長崎 美柚 写真:松尾/アフロスポーツ

 2000年以降に生まれた18歳以下対象のITTF「世界ジュニア選手権2018」が12月2日、オーストラリア・ビクトリア州南東部のベンディゴで開幕した。ジュニア世代の世界最強を決める同大会は9日までの8日間にわたる長丁場。この間に男女団体、男女シングルスおよびダブルス、混合ダブルスの7種目が行われる。



 日本の近年の成績を見てみると、2016年の南アフリカ・ケープタウン大会は、現在シニアで活躍する張本智和(JOCエリートアカデミー)や伊藤美誠(スターツSC)、平野美宇(日本生命)、早田ひな(日本生命/希望が丘高校)らが出場し、男女とも強敵中国を倒して団体金メダルを獲得。男子シングルスでも当時13歳163日だった張本智和が最年少記録で優勝し金メダルを手にした。

 だが昨年、イタリアで開催されたリーヴァ・デル・ガルダ大会は張本がケガで欠場。伊藤、平野、早田らも出場を回避したため戦力低下は否めず、これに対し総力戦で来た中国は、すでに2014、2015年に女子シングルスのタイトルを手にしている王曼イクらを投入し、全7種目を制覇する圧勝で王座奪還に成功した。さて、今回はどうか? 2年ぶりの男女団体アベック優勝をめざす日本代表の顔ぶれは以下の通りだ。

<男子代表メンバー>監督:田勢邦史
戸上隼輔(野田学園高校2年)初出場
宇田幸矢(JOCエリートアカデミー/大原学園高校2年)2回目
田中佑汰(愛工大名電高校3年)2回目
曽根翔(愛工大名電高校1年)初出場

<女子代表メンバー>監督:渡邊隆司
大藤沙月(ミキハウスJSC/中学2年)初出場
長﨑美柚(JOCエリートアカデミー/大原学園高校1年)2回目
木原美悠(JOCエリートアカデミー/中学2年)2回目
相馬夢乃(遊学館高校1年)初出場

 まだシニアで目立った成績を挙げている選手はいないものの、唯一、女子の長﨑美柚(JOCエリートアカデミー/大原学園)はU-18の世界ランク41位に対し、シニアでは世界ランク37位。今年の世界卓球2018スウェーデンでも代表入りする実力の持ち主で、今回の世界ジュニア選手権ではエースとしての活躍が期待される。ちなみに昨年の同大会で長﨑は女子団体決勝の中国戦に3番手で登場し、2016年ケープタウン大会女子シングルス金メダルの石洵瑶を3-1で下した。



 その長﨑を国内の代表最終選考会で破り初代表の切符をつかんだのが中学2年生の大藤沙月(ミキハウスJSC)。代表デビュー戦とあって最初のうちはプレーに硬さも出るだろうが、持ち前の両ハンドパワードライブを武器に波に乗れれば大きな戦力となるはずだ。

 男子のエースは張本とのダブルスでも経験を積んでいる宇田幸矢(JOCエリートアカデミー/大原学園)。また昨年、男子団体準々決勝と準決勝のラストで連勝し、チームのラッキーボーイとなった田中佑汰(愛工大名電高校)の存在も頼もしい。さらに今夏のインターハイ優勝、国内代表最終選考会全勝優勝など勢いのある戸上隼輔(野田学園高校)はこれが代表デビュー戦となるが、世界の同世代たちにどこまで通用するかを確かめるためにも思い切ったプレーが期待される。

 男女とも団体第2シードの日本は4日に始まる第2ステージで初戦を迎える。

(文=高樹ミナ)