薬物使用により2年の活動停止を言い渡されたマリア・シャラポワ(ロシア)の上訴の裁判と判決は、9月まで延期された。これにより、シャラポワのリオ五輪出場の可能性は完全になくなった。 スポーツ仲裁裁判所は11日、シャラポワとITF(国際テニス…

 薬物使用により2年の活動停止を言い渡されたマリア・シャラポワ(ロシア)の上訴の裁判と判決は、9月まで延期された。これにより、シャラポワのリオ五輪出場の可能性は完全になくなった。

 スポーツ仲裁裁判所は11日、シャラポワとITF(国際テニス連盟)が来週の月曜日までに交付されることが決まっていた判決を延期することに同意した、と告げた。スポーツに関わる裁判の最高裁であるスポーツ仲裁裁判所は、被告と原告の双方が準備のためにより時間がほしいと要請したこと、またスケジュールのバッティングなど不都合があることにも言述した。裁判所によれば、判決は9月19日になると見られている。

 元世界1位のシャラポワは1月の全豪オープンのドーピング検査の際にメルドニウムで陽性反応を示し、その後、ITFから2年の出場停止処分を言い渡されていた。シャラポワは先月、この判決を覆すか処罰を軽減することを求めて上訴していた。

 両者はスポーツ仲裁裁判所が今月に判決を下せるよう、迅速な対処を望むことで同意していた。判決の結果、出場停止処分が解かれればシャラポワが8月のリオ五輪に出場できる可能性が残されていたからだ。しかし、裁判が9月に延期されたことで、シャラポワがリオ五輪や8月29日から始まる全米オープンでプレーする可能性は完全になくなった。

 「被告、原告の両者が互いに証拠や文書の提出、それへの返答を行うためにより多くの時間を要求したこと。またいくつかのスケジュールの問題から、両者が裁判のプロセスを速めないことに同意した」と同裁判所は声明文の中で言っている。

 シャラポワの弁護士であるジョン・ハガティ氏は、これは双方の合意によるものであり、シャラポワ側にしっかりと裁判の準備をするための時間を与えることになると話した。

 「スポーツ仲裁裁判所はその先のない最高裁であり、期日が伸びたことは準備の助けになる」とハガティ氏。「我々はマリアの出場停止の期間を短くすることは可能だと感じているが、いずれにせよ追加的2ヵ月が我々が成し得ることへの期待にインパクトを与えることはない」。

 シャラポワは全豪オープンの各試合の前にメルドニムを摂取していたことを認めている。彼女はミルドロネートの名でも知られるメルドニウムが、今年1月1日から禁止薬物となっていたことに気づいていなかったと主張している。  現在の判決ではシャラポワは2018年1月25日まで大会参加を禁じられ、これによってオリンピックと8つのグランドスラム大会に出場できないことになっている。(C)AP