イチロー外野手の所属するマーリンズのジャンカルロ・スタントン外野手が、11日(日本時間12日)にサンディエゴで行われたオールスターのホームランダービーで規格外の長打力を見せつけ、初の優勝を果たした。■渾身の割引企画が裏目!? 後半戦はチケッ…

イチロー外野手の所属するマーリンズのジャンカルロ・スタントン外野手が、11日(日本時間12日)にサンディエゴで行われたオールスターのホームランダービーで規格外の長打力を見せつけ、初の優勝を果たした。

■渾身の割引企画が裏目!? 後半戦はチケット61%オフも…「マーリンズに高くつくことに」

 イチロー外野手の所属するマーリンズのジャンカルロ・スタントン外野手が、11日(日本時間12日)にサンディエゴで行われたオールスターのホームランダービーで規格外の長打力を見せつけ、初の優勝を果たした。所属選手の初優勝に沸くマーリンズだが、マーケティング部門は渾身のプロモーション作戦が裏目に出てしまったという。米テレビ局CBSスポーツは「ジャンカルロ・スタントンのHRダービーは割引オファーに出たマーリンズにとって高くつくことになった」と特集している。

 スタントンは圧巻の長打力を見せつけた。1回戦ではマリナーズのロビンソン・カノ内野手を相手に24本-7本で圧勝すると、準決勝ではオリオールズのマーク・トランボ外野手に17本-14本で勝利。昨年王者のホワイトソックスのトッド・フレイジャー内野手を迎えた決勝では、20本-13本で完勝を収めた。

 合計61本の柵越えを放ったスタントンは、2005年のボビー・アブレイユ(フィリーズ)の合計41本という記録を破り、ホームランダービー史上最多記録を樹立。一方で、マーリンズが衝撃のホームランダービーを前にファンに本拠地マーリンズ・パークへの来場を呼びかけるメールを送っていたことを記事では伝えている。その内容は以下のようなものだったという。

「ジャンカルロがホームランを打つたびに、あなたもお得に。ペトコパークでG(スタントン)がホームランを打つたびに、マーリンズのこれからの入場券を割引します。例えば、25本塁打ならマーリンズのチケットは25パーセントオフも」

 この宣伝文句の通りならば、スタントンの新記録達成でマーリンズは61パーセントもの割引を迫られることになった。

■26ドルのチケットが10.14ドルに? 球団社長は“軌道修正”「1試合を選んで61%の割引に」

「ジャンカルロ・スタントンのホームランダービーでの記録がマーリンズのマーケティングの頭痛の種になっている」と特集したESPNによると、この広告をクリックしたファンは、マーリンズの後半戦のホーム戦38試合のうち35試合で25パーセントの割引を手にすることができるサービスになっていたという。

 26ドル(約2697円)の席は既に20ドル(約2074円)になっていると記事では指摘。ただ、スタントンの“活躍”で61パーセント引きとなれば、10.14ドル(約1052円)になると算出している。

 記事ではスタントンのホームランラッシュについて「彼はチームのマーケティングに一時的な悪夢を引き起こした」とレポート。ただ、経営状態を逼迫しかねない衝撃のディスカウントにデビッド・サムソン球団社長は「このタイプのオファーは(通例では)最大25パーセントに設定されている」と“軌道修正”に動いたという。

「ジャンカルロが成し遂げたことは本当にクールだ。我々は1試合を選んで、61パーセントの割引をオファーしようと思っている」

 サムソン社長はこう語ったというが、特集では「ホームランダービー終了時に彼らが保証していたと思っていたファンは抗議をするかもしれない」と報じている。

 マーリンズはプレーオフ進出へ向けて好位置につけており、イチローはメジャー通算3000本安打まで残り10本とカウントダウンに突入している。シーズン後半戦はかき入れ時となる可能性もあるだけに、痛恨のプロモーションとなってしまったかもしれない。