昨年の今ほど、8位をつかみ取り、念願の2班昇格を果たした全日本団体選手権–。今年度は同大会期間に初開催となる個人総合スーパーファイナルが行われるなど、ますます熱い視線が注がれる。早大は順大や日体大など、強豪ひしめくグループの中…

 昨年の今ほど、8位をつかみ取り、念願の2班昇格を果たした全日本団体選手権–。今年度は同大会期間に初開催となる個人総合スーパーファイナルが行われるなど、ますます熱い視線が注がれる。早大は順大や日体大など、強豪ひしめくグループの中、柏木寅治(スポ3=千葉・市船橋)新主将のもと懸命な戦いを見せた。各種目はそれを得意とする3人を団体メンバー6名から選出し行われる。原田脩(スポ2=東京・帝京)や鈴木海斗(スポ1=千葉・市船橋)などチームの戦力となるメンバーは現在ケガに苦しみ、今大会を欠場せざるを得ない状況の中、万全の体制とは言えない早大。今大会は柏木、高橋一矢(スポ4=岐阜・中京)、南亜蘭(大阪・太成学院大高)、山田元大(千葉・市船橋)、竹端健太郎(スポ1=京都・洛南)の5人で全種目を回った。

 朝日生命と一緒に回る最初の種目は跳馬だった。この競技では新チームを先導する柏木が好演技を見せる。大技ロペスに挑み、大きなミスのない演技で14.666をマーク。個人では全体7位と高い得点をたたき出した。続く平行棒では団体5位の点数を記録。中でも南はこの得点に貢献する演技を披露した。得意技であるバブサーなど、難度の高い技を次々と決め演技後その出来に本人も納得の表情を浮かべた。3種目目に演技をしたのは鉄棒だった。この種目から早大勢は失速を見せる。緊張感とミスが出来ないという怖さがあったというトップバッターの竹端。大きなミスの無く演技をまとめたが、思うように点数が伸びず全体40位となった。続く柏木は途中流れが止まりバランスを崩したり、山田は落下のミスがあったりと、少々過失の目立つ結果となってしまった。山田は演技を終え、チームに申し訳なさそうな仕草をしたり、苦い表情を示したりと本人も悔しそうな印象であった。


大技ロペスを決めガッツポーズの柏木

 後半ゆかの演技では悪い流れを断ち切れず、全体15位と振るわない結果となってしまう。続くあん馬つり輪でもこの流れを引きずりチームとしては挽回のできないまま最終成績は全体13位という結果に終わった。あん馬で2度の落馬があった山田は手首の負傷をうかがわせるような仕草が目立ち、演技後「本当に申し訳ない」(山田)と悔しさをにじませる。


高橋、早大最後のつり輪の演技

 そんな中でも元主将高橋は演技でチームを支えようと質の高い演技を披露していた。この大会で早大所属として出場するのは最後となる高橋。強い思いを持って試合に挑んだ高橋の大学最後に披露する種目は彼の代名詞、つり輪。ここまですべての演技にガッツポーズを見せていた彼は最後の『つり輪』もノーミスで締めくくった。高橋は「今後に向けて良いスタートとなった」(高橋)と振り返り、心満意足で後輩にチームを託す。

 新体制の中挑んだ今大会。チームとしては悔しい結果に終わったが、個々には数々の好プレーも光った。この成績を実力不足と前向きに捉える新主将柏木は今シーズンの目標をインカレ3位入賞と掲げている。少数精鋭で戦う早大にとってケガは大きなネックとなるが、全員の力でこの目標を達成してほしいものだ。今大会4連覇を果たした順大や日体大など、迎える壁は高い。数々の強豪に向かってこれからも突き進む。

(記事、写真 脇田真悠子)

※掲載が遅くなり、申し訳ありません

結果
男子団体
選手名ゆかあん馬つり輪跳馬平行棒鉄棒合計点
高橋一矢(スポ4)13.63313.63314.40013.766
柏木寅治(スポ3)13.30012.23314.66612.933
南亜蘭(スポ3)12.86614.06614.200
山田元大(スポ2)10.56613.16613.93313.500
竹端健太郎(スポ1)11.73313.96612.366
団体38.666(15)36.432(13)40.432(7)42.698(6)41.899(5)37.732(12)237.859(13位)

コメント

柏木寅冶(スポ3=千葉・市船橋)

――今日の試合を振り返っていかがですか

全体的にまぁ大過失とかもあったんですけど良い試合だったんじゃないかと思います。

――13位という結果についていかがですか

まだ実力不足なのかなと思います。

――今日は主将として迎えた初めての試合でした

演技で引っ張っていこうと思ったんですけどまだ引っ張りきれてない部分があるので来年に向けてみんなを引っ張っていけるように頑張りたいです。

――新体制のチームワークなどはいかがですか

まだまだだなと思います。でもすごく落ち込むとか雰囲気が悪くなるとかそういうことはあまりなかったのでそこは良かったと思います。

――今日良かったところを教えてください

跳馬が立てたのは良かったです。あと鉄棒とかはまぁ良くはなかったんですけど耐えることが出来たのは良かったなと思います。

――最後に今後の目標を教えてください

インカレで3番以内に入ることです。個人的には全日本に出てNHK杯にも出ることです。今回4種目の出場で平行棒とかつり輪とかは出ていないのでそこを強化していきたいのと、新しく入れた技をもっと安定させていきたいです。

高橋一矢(スポ4=岐阜・中京)

――今日の試合を振り返っていかがですか

そうですね。最後ということで結構思いが強い試合になったんですけど実際演技でもかなり良いところを出せたと思うので、後輩たちにも良いところを見せれてこれで良い締めくくりができたんじゃないかなと思います。

――団体13位という結果に関していかがですか

まだまだ自分たちが弱いっていうことを自覚しないといけないなというところです。インカレで4位だったので良い感じで来ているなというところだったのにこういう結果になってしまったので、もう一回気を引き締めないといけないと思います。インカレの時の練習の取り組み方がどういうものだったのかとか気持ちの作り方がどういうものだったのかということをもう一回全員考え直した方がいいかなと思います。

――今日から新主将のもとチームが始動しました

今までは自分がキャプテンでありエースであったので自分が引っ張っていこうという形で来たんですけどこの試合に関してはどっちかというと後ろから支える側として立ってなんとか後輩たちに頑張ってもらおうという形で基本は柏木のやり方に従うようにしていました。

――元主将から見て今シーズンの早大はいかがでしょうか

新チームは乗れば強いです(笑)ただ乗れなかったときにズルズルいっちゃう子が多いのでそこは上級生がしっかりやっていかないといけないなと思います。

――後輩に向けて一言お願いします

みんな能力は高いと思いますし、良いものを持っていると思うのでもっと自信をもって演技していけば必ず来年はインカレ3位とかそういう目標を達成できると思うので頑張ってもらいたいと思います。

――最後に今後に向けた意気込みをお願いします

全体的にかなり良いできだったのでまた今後に向けて良いスタートが切れたかなと思います。次は早稲田から離れますが、次のところでももっと良い姿が見せれるように頑張っていきたいと思います。

南亜蘭(スポ3=大阪・太成学院大高)

――今日の調子はいかがでしたか

相当良かったです(笑)

――13位という結果についていかがですか

まあ練習通りといえば練習通りなので・・・みんな練習もそこまでしっかり出来ていなかったし点数的にも練習とあまり変わらなかったので仕方がないですね

――今日から新体制がスタートしました

いや、やることはいつもと変わらないので・・・ただ上の学年になったのでチームのフォローもしていかないとなあと思っています。今日は後輩の僕なりの面倒も見れたかなと思います。

――今日の演技を振り返っていかがですか

最後のつり輪ではこけちゃったんですけど、跳馬と平行棒は決めれたので良い役割が出来たかなとは思ってます。

――次の目標を教えてください

そうですね。チームとしては東(東日本学生選手権)でしっかりまとまった演技をしてインカレ(全日本学生選手権)では3番に入れるように頑張りたいです。個人としては次にトライアルがあるので、そこをしっかり通過できるように頑張ります。

山田元大(スポ2=千葉・市船橋)

――今日の試合を振り返っていかがですか

良いできではなかったなという感じです。悔しいというか申し訳ないです。

――今日は新体制として迎えた初めての試合でした

このメンバーはまぁケガ人もでたりしていて、結局一矢さんに頼ることになって、一矢さんはめっちゃ良い試合したのに、下が引っ張っていけるような演技ができなくてみんなに本当に申し訳ないです。

――13位という結果を受けていかがですか

これだけボロボロやってしまったら…やっぱり633の試合の怖さというか…そうですね、ミスしてはいけない試合なのにボロボロミスが出ちゃうっていうのは自分の弱さだし、チームとしての弱さだなと思います。

――試合中手首を痛がっているように見えました

先週の終わりから手首に痛みがでていて、痛くても絶対やらなきゃいけない場面だと思うので、それを任されているのに落下したりとか…手首のせいにはしちゃいけないだろうなと思って…出るって決めたからにはミスしちゃいけないと思います。

――今日良かった点はありますか

よかった点はあんまりないんですけど、こうなっちゃいけないなって学べたっていうか・・・

――最後に今後の課題を教えてください

この後少し空いて、2月3月の初めくらいに海外試合が控えてるかもしれないのでそこまでにはケガも治して、上級生として引っ張っていけるように気持ちを切り替えないといけないと思っています。

竹端健太郎(スポ1=京都・洛南)

――今日の試合を振り返っていかがですか

出だしは良かったんですけど鉄棒で緊張とミスれないって言う怖さから攻めの演技が出来なくて、ゆかもこけちゃって…ミスが出ちゃったので次の課題はミスが出ないようにすることだと思います。

――13位という結果についてはいかがですか

目標が6位だったので全然届かなかったのが悔しいです。

――今後の課題を教えてください

ミスが出ない演技が出来るように頑張ります。