11月27日、有馬温泉「BAR DE GOZAR」にて、第1回有馬温泉湯桶杯決勝トーナメントが開催された。大会の主催者である金井庸泰氏に大会の感想や今後の取り組みなどについて、VAMOLAが独自インタビューを行った。 ■大会を開催した感想 …
11月27日、有馬温泉「BAR DE GOZAR」にて、第1回有馬温泉湯桶杯決勝トーナメントが開催された。大会の主催者である金井庸泰氏に大会の感想や今後の取り組みなどについて、VAMOLAが独自インタビューを行った。
■大会を開催した感想
金井氏:最初スタートするまでは、はじめての取り組みだったので、本当に見て下さる方や参加して下さる方がいらっしゃるのか、不安がとても大きかったです。
結果的には、大会にも関わって下さったプレイヤーやメディアの方も含めて、色々な方々に取り上げていただいたことで、たくさんの方に見ていただける大会になり、とても感謝しています。
■温泉関係者からの感想
※本大会は翌日11月28日に、8つの有名温泉地と公益財団法人日本交通公社からなる「温泉まちづくり研究会」が開催したフォーラムのプレイベント的役割も担っていた。
金井氏:温泉地の方々に対して、かねてから有馬温泉がeスポーツに取り組んでいることはお伝えしてきました。
今回は実際に取り組んでいるところを見ていただき、ずっと興味を持って下さっていた方々が、どうeスポーツを活用すればいいのか、その事例として具体的ビジョンを見ていただけたのではないかと思っています。
実際に見て下さった一部の方から“すごくいいカタチになってるね”という評価をいただきました。
明日のフォーラムで改めて評価いただければうれしいなと思っています。その先に、全国の温泉地へeスポーツの取り組みが繋がっていけばと希望しています。
■これからの新しい動きや展開について
VAMOLAでは大会の概要はもちろん、大会の趣旨や取り組みについて、
【有馬温泉でウイイレ2019のeスポーツ大会!GENKIモリタ出場、ちゃまくんはオンライン予選参戦<応募は31日まで>】 https://efootball.jp/2018/10/21/ucup_1/
でお伝えしている。
まだお伝えしていない新しい動きや展開について伺った。
金井氏:特に若者を中心に、ゲームが好きっていう人が日本にはたくさんいると思います。
そういう人たちに対して、“大人になったらそういう娯楽って卒業しないといけないよね”みたいな風潮ってどこかあると思うんです。でも、やっぱり大人になっても、ゲームに少しでも関わりながら、生きていきたいと思っている人も少なくないと思います。
取り組みを通じて、温泉地で働く人たちがゲームに関わりながら、生活ができる、働けるという職場づくりをしたいと思っています。実は、そこが温泉地でゲームを普及させたい最もコアなところでもあります。
例えば、草津にザスパクサツ群馬というサッカーチームがあります。聞いてみると、サッカーがしたいがために、温泉地に就職するという実績がやはりあるようなので、それが1つのよいサンプルなのではないかと。
ですから、“ゲームに関わりたいから温泉地で働きたい”というようなサイクルになってもらえたらうれしいなと。
大会の開催にあたって相談に乗って下さった方とも、できれば今後そういった雇用の部分において、何かカタチにしたいという話になりました。
例えば、大阪にOCA大阪デザイン&IT専門学校(西日本初のプロゲーマーを養成する専攻科がある)がありますよね。学校に通う生徒さんは、プレイヤーの技術があれば世を渡れるという意識を持っていらっしゃる方もいるとお伺いします。
ただ、世に出るということは、様々な方とのコミュニケーションが必要になってきますから、接客といいますか社交性スキルの強化が望まれているらしいんですね。
こういった観光業というのは本当に接客業のかたまりですから、上手くそういったところとも連携が取れたらいいなと思っています。
■eスポーツはプロゲーマーだけのものではない
金井氏:正直、eスポーツの世界って、プロゲーマーがいたら成り立つのではなく、見て下さる人がいて、その人たちの支持があってこそ成り立つ世界だと思っています。
見て楽しいと思ってくれる人がいなければ、どれだけ卓越したスキルを持っていたからといって、誰にも見てもらえないし、誰にも評価されない。そういう意味では、上手くなることだけがeスポーツに貢献することではない。プロゲーマーという仕事だけが、ゲームの道ではないと思っています。
今回、実況をして下さったヤナGENKIさんはプロライセンスを逃されましたが、実況といった活動を通して、映像にしたときにコアになる、いわばeスポーツの中枢を担ってたりするわけですよね。
ルールのわからないゲームって、たくさんあるじゃないですか。やっぱり、ヤナGENKIさんがしゃべることで、わからない人がわかるようになる。だから、ちゃんと誰でもわかるようにフォローして、パッと観たときに楽しいと思ってもらえる環境づくりが大切だと考えています。
■今後取り上げていくゲームタイトル
※大会が開催された「BAR DE GOZAR」は関西初のeスポーツ観戦バー。
金井氏:サッカーゲームに限らず、今後も色々なゲームを取り上げていくつもりです。
ただ、日本が海外のeスポーツに今すぐ追いつくということは不可能だと思っています。やはり、海外はそれまでの歴史がありますので、同じ土俵に上がって、同じゲームを取り上げていても、観光地の取り組みとして、なかなかインバウンドに繋がらないと思います。
来店していただくことが第一ですから、やはり日本の独自性というものを出していきたい。となってくると、やはり日本のゲームをある程度使っていきたいと思っています。ただ、圧倒的に日本のゲームのコンテンツが少ないという現実もあります。
--サッカーゲームというくくりでいうと、FIFAよりもウイイレをやっていきたい
金井氏:そうですね、これからもやっていきたいですね。
今は、ロケットリーグもすごく好きです。ロケットリーグは、見ていても楽しいゲームなので。それに、プレイヤースキルをわかりやすく見せることができます。ああいったゲームも、eスポーツにとても向いているなあと思うんですけど。
まずは、ウイイレをしっかりとやっていきたいですね。
今年は元年とも呼ばれ、活況を呈しているeスポーツ。そのいわば喧噪の中で、eスポーツ界の先を、ときに情熱的に、ときに冷静に、しっかりと見据える金井さんの姿が印象的だった。
(インタビュー・文●fanatic wilkinson’s)
(編集●VAMOLA eFootball News編集部)