のMVPを選ぶとしたら?
「投げる方では、今年加入した和田投手が9勝という勝ち星をあげているし、練習であったりトレーニングする姿であったりで、若い人にいい影響を与えてくれているんじゃないかなと思います。打つ方では、安定したバッティングをしてくれているのはキャプテンの内川選手だとは思いますが、城所くんが交流戦でMVPを獲ったり、柳田くんが交流戦で3割近くまで戻したりもしました。そして、松田くんはここというところで打ってくれた。
当然、ベンチでの声であったり、球場を盛り上げる『熱男』のパフォーマンスであったり、そういうのがチームの士気を上げてくれましたね。単純に打つとか投げるとかではなく、ベンチの中でみんなが明るく元気でやって、それに乗せられて打席に入る選手が打つということがたくさんありましたね」
――開幕からホークス包囲網と言われてきたが?
「いいピッチャーをみんなウチに当てて来るというのはすごく感じています。ロッテもオリックスも楽天もね。ウチばかりに当ててきたら他のところで大変なんじゃないの、他のところにも分けてよって思いますけど(笑)。それは強いチームの宿命だからしょうがない。そういうところで打っていかないといけないし、点をやらないようにしないといけない。大変だとは思いますけど、上にいるというのは常に大変なことなんで」
――後半戦のポイントは?
「今年のチームはすごくバランスがいいと感じています。ピッチャーが抑えて逆転して勝ったり、接戦で勝つ。あるいはピッチャーが打たれても、それ以上に点を取って勝つ。だから今の位置(首位)にいることができている。打つ、投げる、走るも含めてダントツにいいわけではなけど、総合的な部分が噛み合って、ここまで来ているという印象です。今年はバランスで勝つ年なのかな、と。後半戦もこのバランスを崩さないようにしていきたいですね」
■ブレない目標、「最悪を想定し、最高をイメージ」
――AクラスとBクラスの差が大きく開いているが、後半戦も「カード勝ち越し」という目標は変えずにいくのか?
「それは変わらないです。今は日本ハムさんがすごい勢いで勝っているというのはあるから、自分たちがカード勝ち越しを続けていっても(日本ハムに)抜かれてしまうのであれば、ある意味それはしょうがないことかなとも思える。『だんだん追いついてきたからどうにかしないといけない』っていろいろ変なことを考えると、いいことってあんまりないのかな、と。常に目の前の3連戦、3連戦と足元を見ながらやっていくことの方が大事。最悪を想定し、最高をイメージし、その中で足元を見て目の前の3連戦をがんばる。それしかないです」
――7月末からは5週間連続で週末に日本ハム戦、ロッテ戦が続くが?
「だからといって、週末の先発ローテはあまりいじらないです。そこにはまったピッチャーは一生懸命がんばるしかない(笑)。投げるピッチャーはきついだろうけど、その中で勝っていかなきゃいけないわけですから。どのチームだってきついというのはあるだろうけど、トータルでいえば最後まで苦しい思いに耐えたチームが優勝するんだと思っています」
――日本ハムは高梨、有原、大谷をぶつけてくると想定されるが?
「大谷くんが他のチームに投げて勝ったときに、ウチが負ければ同じことですから。直接(対戦)できるのは叩けばというのはあるけど、あのくらいのいいピッチャーはそう簡単には叩けないでしょ。そこはそこで、しっかりとデータに基づいた策を考えてやっていかないといけないかなとは思います。彼くらいのピッチャーを打つには、より強い意志をもっていかないといけないし、より自分たちで考えて野球をやっていかなければいけないと思います」
――後半戦への意気込みは?
「厳しい戦いが続くことにはなりますが、攻撃的というか、常に前を向いて『1つも負けるつもりはない』というくらいの強い意志をもって、みんなで力を合わせて乗り越えていけるようにがんばります」
藤浦一都●文 text by Kazuto Fujiura