シニアデビューシーズンでグランプリシリーズ(GP)2大会に連勝。GPファイナルでは2005年の浅田真央以来となる初出場初制覇を果たした紀平梨花が、全日本選手権に挑む。武器のトリプルアクセル(3回転半ジャンプ)をひっさげて初出場した昨年の全日本選手権は3位。精神面の強化で実力を十二分に発揮できるようになった今年は、一気に頂点を狙う。



全日本選手権の公式練習でもキレのあるジャンプを見せていた紀平梨花

 GPファイナルで偉業を成し遂げてから約2週間。帰国後、自身に対するフィーバーぶりをよそに、本人は至って冷静で、落ち着いた様子で練習に取り組んできた。大会前日の20日に行なわれた公式練習でも、きびきびした動きで安定感のあるジャンプをバンバン跳んでいる。伝家の宝刀、トリプルアクセルにも磨きをかけてきたようで、この日はキレのあるジャンプを6本成功させていた。

「いまのところ、ファイナルの疲れはちゃんと取れて、しっかりいい状態で臨めていると思います。(自分が注目を集めていることに)私は特にテレビも新聞も見ないし、それがあるとかないとかですることは変わらない。とにかく全日本が今年最後の大会なので、しっかり頑張りたいです。周りの声とかは意識していないので、とにかく最後の最後までいい成績でいきたいと思っています」

 コンディションは万全だが、唯一、「スケート靴に問題がある」という。今シーズンに向けて新しい靴に替えたのだが、それが合わず、結局9月にそれまで使っていた靴に戻して、今季の前半戦からその古い靴を使っている。だが、さすがにそれも限界を迎えそうな状態で、テープで「ぐるぐる巻き」にして、古い靴が壊れるのを防ぎながら演技せざるを得ないというのだ。

「靴の柔らかさが気になっていますけど、そこはテープを巻いてしっかり完璧に使えるところまで持っていき、何とかSPとフリーをそろえられたらいいなという気持ちです。9月くらいから使っているので、何とか最後まで全日本まで持たそうとやっていて、靴がギリギリな状態です。それが気になってしまい、ジャンプがはまらないことが多いんですけど、それに対応してテープをしっかり巻いて、自分のいい感覚でジャンプがはまるように、明日(21日)の朝練でしっかり確認していきたいと思います。

 トリプルアクセル以外の他のジャンプは問題ないですが、靴の柔らかさによっても、テープの巻き方によっても、ジャンプが変わってしまうことがここ最近多かったので、そこだけ気をつけて、この状態で試合に行こうと思えるところまで確認できれば、何とかいけるかなという気持ちです」

 トリプルアクセルとそれ以外のジャンプとでは、適切なテープの巻き具合が異なるために、微妙なさじ加減で調整しながら、靴にテープを巻かなければいけないのだという。

 フィギュアスケート選手にとって、使用する道具の中で一番重要なのはやはりスケート靴だ。足に合う靴がすぐに見つかることはほとんどなく、自分に合う靴探しはスケート選手にとっては必須事項になる。紀平はふだんからテープの巻き直しを繰り返してきたと言い、「本当に何とかしてもたせているので、あとは気合で乗り切ろうと思います」と笑った。

「日本の大きな大会ではいつも緊張するんですけど、すでにNHK杯でも経験させていただけて、その分、有利でもあると思うので、いい演技が見せられるようにしていきたいです。そしてショートプログラム(SP)とフリーではミスのない、笑顔で終われるような試合にしたいです」

 今季前半戦の紀平の戦いぶりはまさにシンデレラガールそのもの。しかも決して気負うことなく、自然体のままだ。後半戦に向けて飛躍の年をしっかりと締めくくることができるか。熾烈な女子のトップ争いが見られそうだ。

女子SPの主な選手の滑走順と滑走予定時間
第4グループ:
18番:本郷理華:19:26:00~
19番:三原舞依:19:32:40~
20番:坂本花織:19:39:20~
22番:山下真瑚:19:52:40~
第5グループ:
25番:樋口新葉:20:20:40~
26番:本田真凜:20:27:20~
27番:紀平梨花:20:34:00~
28番:白岩優奈:20:40:40~
29番:宮原知子:20:47:20~