屈強な警備員を笑顔で交わし、地下に下りると爆音のクラブミュージックの中、夜な夜な卓球と美酒を楽しむロンドン市民の姿がそこにある。ラリーズ編集部として約1年ぶりの訪問となるこの場所の名前は「BOUNCE(バウンス)」。1年前のバウンス訪問記事…

屈強な警備員を笑顔で交わし、地下に下りると爆音のクラブミュージックの中、夜な夜な卓球と美酒を楽しむロンドン市民の姿がそこにある。

ラリーズ編集部として約1年ぶりの訪問となるこの場所の名前は「BOUNCE(バウンス)」。

1年前のバウンス訪問記事はこちら


1901年に卓球を発明し、特許を取ったジョン・ジャクエス3世のオフィスだった場所は、ロンドン地下鉄のファリンドン駅のすぐ近くに位置し、今では卓球台17台とバーカウンターのある欧州最大級の卓球バーになっている。



店内には1901年にPING PONGセットを商品化し特許も取得したことを示す看板が設置されていた。

年に一度のリメンバランス・デー(戦没者追悼記念日)でロンドン市民がパレードで盛り上がったその晩、バウンス店内も負けない盛り上がりを見せていた。



店内をごった返すロンドン市民をかき分けて卓球スペースに辿りつくと、暗がりでもはっきりと見える蛍光ピンクのピンポン玉を打ち合う人々に遭遇した。



店内には卓球にまつわる装飾が並ぶ。

20代〜30代の若者を中心に17台の卓球台が全て埋めつくされ、卓球待ちの客でバーカウンターとラウンジスペースだけでは人が収まりきらないほどの盛況ぶりだった。



卓球台のすぐ横にビールジョッキやワイングラスを置き、ラリーの合間に水分補給ならぬアルコール補給をしながらダブルスで真剣勝負をする一行や、連続ラリー記録に挑戦するカップルなど、一様に卓球をしながら大はしゃぎ。

そして20分から30分くらいプレーを楽しむと、ささっと帰っていくのが印象的だった。30代と思われる4人組に「こんなに盛り上がってるのにもう帰るの?」と聞くと「もちろんこれから別のパブに行くよ」と答えてくれた。これが日本の居酒屋文化とは異なるロンドンのパブスタイルなのだという。

イギリスのパブのカルチャーに卓球を取り込んだバウンスはその人気ぶりから2015年にロンドンに2店舗目、2016年には米シカゴに3店舗目を出店した。今後の展開に注目しつつ、またこの地を訪れたい。

現地取材:川嶋弘文/Rallys編集長