ユベントスとクリスティアーノ・ロナウドの好調が止まらない。それは12月最初の試合でも証明された。 12月1日、ユベントスはアウェーでフィオレンティーナに0-3と圧勝。ロナウドもPKからダメ押しの3点目を決めた。ユベントスは今季これまで…
ユベントスとクリスティアーノ・ロナウドの好調が止まらない。それは12月最初の試合でも証明された。
12月1日、ユベントスはアウェーでフィオレンティーナに0-3と圧勝。ロナウドもPKからダメ押しの3点目を決めた。ユベントスは今季これまでセリエAで唯一、アウェーで全勝。一方のフィオレンティーナはホームでは一度も負けなし(4勝2引き分け)だった。ホームでめっぽう強いチームとアウェーで最強のチームの対決に、その行方が注目されたが、ふたを開けてみればフィオレンティーナはユベントスの敵ではなかった。
フィオレンティーナ戦で今季10得点目を決めたクリスティアーノ・ロナウド photo by Getty Images
ユベントスはこの試合で、いくつかの記録をうち立てた。14試合で勝ち点40というのはセリエA史上最高の成績。またアウェー戦で毎回確実に2得点以上をあげているのも、これまでに例がない。すでに2位のナポリを大きく引き離し首位を独走している。
好調の源はやはりクリスティアーノ・ロナウドだろう。14試合で10ゴール5アシストという数字も、セリエAでは1957-1958シーズンにまで遡らなければ見ることはできない。ただし当時は、今とはスピードもテクニックも異なる、牧歌的なサッカーだったはずだ。
得点王争いでは今季ジェノアでブレイクした23歳のクリストフ・ピアテクと同点首位だが、最終的に得点王に輝くのは、やはりロナウドだろう。
セリエAだけではない。チャンピオンズリーグ(CL)でもロナウドは新たな伝説をうち立てた。先週のバレンシア戦にユベントスが1-0で勝利したことで、CL100勝を達成したのだ。世界最高峰のこの大会でこの大台に乗った者は、彼の他にはいない。最大のライバル、リオネル・メッシ(バルセロナ)でさえ、未だたどり着けていない記録だ。
この試合でロナウドは勝利にも大きく貢献した。絶好のボールをマリオ・マンジュキッチへと送り、マンジュキッチはただボールをゴールへ押し込むだけでよかった。ロナウドをマークしていたバレンシアのDFは、まるで催眠術にかけられたように動くことができなかった。彼は自らの手で100勝目をものにしたのだ。
ロナウドは完璧なるアシストマンだったが、それはこの試合に限ったわけではない。ユベントスに移籍して以来、彼が繰り出した決定的なアシストは7本、決めたゴールは11本になる。つまり、ゴールでもアシストでもチームに貢献しているというわけだ。ちなみに、今季これまでカップ戦、リーグ戦合わせたユベントスの得点は39。実に50%近くにロナウドが絡んでいる計算になる。移籍当初、いつロナウドに初ゴールが生まれるかと、皆がヤキモキしていたのが、今は遠い昔のことのようだ。
マンジュキッチとロナウドの息は、試合を追うごとに合ってきている。まるでレアル時代のロナウドとカリム・ベンゼマのコンビを見るようで、最近ではマンジュキッチのことを「ベンジュキッチ」と呼ぶ者もいるくらいだ。
実際、マンジュキッチとベンゼマのプレーには多くの共通点がある。どちらもパワフルで、その巧みなプレーによって相手DFを引き寄せ、ロナウドへのプレッシャーを軽減させ、自由にすることができる。
ただひとつ残念なことがあるとしたら、それはCL100勝目を、グループリーグ首位通過確定で祝えなかったことだろう。水を差したのはマンチェスター・ユナイテッド。ヤング・ボーイズと0-0で引き分けそうだったところを、アディショナルタイムにマルアン・フェライニがゴールし、辛勝したのだ。これにより、首位決定はグループリーグの最終戦に持ち越されることになった(最終戦はヤング・ボーイズ対ユベントス、バレンシア対マンチェスター・ユナイテッド)。
グループの首位になるかどうかはプライドの問題だけでない。1位通過すれば、決勝トーナメントでの対戦が多少なりとも楽になる。すでにレアル・マドリード、バルセロナ、バイエルン、マンチェスター・シティが首位を決めていて、ユベントスが1位になれば、少なくとも初戦では彼らと対戦することはなくなる。ユベントスがホームの最終戦でヤング・ボーイズと引き分けさえすれば、マンチェスター・ユナイテッドを超えることができる。
前人未到のリーグ戦8連覇も日に日に現実味を帯びてきているが、やはりユベントスにしてもクリスティアーノ・ロナウドにしても、どうしても手に入れたいのはCLのタイトルだろう。
ロナウドは最近、恋人のジョルジーナ(すでに2人の間には1歳の女の子がいる)にカルティエの指輪を買ったり、教会の下見をしたりと、結婚が秒読みと言われている。入籍日の予想がブックメーカーの賭けの対象となっているという。
だが、結婚はまだもう少し先のようだ。今のところロナウドの頭にはCLしかない。なぜなら彼とユベントスが結ばれたのは、CL優勝という両者の悲願を達成するためと言っても過言ではないからだ。