ニューカッスル・ユナイテッドの武藤嘉紀が、約1カ月ぶりにスカッドメンバーに入った。 武藤が試合中に左ふくらはぎを痛めたのは、11月3日に行なわれたワトフォード戦。それから期間にして約1カ月間、試合数にして3試合にわたり戦列を離れた。よ…
ニューカッスル・ユナイテッドの武藤嘉紀が、約1カ月ぶりにスカッドメンバーに入った。
武藤が試合中に左ふくらはぎを痛めたのは、11月3日に行なわれたワトフォード戦。それから期間にして約1カ月間、試合数にして3試合にわたり戦列を離れた。
ようやくケガから復帰した武藤嘉紀は次節でピッチに立てるか
もっとも、今節の4日前に行なわれたウェストハム・ユナイテッド戦の時点で、プレー可能な状態まで回復していた。だが、試合前日のラファエル・ベニテス監督との話し合いでベンチ外が決まった。
武藤は「ここでもう一度ぶり返してしまうと、それこそ本末転倒なので。まだ100%の状態ではなく、ここから連戦にもなる。12月のイングランドは非常に厳しい日程になるので、コンディションを上げることが自分に求められている」と、メンバー外になった理由を説明していた。
同時に、武藤がいない間にチームは不調を脱した。武藤がケガにより前半だけで退いたワトフォード戦から、チームはリーグ戦3連勝。シーズン開幕から未勝利が続き降格圏に沈んでいたが、一気にリーグ中位の14位まで順位を押し上げた。前節のウェストハム戦は0-3で完敗したが、一時の絶望的な状況からは抜け出した。
こうして迎えたアウェーでのエバートン戦で、武藤はベンチメンバーに戻った。
ベニテス監督が採用したのは、守備に重きを置いた5-4-1。最終ラインに人員を割いて守備の安定を図り、攻撃はサイドアタックを中心にカウンターを狙った。
ところが、チームは厳しい戦いを強いられた。狙いどおりにクロスボールから先制点を挙げることに成功したものの、エバートンにポゼッションを握られる苦しい状況に陥った。同点ゴールを浴びた後も押し込まれたが、なんとか守備陣が踏ん張り、1-1で試合終了のホイッスルを聞いた。
とはいえ、この流れはベニテス監督が予想した範囲でもあった。同じく5-4-1で守備を固めた2節前のバーンリー戦は2-1の快勝。押し込まれながらも、カウンターで相手の隙を狙っていくスタイルは、特にアウェー戦で効果を発揮している。
そして、タッチライン際でアップを行っていた武藤は、最後まで出番が訪れなかった。チームが採用した5-4-1では、ニューカッスルで主戦場にしてきたトップ下やセカンドストライカーのポジションがなく、起用が難しい事情もあった。試合後、武藤は語る。
「(記者:試合について)アグレッシブさなど、前線のクオリティの厚さがなかったと感じました。それでもワンチャンスをとって、自分たちの流れでいけた。アウェーでエバートンを相手に勝ち点1を取れたのは、結果オーライだったんじゃないかなと思います。
(自分は5-4-1の)サイドもできますけど、監督は僕に『(DFラインの)裏に抜けるプレーをしてほしい』ってことで。このまま5-4-1のままいくのか、4-4-2に戻すのか、どうなるかわからないですけど。(自分としてはどういう状況になっても)やっていくしかないですね」
痛めた左ふくらはぎについては、若干の違和感こそあるものの、コンディションは上向いているという。
「だいぶよくなったので、監督もかなり慎重になってくれていますけど。それでも自分自身、試合に出ないとコンディションが上がってこないと思いますし。次は必ず出られるように。練習から、もう100%できるところを見せていかないと。
違和感? まあ、ないことはないですけど。ドクターからも『(負傷後)これはやっぱり残るものだ』と言われました。やっていって慣らしていかないといけない。痛みはないので、そこはポジティブに捉えていければいいなと思います。時間が解決してくれるんじゃないかな」
一方、離脱期間中に行なわれた日本代表の11月シリーズもチェックしていたという。中島翔哉(ポルティモネンセ)、南野拓実(ザルツブルク)、堂安律(フローニンゲン)といった若いタレントが台頭し、日本代表の前線は活性化している。1勝1分に終わった代表の戦いぶりについて、次のように印象を語った。
「やっぱり若手の選手たちがすごく躍動していましたし、すごく思い切りのよいサッカーができているんじゃないかなと思いました。
(記者:競争が厳しくなるが)代表というのは、そういうところだと思います。しっかり自分のチームで活躍した選手が招集されて、それでいい選手が入れば、どんどん高めあっていけると思うので。それはすばらしいことだと思います。
(自分が代表に入るかどうかは)監督が決めることなので、自分がどうこう言えることではないです。とにかく、次、ニューカッスルでチャンスがあれば、そこで(ゴールを)仕留めて、アピールできればいいなと思っています」
アジア杯に向けた代表メンバー発表まで、武藤に残された試合はひとつ。12月9日に行なわれるウルヴァーハンプトン・ワンダラーズ戦で最大のアピールをしたいと、そう心に誓っていた。