マリナーズが完全に解体&再建モードへと突入した。3日(日本時間4日)、大型トレードを続けて2件成立させ米球界を驚かせた…

 マリナーズが完全に解体&再建モードへと突入した。3日(日本時間4日)、大型トレードを続けて2件成立させ米球界を驚かせた。

 7選手が動くメッツとのトレードでチームの顔とも言える通算2470安打、311本塁打のロビンソン・カノ二塁手と、今季リーグ最多57セーブで防御率1・96と鉄壁の守護神エドウィン・ディアスを放出。
フィリーズとも計5選手が動くトレードをまとめて、打率・304のジーン・セグラ内野手と、中継ぎ投手のジェームズ・パゾス(60試合登板)、フアン・ニカシオ(46試合登板)を放出した。

 

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 すでに今年5月にノーヒットノーランを達成した11勝左腕ジェームズ・パクストンをヤンキースへ。正捕手だったマイク・ズニーノをレイズへ、セットアッパーのアレックス・コロメをホワイトソックスへ放出している。オールスター5度で通算360本塁打のネルソン・クルーズもFAとなり退団した。

 米メディアは「マリナーズは2019年を見ていない。2021年に優勝を争うチームとなることを目指している」と盛んに書き立てている。そこで注目されるのが、今年5月に今季中の休養を発表し、球団会長付特別補佐に就任したイチローの存在だ。

 ジェリー・ディポトGMは今年3月にイチローが古巣復帰を果たして以来、「メンター」という言葉を何度も繰り返してきた。直訳の意味は、仕事をこなす上での指導者、助言者。日本風に古く言えば「師匠」といったところか。

 

 「彼の試合に臨む姿勢。クラブハウスでの準備の仕方。それを直に見ることは、若手が増えてきた我々のチームにとって何よりの財産となる」と同GMは話す。

 5月の特別補佐就任後も、試合中にベンチ入りこそしないものの、イチローはチームに同行し、選手たちと一緒に練習して汗を流し続けてきた。来季意向も現役で居続けたいイチロー。そして若手の生きた教材としての役割を望んだ球団側と。両者にとってウィンウィンな関係が構築されていた。

 そしてマリナーズは、さらに大幅な若返りへと舵を切った。

トレードで、ただ高額年俸の実力者たちを放出しただけではない。当然交換要員として、将来チームを背負ってたつであろう金の卵たちを各球団からごっそりと集めた。

 ヤンキース傘下マイナーのジャスタス・シェフィールド投手、フィリーズ傘下マイナーのJ・P・クロフォード遊撃手らは、全米トッププロスペクト(若手有望株)ランキングでも上位に名を連ねている。彼らを育て上げ、2021年には勝負に打って出る。そのための教育係として、イチローほどうってつけの存在はいない。

 かねてからディポトGMは来年3月の日本での開幕戦でのイチローのベンチ入りの可能性を強く示唆し、来春キャンプでの選手復帰を明言していた。

 解体&再建モードに入ったからこそ、チームはよりイチローを必要としている。日本開幕戦へ向けた客寄せパンダなどではない。GMの前向きなイチロー現役復帰発言の裏には、しっかりとしたビジョンがあったと見るべき。メンターとして、イチローは今のマリナーズに欠かせない「戦力」に違いない。

※健康、ダイエット、運動等の方法、メソッドに関しては、あくまでも取材対象者の個人的な意見、ノウハウで、必ず効果がある事を保証するものではありません。

[文/構成:ココカラネクスト編集部]