*写真は優勝を決めた鹿屋良平(リコー)/撮影:ラリーズ編集部<内閣総理大臣杯 日本卓球リーグプレーオフ2018・JTTLファイナル4 2018年12月1日~2日 高崎アリーナ>2日、卓球実業団チームの年間王者を決める日本卓球リーグプレーオフ…

*写真は優勝を決めた鹿屋良平(リコー)/撮影:ラリーズ編集部

<内閣総理大臣杯 日本卓球リーグプレーオフ2018・JTTLファイナル4 2018年12月1日~2日 高崎アリーナ>

2日、卓球実業団チームの年間王者を決める日本卓球リーグプレーオフ・JTTLファイナル4の最終日、男子決勝は、リコーがシチズン時計を3-2で下し、初優勝を決めた。前日の同カードで敗れていた山本勝也とダブルスが今日は接戦を制し、ラストは守護神の鹿屋良平がチームの勝ちを決めた。

試合後の優勝インタビューでリコーの工藤監督は「迷ったので選手に決めてもらったオーダー。選手が納得行くオーダーこそが勝てるオーダーだと思った。今年鹿屋はラストで一度も負けていない。鹿屋まで回した時点で勝てると思った」と鹿屋への絶大なる信頼を明らかにした。

リコーは6月の日本リーグ前期で初優勝を果たすと、10月の全日本団体でも優勝。今回のJTTLファイナル4と合わせて3つ目の国内タイトルを手にした。その3大会全てで決勝のラストで勝利している鹿屋は「(前期リーグや全日本団体でも優勝を決めたが)今回の優勝が一番嬉しい。個人成績はまだ負け越しなので、もっと勝てるように頑張りたい」と喜びとともにさらなる飛躍を誓うコメントを残した。

各マッチの解説は以下の通り。

男子決勝 シチズン時計 vs リコー 各マッチの解説

1番:御内健太郎 3-1有延大夢




シチズンの主将、御内健太郎はリコーのエース格でTリーグにも参戦中の有延を下した。

シチズンのキャプテンの御内が決勝の1番で大仕事をやってのけた。カットマンの御内は有延のうなるようなパワードライブを守備範囲の広いカットで広いまくり、ここまで2年連続でファイナル4でシングルス無敗だった有延に土をつけた。

有延も得意のサーブからの3球目攻撃で優位に試合を進めるシーンも見られたが、御内のコート深くに入るナックルカット(バックスピンの量が極めて少ないカット)に対し、有延の強打がオーバーミスとなるシーンが何度も見られた。

2番:神巧也 2-3 山本勝也




頭脳的なプレーで勝利した山本(リコー)

山本に前期リーグで勝利している神が、1ゲーム目をあっさり取る。試合の流れが変わったのは2ゲーム目。山本は、フットワークとフォアハンドの威力で勝る神に対し、頭脳的なプレーで対抗した。得点率の高い巻き込みサーブから、コンパクトなバックハンドで神を振り回す戦術でゲームカウント2-2とし、ファイナルゲームに持ち込む。

日本リーグ特別ルールにより6-6から始まった第5ゲームは、9-7と山本リードも神がロングサーブ2本で9-9に追いつくなど一進一退の攻防に。最後は山本が神のミスを誘い11-9で熱戦を制した。

3番:町飛鳥/上村慶哉 1-2 鹿屋良平/有延大夢




リコーの有延(左)/鹿屋ペア
全3ゲームとも2点差という大接戦を制したのはリコーペアだった。前日の対戦ではシチズンペアに1-2で敗れていたリコーペアは、2ゲーム目に先にマッチポイントを握られる苦しい展開ながらも、そこから逆転勝ちを見せた。

4番:町飛鳥 3-0 池田忠功




繊細なボールタッチで安定感のあるプレーを見せた町飛鳥(シチズン時計)
サーブレシーブで先手を取り続けた町が3-0のストレート勝ちで完勝した。町は池田のフォアへ短いサーブを集めて先手を取り続けたのに対し、池田は町のストップレシーブを中心とした台上テクニックに苦しめられた。池田も第3ゲームにはロングサーブを混ぜて得意のラリーに持ち込む展開で応戦したが、最後は町が安定感抜群のブロックとラリーで逃げ切った。

5番:上村慶哉 1-3 鹿屋良平




鹿屋(リコー)は4ゲーム目、バックサーブから両ハンド攻撃で上村の猛攻に対抗した
3番のダブルスで対戦した両チームの主力選手がシングルスでも対戦した。上村は左利きで多彩なサーブレシーブに加え、前陣(台の近く)でパワーのある(フォアとバックの)両ハンド攻撃を繰り出すオールラウンドプレーヤーだ。対する鹿屋はフットワークを活かし、やや台から距離を取ってプレーするのが得意な右利きの攻撃選手で、実業団選手となってから団体戦のラストに滅法強い。

序盤からハイレベルな打撃戦が続くも、要所で勝負強さを見せる鹿屋優勢で試合が進みゲームカウント2-1となる。

4ゲーム目は序盤から鹿屋が台の中央付近からバックサーブを出し両ハンドからの展開を作が、8-4とリードされた場面から上村が意地を見せ5連続ポイントで8-9と一気に逆転した。そこから開き直った鹿屋はフォアストレートへのチキータを決めて追いつくと、最後まで強気で攻撃しる姿勢を緩めず、デュースの接戦を制して、3-1で上村を下し、リコーの初優勝を決めた。試合後、鹿屋はベンチに駆け寄り、ベンチ入りした全選手と抱擁。実業団の年間総合王者の喜びを噛み締めた。




鹿屋(リコー)は優勝の直後、ベンチと喜びを噛み締めた

日本卓球リーグプレーオフ・JTTLファイナル4 男子決勝の結果

<シチズン時計 2-3 リコー>
◯御内健太郎 3-1有延大夢
11-8/11-8/5-11/12-10

神巧也 2-3◯山本勝也
11-3/17-19/11-8/9-11/9-11

町飛鳥/上村慶哉 1-2 ◯鹿屋良平/有延大夢
13-11/10-12/9-11

◯町飛鳥3-0池田忠功
11-4/11-4/11-7

上村慶哉 1-3 ◯鹿屋良平
9-11/11-8/9-11/11-13

※リコーは初優勝

文:ラリーズ編集部