女子フィギュア界で紀平梨花(16)が注目を集めている。シニアデビューした今年4戦4勝でグランプリファイナルも制し、飛ぶ鳥落とす勢いだ。伊藤みどり、浅田真央と受け継がれてきたトリプルアクセル(3回転半ジャンプ)を武器に、五輪女王ザギトワらロシア勢の牙城を崩す活躍ぶり。その実力は本物なのか、勢いだけの「一発屋」なのか。紀平への歴代トップスケーターの評価は?

 

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◆伊藤みどりさん(92年アルベールビル五輪銀メダル。日本の女子シングルで史上初のトリプルアクセルを決めたパイオニア)
「紀平選手のトリプルアクセルは簡単に跳んでいるように見える。私はダイナミックで、真央ちゃんは高さがあったけど、同じようには見えない。効率の良い跳び方をマスターしている。最初のジャンプで失敗しても、2回目に挑戦する勢いがジャッジに好印象を与えます。真央ちゃん以来のスターですね」

◆杉田秀男さん(57年世界選手権代表)
「真央さんは出てくるだけで人を引きつける独特なオーラがあった。伊藤みどりさんは誰にもまねできない高くてパワーある強烈なジャンプを持っていた。紀平選手は2人を足して2で割った選手になる気がしますね。最初にミスしても、そこから先の演技が小さくならず堂々としていた。試合に出れば出るほど強くなっている印象」

◆本田武史さん(98年長野、02年ソルトレークシティー五輪代表)
「ものすごい演技。トリプルアクセルはスポーツカーみたいな感じで、ビュンって飛んじゃう。空中での修正力がすごい。ジャンプを上がった瞬間にいつもと違う場所に軸があっても、降りる瞬間にはいつもの位置に戻せる。空中バランス、空中での自分の体を理解できている。動物的勘というか、ほんとネコみたいな。本当に身体能力が高い選手」

◆織田信成さん(10年バンクーバー五輪代表。自身のツイッターで「梨花ちゃん3A(トリプルアクセル)の加点、男子やん!」と絶賛)
「紀平選手のジャンプは国際スケート連盟の教育用のビデオでお手本として紹介されているほど、きれいなフォームで加点がつきやすい。真央ちゃんのトリプルアクセルは『ふわっと柔らかい』けど、紀平選手はキレがあってシャープ。ジャンプの種類に得意不得意がないので、トリプルアクセルを失敗したとしても、どのジャンプでも出来栄え点を狙うことができる」

◆荒川静香さん(06年トリノ五輪金メダリスト)
「とてもポテンシャルが高い。ジャンプが注目されがちですが、スピンの回転も速く、ポジション(形・姿勢)が多彩。表現力の高いステップも魅力的ですね。ジャンプに関しては得意不得意がなく、どの種類も高いクオリティーで飛ぶことができる。どんな精神状態であっても実力を発揮できるようになれば、他の選手にとっても脅威になると思います」

 

◆安藤美姫さん(06年トリノ、10年バンクーバー五輪代表)
「緊張感を集中力に変える力がすごい。演技変更はよくあることで、失敗したらこっちにしようと練習はしているが、紀平選手はそれを本番でできる。ミスしてから立て直す精神力もある。練習に対する姿勢は、アスリートの鑑(かがみ)だと思う。プライベートが楽しければスケートもよしだった私とは本当に真逆」

◆村上佳菜子さん(14年ソチ五輪代表)
「シニア1年目はジュニアの名残があるものですが、ジャンプも滑りもシニアには負けていません。完璧にこなしたら無敵だと思う。演技点は『カレー』のように時間がたたないと、おいしくならないものなのに、シニアデビューしてすぐでこんなに審査員から高い評価を受けるとは驚きです」

◆宇野昌磨選手(18年平昌五輪銀メダリスト。紀平が優勝したGPファイナルで男子銀メダル)
「トリプルアクセルだけじゃなく他のジャンプもすごくきれい。シニアに上がりたてなのに、表現力がすごい。シニア1年目でこれだけ評価されるのは、僕だけじゃなく選手みんな驚いている。表現とか僕にないものを持っている。(ポーズの)1つ1つが写真を撮れる感じですごい」

◆パトリック・チャン選手(14年ソチ五輪銀メダリスト。世界屈指のスケーティング技術の持ち主)
「スケーティングの巧みさが女子では抜きんでている。緩急をきちんとつけて、強弱を滑りで表現できる質の高いスケート」

◆イリーナ・スルツカヤさん(02年ソルトレークシティー五輪銀、06年トリノ五輪銅メダリスト)
「紀平選手はシンプルに素晴らしい。とても多くの人たちより高いレベルにいる。我々ロシアの女子スケーターたちにとてもふさわしいライバルが現れたと言えます」

 歴代選手の言葉は、待望のニュースター誕生への期待感に満ちあふれている。22年北京冬季五輪へ、日本女子フィギュア界を引っ張る存在になりそうだ。

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[文/構成:ココカラネクスト編集部]