アメリカ・ロードアイランド州ニューポートで開催されている「名誉の殿堂テニス選手権」(ATP250/7月11~17日/賞金総額51万5025ドル/グラスコート)の1回戦で、日本の杉田祐一(三菱電機)がラッキールーザーのアミル・ワイントラウ…

 アメリカ・ロードアイランド州ニューポートで開催されている「名誉の殿堂テニス選手権」(ATP250/7月11~17日/賞金総額51万5025ドル/グラスコート)の1回戦で、日本の杉田祐一(三菱電機)がラッキールーザーのアミル・ワイントラウブ(イスラエル)を4-6 6-3 6-2のフルセットの戦いの末に下して2回戦に勝ち進んだ。杉田は次の試合で、第1シードのスティーブ・ジョンソン(アメリカ)と対戦する。

 また、第6シードのアドリアン・マナリノ(フランス)はワンセットダウンから挽回し、ジェームズ・ダックワース(オーストラリア)を6-7(3) 7-6(5) 7-6(4)の激戦の末に下して2回戦に駒を進めた。28歳のマナリノはこの日プレーした唯一のシード選手だったにも関わらず、センターコートでなく端のコート(コート1)でプレーさせられたこと、またニューポートのグラスコートのプレーコンディションに文句を言った。

「試合に勝ててほっとしたが、コート上では1分も楽しめなかった」とマナリノ。「コートの状態は途方もなく悪い。僕らはほかのコートのすぐ隣でプレーしていた。コート上にカメラやマイクロフォンも置いてあった。だからしっかり動くこともできない。こういうコートでプレーさせるなんて、選手に対する敬意を欠いていると思うな」。

 マナリノは第3セットの第7ゲームでサービスブレークに成功して5-2とリードしたが、そこから自分のサーブをキープできず、苦しみ始める。見るからに動揺し、ロブをアウトして第8ゲームを落としたときには自分に向かって怒りの叫び声を挙げた。

 大会は国際テニスの殿堂の会場で開催されており、ファンたちはコートのそばからプレーを間近に見ることができる。観客たちはベースラインから6mほど離れたところの、メッシュのネットのついた1mほどのフェンスのうしろに立っている。

 特にイレギュラーのバウンドをしたときなどに、選手にとってボールを見るのが難しいとマナリノは主張した。

「ボールがよく見えない。コートのうしろにたくさんの人々がいるから、何も見えないんだよ」。

 マナリノは2時間30分かかった試合をサービスエースで締めくくった。彼は次の試合で、センターコートでプレーできるよう祈っている。

「ここでは僕はシード選手なんだから、次の試合はセンターコートでプレーできるよう願うよ」と彼は言った。

 マナリノの勝利の数分後に終わったセンターコートでの試合では、予選を勝ち上ったフランク・ダンシェビッチ(カナダ)がライアン・ハリソン(アメリカ)を6-4 6-4で下した。24歳のハリソンが今季一回戦負けをしたのは、4大会連続となる。

「ここまでのところ、失望を誘う年だ」と彼は言った。数年前、上昇中の若いアメリカ人のひとりとして注目されたハリソンは2012年に43位に至ったが、今週のランキングでは158位にまで落ちている。

「フラストレーションを感じる。でもよい点は僕はまだ24歳だから、解決策を見つけるための時間はあるということだ」とハリソンは話している。

 そのほかの試合では、ワイルドカード(主催者推薦枠)のステファン・コズロフ(アメリカ)が6-1 6-2でベンジャミン・ベッカー(ドイツ)を退け、予選から出場のブライアン・ベイカー(アメリカ)はオースティン・クライチェク(アメリカ)を6-2 3-6 6-2で倒した。また、ジョン パトリック・スミス (オーストラリア)がジョーダン・トンプソン(オーストラリア)を6-4 6-4で、マルコ・キュードネリ(スイス)が予選勝者のアレックス・クズネツォフ(アメリカ)を6-4 7-6(6)で、サム・グロス(オーストラリア)は予選勝者のミコール・プラジズニー(ポーランド)を7-6(2) 6-4で下している。

 名誉の殿堂テニス選手権は国際テニスの殿堂の祝典と同時に行われる大会で、今年は元WTAナンバーワンでグランスラム大会優勝7回のジュスティーヌ・エナン(ベルギー)、元ATPナンバーワンでグランドスラム優勝2回のマラト・サフィン(ロシア)が、土曜に行われるセンターコートでの祝典で殿堂入りすることが予定されている。また、昨年殿堂入りしたが、出産のために祝典に出席できなかったアメリー・モレスモー(フランス)も今年の祝典に出席することになっている。(C)AP(テニスマガジン)