2年生にとって3度目、そして最後の新人戦であるあすなろカップ。昨年のウインターステージ同様、今大会も人数の都合上筑波大との合同チームとなった。サマーステージ、ウインターステージともに予選敗退と悔しい結果に終わっていたため優勝への一層強い思…

 2年生にとって3度目、そして最後の新人戦であるあすなろカップ。昨年のウインターステージ同様、今大会も人数の都合上筑波大との合同チームとなった。サマーステージ、ウインターステージともに予選敗退と悔しい結果に終わっていたため優勝への一層強い思いを持って臨んだ。しかし第1試合の共立女大・白百合女大合同チームとの一戦で1—2とまさかの敗戦。その後第2試合の東農大・国士舘大合同チーム戦では得点を積み重ねて4—1で勝利するも、予選ブロック最終試合の立大α戦は2—4と勝ち切ることができず、またも決勝トーナメントには駒を進める事ができないまま今大会の幕を閉じた。

 予選ブロック突破に向けて勝利が不可欠となる初戦の共立女大・白百合女大合同チーム戦。「みんな焦ってしまって自分たちのプレーができなかった」(MF吉見彩、スポ2=早稲田渋谷シンガポール)と振り返るように、序盤から攻めあぐね攻撃の主導権を握れない。前半5分には早大のファールにより相手にフリーシュートを与えてしまうと、これを決められリードを許す。後半に入っても早大本来の勢いは鳴りを潜め、さらに失点。試合終了間際に相手のオウンゴールで1点を返すも反撃は及ばず、1−2で痛い敗戦となった。続く第2試合は東農大・国士舘大合同チームと対峙(たいじ)した。「このままでは終われない」(AT古本彩華、政経2=東京・早実)と試合前にチーム内で鼓舞し合ったことが結実し、前半先制点を奪うと、後半開始直後MF網島ひかり(スポ2=東京・富士見)がショットを決めて2−0。失点する場面もあったが、後半8分には相手がミスをした好機を逃さず、攻守の素早い切り替えから吉見がダメ押しの得点を決め、4—1で勝利した。


敵陣に切り込む吉見

 ブロック1位のみが決勝トーナメントに進出できるという厳しい条件の中挑んだ最終戦の相手はサマーステージ、ウインターステージと2連覇を果たした強豪立大。試合開始直後にショットを決められると、その後も立て続けに失点し0−3と点差を広げられて前半を終える。しかしそこで簡単に終わらないのが早大。後半2分に吉見、後半6分には古本がゴール裏から回り込む鮮やかなショットを決め、勝利への執念を見せる。しかし前後半10分ずつという時間の制約にもさいなまれ、追撃しきれず2—4でこの日2敗目を喫す。決勝トーナメント進出を逃すこととなった。


網島の得点をチームメイトが祝福

 新人戦での優勝という目標を果たすことはできなかったが、「チームとしてはすごく成長した」(吉見)という言葉の通り、結果以上のものを得たことは確かだろう。今大会の主役である2年生は早大ラクロス部に入部して1年、残りはおよそ3年と前途の方が断然長い。この悔しさをバネに飛躍し、悔しい涙ではなく喜びの笑顔を浮かべる姿を見せるその日まで、エンジの戦士たちの活躍に目が離せない。

(記事 村上萌々子、写真 岡田静穂、石井尚紀、今山和々子)

結果

▽予選Fブロック
1試合目 ●1-2 共立女大・白百合女大合同チーム(得点者:OG)
2試合目 ○4-1 東農大・国士舘大合同チーム(得点者:網島、吉見)
3試合目 ●2-4 立大α(得点者:吉見、古本)

コメント

DF茂木千裕(商2=神奈川・桐光学園)

――あすなろカップに向けてチームとして何か取り組まれてきましたか

ミーティングを重ねたり、早朝練をいつもより早く始めたりして、戦術をみんなで深め合いながら、技術も上げられるように、練習量を増やして、コミュニケーションをとって頑張ってきました。

――キャンパスの距離が遠い筑波大との合同チームでしたが、難しさはありましたか

練習がなかなか組めなくて、セットとかをするのが難しかったんですけど、それぞれのビデオとかをあげて、LINEとかでコミュニケーションを取ったりしていきました。

――初戦は攻めあぐねている時に得点を許してしましい、なかなか持ち直せませんでした

全体的にみんな緊張とか焦りでなかなか今までのプレーができなかったので、それが敗因だと思います。

――1試合目と2試合目の間にチーム内で何か話はされましたか

あと2試合をしっかり勝ち切ったら、まだ決勝リーグに行けるので、もう切り替えて今まで通りみんなでしっかり戦っていこうと話しました。

――2試合目は早大・筑波大合同チームのペースで試合を進めていました

練習通りのプレーができて、思い切り戦うことができたので良かったと思います。

――3試合目の相手は強豪である立大αでした

基礎力もすごくあって、落ち着いていて、楽しくやっていて、いろいろなところで負けてしまったなと思います。

――今大会の準備期間や3試合を通して、課題は見つかりましたか

基礎力がまだまだ足りないなと思ったのと、試合の中でどんな状況でもしっかり自分たちのペースを保ち続けることや精神的な面も課題だなと思いました。自分がキャプテンとして声とかで試合中にみんなをあまり引っ張ることができなかったので、そこも課題だなと思いました。

――今後に向けて一言お願いします

この悔しさをバネに早慶戦やリーグ戦とかでもしっかり活躍して、チームの勝利に貢献できるような選手になれるように頑張っていきたいです。

AT古本彩華(政経2=東京・早実)

――試合を終えたいまの気持ちは

最初の入りでみんな焦ってしまって、自分たちのラクロスができませんでした。そこで切り替えて2戦目をしっかり立て直せたのは良かったと思うんですけど、3試合目のリッキョー戦では、個人技でやっぱり完敗してしまいました。個人技で差があるのは分かっていたので、戦術でカバーしようと思っていたんですけど、それも詰めが甘くて、またそれではカバーできないくらい個人技に差がありました。

――1試合目の敗戦後、2試合目では立て直しましたが、どんなことを話しましたか

得失点差ではまだ可能性はあると、結良(DF山本結良、教2=静岡)がみんなを盛り上げてくれて。みんなもこのままでやっぱり終わりたくないという気持ちだったので、そこからは切り替えました。

――自身の得点シーンを振り返っていかがでしたか

自分がやらなきゃと試合中思っていて、夢中でゴールだけ見ました。自分にボールがきたので、ゴールに向かっていったら入りました。

――試合中に敵陣に攻め込むことが多かったように思います

きょうみんな最初の試合で攻め気が足りなかったねと反省したので、ボールを持ったら、前を見る、ゴールを目指すというのは決めてて、取って、走って…でもディフェンスが出てきたらそこは冷静になってさばきました。

――最後の新人戦が終わりました

自分はずっと試合に出られて、その中で一つ一つの試合で自分の中に課題を見つけて、次の目標に向かってこの1年間やってこれたので、新人戦はすごく自分を成長させてくれたなと思うし、試合に出られなかった子たちも、試合に出るように頑張っていて、それを見てわたしたちも頑張れたし、個人だけじゃなくてチーム全体でも成長できました。これからまた立教とは戦っていくと思うので、個人技だとか、今回出た課題はリーグ戦につなげたいと思います。

MF網島ひかり(スポ2=東京・富士見)

――大会を終えた今の気持ちはいかがですか

同期での試合がこれで終わってしまったので、寂しいのとサマー(ステージ)、ウインター(ステージ)、あすなろ(カップ)と何も結果を出せなかったのが悔しいです。次は準リーグや早慶戦(早慶定期戦)が控えているので切り替えていきたいと思います。

――第1試合はまさかの敗北でした

立大αに勝つということばかりを見てしまって、最初から気持ちが乗り切らなかったというのはあったと思います。

――そこから第2試合に向けてどうチームを立て直していきましたか

負けたのは仕方ないので、気持ちを切り替えました。ワセダのメンタルトレーニングで『今を生きる』というのがあるので、起こったことは仕方ないので、切り替えて次頑張ろうといった感じです。

――第2試合では得点も決められました

第1試合で何もできなかったので、自分がボールを運んで少しでもみんなで点を決められたらいいかなと思っていました。決めたときは純粋にうれしかったです。

――ヤマ場として位置付けていた立大α戦はいかがでしたか

90番代の選手は要注意だと話していて。やはり個人技術の部分で完敗だったと思います。それでも点は取れていたし、最後もプレッシャーをかけてダウンボールを落とせていたので、そこの一本をもっと大事にしていければ良かったと思います。

――新人戦3大会を終えましたが振り返っていかがですか

全部悔しさの残る試合でもっとできたことはあったかなと思います。自分としてもチームとしても伸びしろはあったと思います。

――今回の大会を通じて今後に向けて課題は見えてきましたか

個人の能力が上がればチームとしての能力も必然的に上がってくるので、そこを自主練や普段の練習からもっと自分に厳しくしていきたいです。

――最後に今後に向けて一言お願いします

6日の準リーグのメンバーに選ばれたので、そこに向けて気持ちを切り替えていけたらいいなと思います。

MF吉見彩(スポ2=早稲田渋谷シンガポール)

――きょうの意気込みを教えてください

同期とできる最後の新人戦だったので、相手はサマー(ステージ)とウィンター(ステージ)の優勝校でしたが気持ちで負けずにいこうと考えてました。

――今の気持ちを率直に教えてください

とても悔しいです。最初は立大とあたると聞いて弱気な部分もありましたが、同期練を重ねて皆で団結すれば勝てるという雰囲気になっていたので、勝ち切りたかったです。

――1試合目は振り返っていかがですか

みんな焦ってしまって自分たちのプレーができなかったのが負けてしまった要因かなと思います。

――2試合目は4得点での勝利でしたが1試合目からどのように立て直しましたか

気持ちを切り替えて残りの2試合勝てば得失点差で決勝トーナメントまで進めるので、とりあえず2試合目は切り替えて何が悪かったのか反省もしっかりして、試合の入りから強気でいこうと話し合いました。

――2試合目の4点目はご自身で得点されていました

後半で結構ばててしまっていたのですが、ここで決めなくてはと思って一対一が自分の強みだと思っていきました。

――3試合目を振り返っていかがですか

最初の数分で3点決められてしまって、1点決められた時点で修正しなくてはいけなかったし練習から出ていた課題だった部分で得点を許してしまったので、修正力が大事だったかなと思います。

――3試合目でも得点されていましたが振り返っていかがですか

とりあえず気持ちでは負けないようにしなきゃと思って強気でいきました。

――今後の課題とこれからの意気込みを教えてください

新人戦は3回とも全て予選敗退となってしまいましたがチームとしてはすごく成長したと思っていて、このチームで4年まで全員で強くならないといけないので、これからも先輩に負けることなく結果も気にし過ぎず前向きに頑張ろうと思います。